人生100年時代と言われる、今。
「老後資金2,000万円問題」という言葉を聞いたことも多いと思います。
はたしてそこまで老後資金は必要なのでしょうか?
今回の相談者は「子なし共働き夫婦、将来の老後資金が不安な主婦の春子さん(仮名)」の質問とともに、ファイナンシャルプランナー豊田真由美先生に回答して頂きました。
夫婦共働きの子どもなしの主婦です。将来の経済的なことが不安です。
旦那と二人で老後過ごしていくのわけですが女性の方が長生きするので世の中の女性はおひとりさまになってしまうと思います。旦那に先立たれることを考えて、今からどこくらい貯蓄をしておけば良いでしょうか。(春子さん / 40代女性)
老後はみんな心配です!

「【FPが回答】老後が不安すぎる…40代独身女性なら老後はいくら必要?」でも言いましたが、女性の4人に1人が95歳まで生きる時代です。
男性が成人病になるリスクは40代後半ぐらいから急激に上がり、男性が亡くなる可能性も上がっていきます。
しかし、夫に先立たれる可能性だけでなく、2人で長生きをする可能性も考えておかないといけませんね。
一般的に老後資金は夫婦2人で3000万と言われています。
下のデータを見ると、全国平均で高齢無職世帯の支出は生活費だけで約マイナス6万円です。
95歳くらいまで生きると考えて、65歳からの30年分で
6万円×12ヵ月×30年=2160万円。30年間で約2000万足りないのです。
このほか住宅の修繕や車の買い替え、その他の大きな支出をプラスしていくと、3000万を超える可能性もあります。
さらに介護資金2人分1000万円を足せば3000万円では足りませんね。 ゆとりある暮らしをしたいなら、もっと生活費がかかるため、さらに多くの老後資金を残しておく必要があります。
資産がある世帯とない世帯の格差が開きつつある
また、貯蓄は60代の2人以上世帯で金融資産(貯蓄や証券等もすべて含む)がある人だけの全国平均貯蓄額は2,462万。
金融資産がない人も含めると平均1,664万。
60代70代は退職金が出た直後でもあるので、資産額が高くなるのは当然と言えば当然なのですが、ここから老後資金を取り崩して減っていくわけです。
その一方で、高齢世帯でも35%の世帯は貯金がありません。
資産がある世帯とない世帯の格差も開きつつあります。
特に、女性の60代以上のおひとり様の約半分は年収が160万円に満たない貧困状態にあるともいわれます。だからこの相談者さんは心配しているのかもしれないですね。
まずは夫婦で目標額を設定しよう!
貯蓄目標額は、夫婦で長生きをしたときの目標額以上を目指しておけばいいのではないでしょうか。
共働きなのであれば貯めやすいはず。
夫婦で退職金を含め最低でも3000万以上貯めるという目標をたてて、今のうちに貯めておくといいと思います。
老後の生活のレベルによっては、もっと多めに残す必要もあります。
旦那さんが亡くなってもこの貯めていたお金は残るので、相談者さんも安心出来るのでは?
あるいは、貯蓄をすること以外にも、夫に生命保険に入っておいてもらうことも1つの方法です。
もし住宅ローンの残債があって団体信用生命保険をかけているのであれば、保険の1つと捉えて、退職金が入ってもあえて繰り上げ返済をしないのも一法です。
住宅ローンの名義が夫であれば、夫が亡くなったときに住宅ローンもなくなります。
あとは、ご自身でもお金を増やすことを考えてみましょう。職場に確定拠出年金制度がないなら、個人型を利用したり、NISAで投信積立をする、そのほかにも投資の勉強をしてみるのもいいでしょう。
なにはともあれ、夫婦仲良く健康で長生きするのが一番です。