前回まで、住宅購入に関わるリスクについて書いてきました。
今回はもう少し身近な、しかし、日本人の多くが必要以上に支払ってしまっているといわれる保険について考えてみたいと思います。
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保険の目的を考えよう

保険とは、想定外のことが起こったときに対応するためのものです。
火災が起こってしまったときに対応するのが火災保険、家族を残して死んでしまったときに対応できるのが生命保険。
儲けるためのものではなく、万一のときのリスクを回避するのが本来の目的です。
この目的を離れた保険の使い方は、予想外のデメリットを呼んでしまう可能性があります。
保険で「得する」を考えない

日本では、「貯蓄型」保険といわれる、「生命保険でありながら貯蓄もできる保険」が根強い人気を保っています。保険を掛けながらお金を貯めることができてお得だとのイメージがあるからでしょう。しかし、本当に「お得」なのでしょうか。
貯蓄型の生命保険についてよく言われるメリットとして「支払った金額以上の保険金が受け取れる」との点が挙げられます。「保険料の支払総額は450万円ですが、受け取れる保険金は500万円」のような保険です。
確かにお得なように見えます。
しかし、デメリットも隠れているのです。
まず、一般的な貯蓄型保険は「固定金利」です。契約時の利率が固定されるわけです。
一方、銀行の利息は(いまは超低金利ですが)変動金利です。投資信託などの金融商品も景気の変動でリターンは変わります。
今後の景気がインフレ傾向になった場合、銀行の利息はそれにあわせて上昇するでしょう。
投資信託などの金融商品も(商品ごとの差はあるにせよ)全体としてはリターンが増えていくはずです。
そして、この連載の最初に書いた通り、今後の日本はインフレ傾向になる可能性が高い。
ですから、固定金利の貯蓄型保険では「額面の金額は増えたけど、相対的価値は下がってしまった」ということが起きかねないのです。

また、貯蓄型保険の保険料受取は、満期を迎えてからになります。何らかの理由でお金が必要になって保険を解約した場合、戻ってくる解約返戻金に利子はついていません。
それどころか、経費として一定額が差し引かれるので、支払ってきた保険料よりも少ない額しか返ってこないのです。
以上のように、貯蓄型保険は保険本来の目的からするとお薦めはできないのです。しかし、保険のすべてが不要だというつもりはありません。
もちろん必要な保険もあります

結婚して子どもができたら、死亡保険金が受け取れるタイプの保険に加入したほうがいいでしょう。
また、病気がちな人は医療保険に入ることを検討してみてもいいと思います。
ただし、保険に入る際には公的な保障についても考えておくようにしましょう。
遺族年金の制度や高額療養費制度、傷病手当金など、多くの人が想像している以上に公的な保障は充実しています。
また、健康保険組合の中には、独自の上乗せがある場合もあります。こうした点をよく確認したうえで、必要な保険は何かを考えるようにしていきましょう。
勧められるままやみくもに保険に入るのではなく、情報をしっかり確認することが、結果的に余計な出費を抑えることにつながるのです。
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中小企業診断士、ライター。転職を繰り返していたため、他人より退職金が少ないことに不安を覚え、2008年ころより資産形成のために投資信託を活用した金融投資を開始。当初はインデックス投資を中心に運用していたが、徐々に投資哲学に共感できるアクティブファンドに軸足を移す。ただし、積立を基軸とする「コツコツ投資」のスタイルは維持している。
中小企業診断士兼ライターとして多くの経営者にインタビューさせてもらう中で、成長する経営者の「お金に対する哲学」を学ぶことができた。
現在は、経営者の資産形成のアドバイスもできるようになることを目指している。
主な執筆先は、クーリエジャポン、企業診断(同友館)、道経塾(モラロジー研究所)、など