悪い癖で済まないことも? 子どもの「鼻」をほじる行為、原因や対処法とは?

投稿日:2021-05-25 更新日:

子どもの中には「鼻」をほじるのが癖になっている子もいます。子どもはなぜ、鼻をほじるのでしょうか。医師に聞きました。

子どもが鼻をほじる理由は?

大人も子どもも鼻を触るのが癖になっている人は多いですが、子どもの中には、鼻をほじることが癖になっている子もいます。「指を鼻の中に入れる行為は衛生上よくない」といわれているため、親はすぐにでもやめさせたいと考える一方で、子どもはなかなかやめないこともあります。そもそも、子どもはなぜ鼻をほじるのでしょうか。子どもが鼻をほじる原因やその対処法について、わしお耳鼻咽喉科(兵庫県西宮市)の鷲尾有司(わしお・ゆうし)院長に聞きました。

「違和感があるサイン」認識を

Q.子どもが鼻をほじることがありますが、なぜ、そのような行動を取るのでしょうか。また、鼻をほじると鼻にどのような影響を与えるのでしょうか。

鷲尾さん「子どもが鼻をほじるのは『鼻がムズムズする』など鼻の不調が原因だと考えられます。しかし、子どもの中には例えば、鼻水が奥にたまったり、鼻の中がムズムズしたりしても、その状態を周囲の大人にうまく言葉で伝えられない子もいます。そのため、そういう子が症状を解消するために鼻をほじっているのを周囲の大人が見た場合、鼻をほじる行為を『悪い癖だ』としか捉えず、鼻の病気の可能性を見逃してしまうことがあります。

鼻の中を触ると鼻の粘膜が刺激されます。そのことで粘膜が傷ついたり、荒れたりすることもあり、場合によっては『頻繁に鼻血を出す』といった症状が出るかもしれません。一度、鼻の粘膜に傷が付いてしまうと、治るまでの間は鼻を直接ほじらなくても外部からの簡単な刺激で血が出ます。また、粘膜が傷つくと細菌やウイルスに感染しやすくなります」

Q.では、子どもが鼻をほじるようになった場合、親はどのように対処すればいいのでしょうか。鼻をほじる理由として、考えられる症状について教えてください。

鷲尾さん「子どもが鼻をほじったら、『鼻をほじるのは鼻に違和感があるサイン』だと捉えてください。その上で『子どもがどうして鼻をほじるのか?』と考え、その原因を探すことから始めましょう。原因を探し、それを治療することが鼻をほじらなくなる近道といえます。鼻をほじったからといって、すぐにやめさせるのは難しいでしょう。

一般的には、アレルギー性鼻炎や副鼻腔(ふくびくう)炎などの疾患があるときに鼻をほじることが多いです。現在、花粉症などのアレルギー性鼻炎は日本人の約50%が罹患(りかん)しているといわれています。つまり、鼻の調子が悪いときは多くのケースでアレルギーが関連していることを想定しなければなりません。また、遺伝性も関係するので、両親や兄弟に花粉症や鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー疾患があれば、特に関連を疑う必要があるでしょう」

Q.子どもが鼻を頻繁にほじる場合、医療機関を受診した方がいいのでしょうか。

鷲尾さん「頻繁に鼻をほじる場合は、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。特によく鼻血を出すときや、先述のように家族にアレルギー疾患(鼻炎、花粉症など)があるときは早めに受診した方がよいでしょう。

また、小さいお子さんの場合、鼻の中におもちゃやティッシュペーパーなどの異物を入れてしまうこともあります。この場合、鼻がムズムズするために、指でほじるかわりに他の物を入れてしまった可能性が考えられます。子どもが鼻に異物を入れた場合もまずは『鼻の調子が悪かったからでは?』と考えることが大切であり、医療機関の受診を検討しましょう。

