菌を殺す抗生物質を、なんでもすぐに処方する医者が多い日本。
そんな中、「医者が病気を治すのではない。自然治癒力を高めるのが医者の役目」という真弓定夫先生のドキュ メンタリー映画「蘇れ生命(いのち)の力」から、気になるトピックをご紹介します。
昔の子どもたちの体温は 37~38℃!
近年は低体温の子どもが増え、免疫力が低下して病気になりやすくなることが問題視されて います。
快適で便利な社会になり、先生は「戦後、子どもたちの生命力や免疫力が落ち、聞いたことがなかったアトピーやぜんそくが当たり前になった」と言及。
先生の書籍「自然流育児の すすめ」では、1936 年と 1958 年の調査で、6~14 歳児の体温が 36℃台後半~38℃とのデ ータが紹介されています。
体温が高ければ、それだけ免疫力があり、自然治癒力も高い。
そこで先生は、自然治癒力を高めるために「加工食品を食べない、加工されていない水を飲む、土地の物・旬の物・和食を食べる、外に近い温度で過ごす」など、自然に近い生活習慣を中心に指導する診療を貫き、先生自身も質素な暮らしをしています。
日本の医療費は60 年前の約180倍!!
驚きの数字ですが、先生は「60 年前は人口 6800 万人、医療費 2300 億円。今の人口は 2 倍 なのに、医療費は 180 倍になった」と言っています。※1
2016 年度は 41 兆 3 千億円にまで膨れ上がり、物価の違いを考慮しても信じがたい数字と言えるでしょう。
一方で、真弓先生には稼ごうという気持ちはありません。40 年前は 1 日 60~70 人の患者 が来て 2~3 時間待つのが普通だったそうですが、映画では 1 日たった 3~5 人。
「病を見るな、人を見よ」という診療のため、1 人当たり 30~40 分かけ、機嫌、元気、快食、快眠、快便という5つの項目をじっくり尋ねます。
「欲を出して医者で稼ごうと思ったらやっていけない。 でも経営は成り立っているし、子どもも 4 人育てられている」と、笑顔を見せました。
日本の医療費の増加は、長年社会問題になっています。しかし、病院やクスリに頼らなくても、人間に本来備わっている「自然治癒力」を引き出せば、風邪くらいは何とかなるもの。
筆者は、子どもが発熱しても「自分で一生懸命菌と戦っているんだなぁ、頑張れ!」と思うようになりました。(※個人の感想です。)
子どもの力だけで実際に熱が下がった時は、本人も大喜び! たくさん褒めます。
皆さんも、免疫を上げる食生活や習慣など、できることから変えてみませんか。
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※こちらの記事内容は真弓先生の見解になります。異なる見解を持つ医師もございます。
※映画「蘇れ生命(いのち)の力」は、ハートオブミラクルが制作し、2017 年 11 月に東 京、12 月に大阪で上映。
その後は各地で自主上映されています。
※真弓小児科は現在閉院。
※1
編集部独自の調査によると、医療費が増えた理由としては、人口の増加や 高齢化、医療技術の進歩、薬剤価格が高いことなどもあげられています。
※あくまでライター個人の感想であるため、発熱や体調不良が見受けられる場合は医療機関等の受診をお勧め致します。
真弓定夫ドキュメンタリー「蘇れ 生命の力」予告編 ロングver
<参考>
厚生労働省、一般財団法人 海外邦人医療基金 、日本臨床外科学会 、日経 人口推移 総務省統計局、読売オンライン ヨミドクター、産経ニュース
<出典>
・映画「蘇れ生命(いのち)の力 ~小児科医 真弓定夫~」ハートオブミラクル制作
・書籍「自然流育児のすすめ」真弓定夫/地湧社 P.21
7歳男児、3歳女児、44歳夫と4人家族で、育児・家事に翻弄される毎日。13年勤めた会社を退職後、現在は月刊誌の取材・執筆・撮影に携わる。一方で子供に関わる社会問題にも関心を寄せる。好きな食べ物はマカロン。