初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは

投稿日:2018-08-24 更新日:

初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは

「インデックスファンドは万能ではありません」前回の最後に、そう書きました。

インデックスファンドが必ず儲かるわけではありません。

長期にわたってインデックスファンドを上回るリターンを生み出しているアクティブファンドが少ないだけで、理論的には、成長性が高い企業の個別株やそうした業種業界に投資するアクティブファンドを購入して、高いリターンを得ることは可能です。

しかし、それでもなお、著者が初心者に向けてインデックスファンドをお薦めするのは、儲かるかどうかとは別の理由があるのです。

投資をするなら手間をかけない仕組み作りを

初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは

時間の余裕がたっぷりある人は、手間を惜しまず投資のために時間を作れるでしょう。しかし、そんな人は少ないと思います。

多くの人は、仕事に費やす時間はむろんのこと、家族や友人を過ごす時間、趣味の時間と、投資以外にも時間を使うことがたくさんあります。

投資は将来のために資産を作っていく手段であって、目的ではありません。目の前にある大切なことをおざなりにして投資に注力してしまうのは、本末転倒です。

ですから、投資のために必要以上に時間をかけない仕組みが大切になります。

その仕組みこそ、アクティブファンドや個別株の購入のために市場動向の分析などに時間を費やすよりも、毎月一定額を自動的に購入していく「積み立て」を活用してインデックスファンドを購入するということです。

このほうが初心者には向いているのです。

コツコツと「積み立て投資」を継続していくうちに、知識も増えていくでしょう。そうなれば、投資先の一部に、アクティブファンドや個別株を組み入れるのも良いと思います。

ただし、組み入れるアクティブファンドや個別株は、株式投資全体の三割程度に抑えておきたいところです。

リスクヘッジの意味もありますし、投資にのめり込み、過度に時間を費やさないためにも、アクティブファンドや個別株の比率をあまり高くしないほうが良いでしょう。

投資をするだけではなく稼ぎ力を高めることを考えよう

初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは

将来の資産形成のために、今いちばん大切にしておくのは「稼ぎ力」を高めることです。これを忘れて投資にのめり込んでしまうのは、逆効果になりかねません。

理由の一つは、年金額は現役時代の平均年収に左右されるからです。

企業に勤務している人の場合、国民年金部分は年収に関係なく一定ですが、厚生年金部分は年収が増えるにつれて、受け取る年金額も増えていきます。

ですから、まずは目の前の仕事をがんばり、収入アップしていくのが将来の資産形成に直結するのです。

初心者にインデックスファンドをお奨めする理由とは

もう一つ、別な視点も考えられます。60歳を超えても稼ぎ続けられる力をつけておけば有利になるということです。

健康である限り完全リタイアせず、自分のペースで仕事をして収入を得られるならば、これ以上の安全資産はありません。

投資はあくまで手段です。目的ではありません。過度に投資に熱中せず、自らの稼ぎ力を高めておくためには、インデックスファンドを中心にした投資スタイルでのほうが適していると考えます。


中郡久雄
中小企業診断士、ライター。転職を繰り返していたため、他人より退職金が少ないことに不安を覚え、2008年ころより資産形成のために投資信託を活用した金融投資を開始。当初はインデックス投資を中心に運用していたが、徐々に投資哲学に共感できるアクティブファンドに軸足を移す。ただし、積立を基軸とする「コツコツ投資」のスタイルは維持している。

中小企業診断士兼ライターとして多くの経営者にインタビューさせてもらう中で、成長する経営者の「お金に対する哲学」を学ぶことができた。

現在は、経営者の資産形成のアドバイスもできるようになることを目指している。
主な執筆先は、クーリエジャポン、企業診断(同友館)、道経塾(モラロジー研究所)、など


金運占い燕京無料

-マネー
-,

関連記事

株式相場の下落局面こそ「コツコツ投資」が生きる時

最近、日経平均株価が下落しています。1週間で1000円超下落したり、その翌週も1日で400円安をつけたりするなど、株価下落のトレンドは変わっていません。 こういう局面では、「やっぱり投資はリスクが高い …

家計支出は子どもの成長と共にここまで激変する!

「子どもの成長とともに家計はどう変わっていく?」 「同世代の人たちの家計はどうなっている?」 このようなお金の話は、たとえ友達だったとしても聞きにくいものですよね。 そこで、今回は、総務省が実施した『 …

低リスクで家を購入したいなら投資の視点で住宅を見よう!

前回、住宅購入には高いリスクがついてくる、と書きました。 「住宅は買うべきではない」と言いたいわけではありません。「家を買うのは当たり前」「家も持ってこそ一人前」などいままでの常識に縛られて購入するの …

大学進学が当たり前の今、教育費は最低でも●●万円必要!

今の時代、高校卒業後に大学に進学をする人は6割近くにのぼります。 戦後と呼ばれる1954年(昭和29年)以降、短大を含めた大学進学率は右肩上がりで上昇しています。 大学進学が当たり前になったということ …

ガソリン代を節約!上手なエコドライブで家計の支出を減らす技

車に乗っていると、どうしても燃費のことが気になってしまうという方が多いのではないでしょうか? また、地球温暖化対策でCO2排出量の削減が緊急の課題にもなっています。 そこで、注目を浴びているのがムダな …