
「インデックスファンドは万能ではありません」前回の最後に、そう書きました。
インデックスファンドが必ず儲かるわけではありません。
長期にわたってインデックスファンドを上回るリターンを生み出しているアクティブファンドが少ないだけで、理論的には、成長性が高い企業の個別株やそうした業種業界に投資するアクティブファンドを購入して、高いリターンを得ることは可能です。
しかし、それでもなお、著者が初心者に向けてインデックスファンドをお薦めするのは、儲かるかどうかとは別の理由があるのです。
◆資産形成の基礎はインデックスファンドを活用しよう
◆【投資信託活用法】初心者が投資リスクを減らす“分散投資”の分かりやすい考え方とは?
◆【分散投資】初心者も簡単!一番手軽な投資信託を活用しよう
◆投資先を分散させると、どうしてリスクは低くなるのか
◆初心者には投資信託がオススメ! その理由とは?
◆定期預金だけで大丈夫? 安全第一に潜むリスク
◆【主婦でも簡単】1万円から可能!初心者にお薦めできる投資先は?
投資をするなら手間をかけない仕組み作りを

時間の余裕がたっぷりある人は、手間を惜しまず投資のために時間を作れるでしょう。しかし、そんな人は少ないと思います。
多くの人は、仕事に費やす時間はむろんのこと、家族や友人を過ごす時間、趣味の時間と、投資以外にも時間を使うことがたくさんあります。
投資は将来のために資産を作っていく手段であって、目的ではありません。目の前にある大切なことをおざなりにして投資に注力してしまうのは、本末転倒です。
ですから、投資のために必要以上に時間をかけない仕組みが大切になります。
その仕組みこそ、アクティブファンドや個別株の購入のために市場動向の分析などに時間を費やすよりも、毎月一定額を自動的に購入していく「積み立て」を活用してインデックスファンドを購入するということです。
このほうが初心者には向いているのです。

コツコツと「積み立て投資」を継続していくうちに、知識も増えていくでしょう。そうなれば、投資先の一部に、アクティブファンドや個別株を組み入れるのも良いと思います。
ただし、組み入れるアクティブファンドや個別株は、株式投資全体の三割程度に抑えておきたいところです。
リスクヘッジの意味もありますし、投資にのめり込み、過度に時間を費やさないためにも、アクティブファンドや個別株の比率をあまり高くしないほうが良いでしょう。
投資をするだけではなく稼ぎ力を高めることを考えよう

将来の資産形成のために、今いちばん大切にしておくのは「稼ぎ力」を高めることです。これを忘れて投資にのめり込んでしまうのは、逆効果になりかねません。
理由の一つは、年金額は現役時代の平均年収に左右されるからです。
企業に勤務している人の場合、国民年金部分は年収に関係なく一定ですが、厚生年金部分は年収が増えるにつれて、受け取る年金額も増えていきます。
ですから、まずは目の前の仕事をがんばり、収入アップしていくのが将来の資産形成に直結するのです。

もう一つ、別な視点も考えられます。60歳を超えても稼ぎ続けられる力をつけておけば有利になるということです。
健康である限り完全リタイアせず、自分のペースで仕事をして収入を得られるならば、これ以上の安全資産はありません。
投資はあくまで手段です。目的ではありません。過度に投資に熱中せず、自らの稼ぎ力を高めておくためには、インデックスファンドを中心にした投資スタイルでのほうが適していると考えます。
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中小企業診断士、ライター。転職を繰り返していたため、他人より退職金が少ないことに不安を覚え、2008年ころより資産形成のために投資信託を活用した金融投資を開始。当初はインデックス投資を中心に運用していたが、徐々に投資哲学に共感できるアクティブファンドに軸足を移す。ただし、積立を基軸とする「コツコツ投資」のスタイルは維持している。
中小企業診断士兼ライターとして多くの経営者にインタビューさせてもらう中で、成長する経営者の「お金に対する哲学」を学ぶことができた。
現在は、経営者の資産形成のアドバイスもできるようになることを目指している。
主な執筆先は、クーリエジャポン、企業診断(同友館)、道経塾(モラロジー研究所)、など