女性の「アルコール依存症」が年々増えているといいます。
男性よりも少ない量や期間で依存症になりやすい体質であることや、社会の変化なども理由にあります。
仕事、結婚、子育てなど生活変化のストレスにより飲酒が進むことが多いようですが、飲みたくても小さな子どもがいて夫の帰りが遅ければ、そう簡単に飲みに出歩けないのがママの現実。
家飲みが増えたり、夕飯の支度をしながら飲んだり。
最初は土日だけだったのがいつの間にか飲む曜日が増え、いつしか月曜からずっと飲んでいる…なんてことも。
一体、どの程度から「アルコール依存症」と判断されるのでしょうか?
どうやってアルコール依存症を診断するの?
アルコール依存症は、血液検査や尿検査で診断するものではありません。アルコールが排出されるのは、尿、汗、呼気。これらでアルコールが検出されたとしても、「依存」状態かどうかまでは判断できないそうです。
つまり「自己申告」のため、本人が「病気だと認めたくない、酒に溺れる弱い人間と思われたくない」などの気持ちがある場合、過少に申告しやすいのです。
受診には勇気がいりますが、WEBで2~3分で済むチェック方法があります。
回答を選ぶだけで簡単にできる「アルコール依存症 WHO(世界保健機構)チェックシート」や、久里浜医療センターの「新久里浜式スクリーニングテスト」を利用してみましょう。
どのくらいの量と頻度でアルコール依存症?
毎日のささやかな楽しみとして、「缶ビール1本かワイン1杯くらいなら」という人もいますが、WHOのチェックシートを使った結果、下記の通り「危険で有害」との表示が。その状態を続けていると飲酒が進行し、アルコール依存症になる可能性が十分あるといえるのでしょう。
チェックシートにはさまざまな設問があり、罪悪感の有無等でも別の結果になることがあるため、一概に同じ結果にはなりません。気になる方はご自身でチェックしてくださいね。
※多量飲酒とは、ビールで例えると500ml×3本=1500ml(純アルコール換算60g)です。
- 毎日缶ビール1本(350mlまたは500ml)、週末は多量飲酒を想定 →「危険で有害な飲酒。量を減らすか専門医の受診をおすすめします。」
- 週2~3回缶ビール1本、週末は多量飲酒を想定 →「危険で有害な飲酒。量を減らすか専門医の受診をおすすめします。」
- ほとんど毎日多量飲酒 →「アルコール依存症が疑われる飲酒。断酒か専門医の受診をおすすめします。」
※1~3はWHO(世界保健機関)スクリーニングシートの診断結果をまとめています。詳しく知りたい方は下記のURLへアクセスしてください。
http://alcoholic-navi.jp/checksheet/
ストレスでお酒を飲みたくなるのはよくあること。
でも、「孤立した家飲み」になりがちなママは、孤立がさらに飲酒を加速させそうな気がします。
ママの体は子どもにとっても大事です。
肝臓が悲鳴をあげる前に、例えば一人の時は止めて夫や友人と一緒の時だけ楽しむなど、休肝日を設けてはいかがですか。
「そう思っても飲む量をコントロールできない、悪いとわかっていても飲みたい、今までの量では酔えなくなって飲む量が増えた」などの状態であれば、専門医の受診が必要かもしれません。
最近では、入院せずに仕事や家事を続けながら治療に取り組め、本人に自覚がない場合は家族相談も行うクリニックがあります。
アルコールを求めるようになった根本には、心の葛藤、不安、ストレスがきっとあるはず。「心の病気」だと気づき、その根本を家族で分かち合って、解決方法を探りましょう。
※こちらの記事はアルコール依存症を診断するものではございません。
気になる場合は専門機関での受診をおすすめ致します。
<参考>
作家・田口ランディ note、AllAbout、大石クリニック、アルコール依存症治療ナビ.jp、久里浜医療センター、アサヒビール、厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 総合サイト
7歳男児、3歳女児、44歳夫と4人家族で、育児・家事に翻弄される毎日。13年勤めた会社を退職後、現在は月刊誌の取材・執筆・撮影に携わる。一方で子供に関わる社会問題にも関心を寄せる。好きな食べ物はマカロン。