「結局、何をすれば儲かりますか?」
投資の話をしていると、こうした質問を受けることがよくあります。
そんな方法がわかれば苦労しないと思いますし、ですからそう答えることにしています。
しかし、質問したくなる気持ちもわからなくはありません。世の中には「儲かりそうな話」があふれているからです。
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銀行や証券会社でお勧めされる商品には気をつけろ!
銀行や証券会に行くと、さまざまな商品のパンフレットが並べられています。窓口に相談に行くと、特定の商品をお勧めされることもあるでしょう。
しかし、勧められたものがあなたにとって良い選択である可能性は少ないと考えたほうがいいと思います。
大々的に宣伝をしている商品は売り手にとって有利になる商品です。
買い手であるあなたにとって絶対に損になるとはいいませんが、得をする可能性は限りなく低いです。
その人にとって「良い商品」を選ぼうと思えば、職業や年齢、家族構成や今後の人生設計など、さまざまな要因を加味して考えなければ選べるはずはないのです。
そうしたことを確認することなく、「これが売れ筋です」「お得ですよ」と言ってくるのは、販売目標のノルマを与えられていて、その商品を何とか売りたいと考えているからだと思ったほうが無難です。
銀行や証券会社の販売員は、あなたのアドバイザーではありません。もちろん本当に親身になって、相談にのってくれる販売員もいるでしょう。
長く売れ続けるセールスパーソンとはそういう人だからです。
しかしそのためには、あなたについての情報を十分に知ったうえでないと的確なアドバイスはできません。
その日初めて会う販売員の方が、的確なアドバイスをしてくれるセールスパーソンである可能性はほとんどありません。そこは勘違いせず、冷静に判断する必要があります。
「絶対に儲かる」と言われる話には気をつけろ!
さらに、「絶対に儲かります」とか「あなただけにこの儲け話を教えます」などと言葉巧みに近づいてきて、出資を募るようなケースも見かけます。
先日も、加工食品のオーナーになれば半年後に出資額の10%程度を加算し払い戻す、との触れ込みで出資を募っていた会社が破綻しました。出資金は返還されることはなく、多くの方が財産を失うことになる可能性が高いでしょう。
こうしたケースは、過去にも繰り返し起こっています。
ちょっと考えれば怪しい話だとわかるはずなのですが、渦中にいると「自分がだまされるはずがない」と考えてしまうのが人間の性なのかもしれません。
しかし、絶対に儲かる話を、わざわざ親切で教える人はいません。本当に儲かるなら誰にも教えずに自分一人でやればいいのです。
お金が足りないので出資を募る、と説明する場合もあるようですが、それもかなり怪しいです。「確実」に儲かるなら、不特定多数から出資を募るような手間をかけるより、銀行から借りるなり、投資ファンドに話を持ち込むなりすればいい話だからです。
おいしい話には裏がある。そう考えて間違いありません。こうした話を持ち掛けられたら、「ちょっと待て」と自分に言い聞かせて、冷静になって考え直しましょう。
中小企業診断士、ライター。転職を繰り返していたため、他人より退職金が少ないことに不安を覚え、2008年ころより資産形成のために投資信託を活用した金融投資を開始。当初はインデックス投資を中心に運用していたが、徐々に投資哲学に共感できるアクティブファンドに軸足を移す。ただし、積立を基軸とする「コツコツ投資」のスタイルは維持している。
中小企業診断士兼ライターとして多くの経営者にインタビューさせてもらう中で、成長する経営者の「お金に対する哲学」を学ぶことができた。
現在は、経営者の資産形成のアドバイスもできるようになることを目指している。
主な執筆先は、クーリエジャポン、企業診断(同友館)、道経塾(モラロジー研究所)、など