
「投資を始める重要性はわかりましたが、投資に回す資金がありません」
投資について話をすると、よくこんな答えをいただきます。
いままで習慣的に使っていた支出の一部を削るのは難しく感じるのかもしれません。
しかし、投資を始めるのを機に、いままで当たり前だと思っていたお金の使い方を見直す機会にすることもできます。

人生で必要とされるお金全体を俯瞰して、常識を考え直してみるのです。
まず、人生最大の買い物と言われる住宅の購入から考えてみましょう。
◆初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは
◆資産形成の基礎はインデックスファンドを活用しよう
◆【投資信託活用法】初心者が投資リスクを減らす“分散投資”の分かりやすい考え方とは?
◆【分散投資】初心者も簡単!一番手軽な投資信託を活用しよう
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◆定期預金だけで大丈夫? 安全第一に潜むリスク
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住宅は買わなくてはいけないもの?

住宅購入を検討する独身女性が増えていると言われています。
実際「リクルート住まいカンパニー」の調査によれば、窓口へ購入相談に来た独身女性の割合は2014年から2016年にかけて3倍になっているそうです。
しかし、必ずしも買う必要はないと筆者は考えています。
それどころか、住宅購入は高いリスクを負うことになります。
リスクのひとつは、住宅ローンを抱えることです。
住宅ローンを組んで家を買うのは、借金をして巨額の金融商品を買うのと同じです。
今までは、終身雇用・右肩上がりの経済成長、それに伴う給与の増加と地価の上昇、こういった前提に立って住宅ローンは成り立ってきました。
しかし、現在はその前提が崩れています。給与が削減されたりリストラされたりすることは珍しくありません。
以前は、購入した家を売却してローンを返済することもできましたが、いまでは逆にローンだけが残ってしまう可能性すらあるのです。

もう1つのリスクは、資産形成の機会を失うことです。
例えば、4,000万円のマンションを35年ローン(金利1.5%)で購入したとします。
総額の支払いは5,140万円強、つまり1,140万円以上の利息を払うことになります。
また、家を持てば固定資産税や修繕費などのランニングコストが毎年かかってきます。
こうした費用を投資に回せれば、まとまった金融資産を作ることもできます。
住宅購入のリスクの中には、機会損失のリスクもあるのです。
さらに、ライフステージによって家に求めるものが変わってくることも考えておく必要があります。
将来、結婚をしたり子どもができたりした場合、その家にそのまま住むことはできますか?
逆に子どもがいるからと大きな家を買った場合、子どもが独立した後、夫婦二人で持てあましてしまうことも考えられます。
売却して引っ越そうにも、売却額でローンを完済できるとは限らないのは先に書いた通りです。
住宅を買うリスクを考えておこう

独身女性のマンション購入理由の1位は「老後の安心のため」だそうです。(「リクルート住まいカンパニー」調べ)。
しかし、いままで見てきたように、住宅購入には大きなリスクが伴います。老後の安心のために購入したのに、「こんなはずではなかった」という事態を招かないとも限らないのです。
家を買う場合、それに伴うリスクも十分検討してから購入するようにしましょう。「家を持つのは当然のこと」という思い込みで買ってしまうのは避けるべきです。
では、「それでも家を購入したい」と考えるときに気をつけることは何か。次回はそれを検討します。
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中小企業診断士、ライター。転職を繰り返していたため、他人より退職金が少ないことに不安を覚え、2008年ころより資産形成のために投資信託を活用した金融投資を開始。当初はインデックス投資を中心に運用していたが、徐々に投資哲学に共感できるアクティブファンドに軸足を移す。ただし、積立を基軸とする「コツコツ投資」のスタイルは維持している。
中小企業診断士兼ライターとして多くの経営者にインタビューさせてもらう中で、成長する経営者の「お金に対する哲学」を学ぶことができた。
現在は、経営者の資産形成のアドバイスもできるようになることを目指している。
主な執筆先は、クーリエジャポン、企業診断(同友館)、道経塾(モラロジー研究所)、など