会社や自宅に来客があった時などに、出すことの多い「お茶」。普段は、特段の気遣いもなく出している人も多いはずですが、マナーを意識することで、丁寧なおもてなしにつなげることができます。
オトナンサー編集部では、NHK大河ドラマをはじめドラマや映画のマナー指導を務め、最新刊「運のいい人のマナー」など累計100万部以上のマナーに関する著書がある、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに、お茶出しのポイントを聞きました。
正面にお茶菓子、その右側にお茶
【お茶菓子を先に出す】
お茶とお茶菓子の両方を出す場合、お茶菓子をお客さまの正面(やや左でも)に、お茶をお茶菓子の右側に出すようにします。「お客さまの着席後、1分以内にお茶菓子とお茶をお出しするのが理想です」(西出さん)。アポイントがある場合は、その時間に合わせて事前に準備しておきます。
お茶菓子を盛るお皿や、お茶を注ぐ湯のみ茶わんは前もってセットしておくとよいそう。コーヒーや紅茶なども同様です。カップを温めておくこともおいしく飲んでもらうために必要な配慮です。
【茶わんと茶たくは別々に】
日本茶の場合、お盆の上に茶わんと茶たくを別々に乗せて部屋に入り、出す前に、茶たくの上に茶わんを置いて両手で出します。この時、お客さまの右後方から出すのが基本とされていますが、部屋の広さなどの事情でやむをえず前方や左後方から出す場合、「前から失礼いたします」とひと言を添えることが大切です。
コーヒーや紅茶の場合も、カップとソーサーを別々にお盆に乗せることで、運んでいる時にソーサーの上に飲み物がこぼれません。なお、茶わんやカップに絵柄がある場合は、お客さまの正面に絵柄が来るようにします。
もらったお茶菓子でも構わない
【15分経過を目安に2杯目を】
2杯目を出すタイミングは、1杯目を出してから15分後くらいが目安です。お客さまの好みや状況に合わせて、1杯目が日本茶であれば、2杯目はコーヒー、といった具合に種類を変えると、ワンランク上の気配りになります。
【手土産のお菓子は後で】
基本的には、ホスト側が用意したお茶菓子を出しますが、親しい間柄の場合やお茶菓子を準備していない場合、「おもたせで恐縮ですが」とひと言を添えて、頂いたお茶菓子を出しても構いません。お客さまも味に自信があるものを持参しており、一緒に食べることを提案すると喜ばれます。
「一般にマナーの型と言われるものがあり、それを知識として習得することは大事です。しかし、マナーの真髄は、お互いにプラスやハッピーを生み出すこと。相手を思いやり、状況に応じて臨機応変に対応することが大切です」(西出さん)
※参考文献:「できる大人の気くばりのルール」(西出ひろ子著)
(オトナンサー編集部)
西出ひろ子(にしで・ひろこ)
マナーコンサルタント・美道家・ヒロコマナーグループ代表
大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。同国でビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、ほかに類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」など、ドラマや映画、書籍でマナー指導・監修者としても活躍中。著書に、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など国内外で70冊以上。最新刊「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)が2018年5月19日に発売。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムマナーサロン(http://www.erh27.com)。