なお、『鼻水で鼻がムズムズするから異物を入れた』のではなく、逆に、鼻に異物を入れたことが鼻水や鼻詰まりの原因になることもあります」

Q.子どもが1人で鼻をかめるようになるのは、一般的に何歳ごろからなのでしょうか。また、親が子どもに鼻のかみ方を教えるときの注意点があれば、教えてください。

鷲尾さん「個人差はありますが、幼稚園に入園した頃(4歳以降)から鼻をかめるようになることが多いです。子どもに対しては、鼻の反対側を押さえながら優しくかむように教えてください。強くかませたり、両鼻を一緒にかませたりすると耳に影響が出て、中耳炎になる場合があるので注意しましょう。

鼻の奥の方に鼻水がたまっている場合や粘り気のある鼻水の場合、大人であってもうまくかめません。また、鼻水がたまっていると感じても、実際にかんでみたらたまっていなかったこともあります。それらは子どもでも同じです。子どもがうまく鼻がかめない場合、『かむのが下手だから』ではなく、鼻に何らかの症状がある可能性があります」

Q.大人・子どもを問わず、鼻水による鼻詰まりを解消するために鼻に水を入れてから鼻をかむ人もいます。水を使って鼻をかんだ場合、鼻の健康にどのような影響を与えるのでしょうか。

鷲尾さん「鼻の粘膜をよい状態に保つことで、体内の免疫がうまく働くようになります。その意味で、水道水などを使って鼻をかむのはおすすめしません。水道水は鼻の粘膜に刺激を与えてしまう可能性があるからです。また、水で鼻をかみ過ぎると鼻の粘膜を傷つけてしまい、免疫機能を低下させる場合があります。どうしても水で鼻をかみたいのであれば、体液に近いきれいな生理食塩水を使い、適度にかみましょう。

なお、鼻詰まりの原因が鼻水でない場合もあります。その場合、生理食塩水で鼻をかんでも効果はありません。鼻詰まりがひどい場合は自分で判断せずに、耳鼻咽喉科を受診しましょう」

(オトナンサー編集部)


鷲尾有司(わしお・ゆうし)
医師(医学博士)、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医

1995年3月、大阪市立大学医学部卒業。1995年5月から、大阪市立大学医学部付属病院耳鼻咽喉科に勤務。2002年3月、大阪市立大学大学院医学研究科外科系専攻を修了。大阪府貝塚市の市立貝塚病院(医長)などを経て、2011年に「わしお耳鼻咽喉科」開院。わしお耳鼻咽喉科ホームページ(https://washio-jibika.com/)。

 

▼家事が楽になる「魔法の家事ノート」アプリはこちら▼
魔法の家事ノート

-家事ノート

関連記事

電車でおじいさんに寄りかかるおばあさんを見たほっこり漫画反響「オチにびっくり」

電車の中で見かけた光景を描いた漫画が話題に。向かい側の席に座っていたおじいさんとおばあさんでしたが…。 漫画「本当にあったほっこりした話」のカット=sakura.cooo(sakura.cooo)さん …

「妊娠しやすい体質」「妊娠しづらい体質」は結局、存在する? その原因は?

「結婚したらすぐに子どもが欲しい」。そう考える夫婦は少なくないと思いますが、実際に子宝に恵まれるとは限りません。「妊娠しやすい体質」「妊娠しづらい体質」は存在するのでしょうか。 「妊娠しやすい体質」「 …

梅雨期はトラブル多発! 「傘」を使う時に注意すべきこと

梅雨入りした日本列島。これから、梅雨明けまでは「傘」を手放せない生活が続きます。しかし、多くの人が傘を持つこの季節は毎年、傘を原因とするトラブルが多発。今回は、傘の使用時に注意すべきことをご紹介します …

クルマの給油、満タンにすべき? 燃費考え必要量のみ給油、どちらがおトク?

クルマに給油する際、必要なぶんだけ給油するのと満タンにするのと、どちらによりメリットがあるのでしょうか。 満タン派、約6割 クルマに給油するとき、満タンにするのとしないのと、どちらが良いのでしょうか。 …

“何となく”調整していませんか? コンロの「強火」「中火」「弱火」には決まりがある!

ガスコンロの火加減を、つまみの位置で「何となく」調整している人も多いのではないでしょうか。正しい火加減について専門家に聞きました。 正しい火加減の設定方法とは? 料理のレシピでよく見かける、「強火で3 …