ADHD(注意欠陥・多動性障害)の向いている仕事・就職支援

投稿日:2019-10-28 更新日:

ADHD特徴発達障害図解サンゴスタイル35style
ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは発達障害の一つであり、不注意・多動性・衝動性の3つの特性があります。大人になってから気づくこともありますが、多くは子供の頃から落ち着きがない、集中力がない、感情がコントロール出来ないなどの困難を抱えている場合が多いと思います。

それでは大人の発達障害を抱える場合、就職・仕事をすることは難しいのでしょうか。今回はADHDの障害を持つ方の為の仕事や適職、就職支援などについてをご紹介していきましょう。

ADHDとは?大人の発達障害

ADHD発達障害脳
まず発達障害とは生まれつき持った何らかの脳機能異常によって起こるものだと考えられています。

つまり、成人してから突然発症するものではありません。

発達障害の中でもADHD(注意欠陥・多動性障害)は、主に不注意・多動性・衝動性の3つの特性があり、社会生活においても様々な場面で困難や問題に直面することになります。

不注意

  • 仕事でミスを繰り返してしまう
  • 整理整頓が出来ない
  • 忘れ物が多い
  • 気が散りやすい

多動性

  • 落ち着きがなくすぐに席をたつ
  • 体を揺らしてしまう、姿勢を保てない
  • 人の話をよく聞けない

衝動性

  • うまく思考をまとめられない
  • 計画をたてることが苦手
  • 段取りよく仕事をすることが出来ない
  • やるべきことをつい先送りしてしまう
  • 目についたことから初めてしまう
  • 遅刻を繰り返してしまう

このような特性から職場トラブルが続き、同僚や上司からの信頼を失くしてしまったという事もよくあります。
その後、転職を繰り返してしまったり、うつ病などを合併してしまうこともあります。

ADHDの人の就職は無理?

ADHD就職働き方
それではADHDの障害を持った人は就職・仕事は無理なのかと言えば、そんなことはありません。

「スピード」「正確性」「コミュニケーション力」が要求される、現代社会においては適応しにくいだけと捉えましょう。

決して能力が劣っているという訳では無いのです。ADHDの特性を自身でよく理解したうえで、どのような仕事が向いているのかを考えて選択をすれば良いのです。

ADHDの長所を生かした仕事・適職

ADHDの長所を生かした仕事・適職
これまでADHDの短所ばかりを挙げてしまいましたが、もちろん長所はたくさんあります。
適職をご紹介する前に、まずはADHDの人の持つ長所をご紹介していきましょう。

ADHDの人の長所

  • 好奇心が強い
  • 明るく社交的である
  • あらゆる感覚に敏感
  • 興味のあることに対して集中力を発揮する
  • 発想力が豊かでクリエイティブ
  • 広く浅いよりは、深い人間関係を求める

※全てのADHDの人が当てはまるとは限りませんが、過去の研究から明らかになっています。

ADHDの人の適職

  • IT関連(プログラマー、WEB制作など)
  • 編集・ライター
  • デザイナー
  • カメラマン
  • ミュージシャン
  • 漫画家、イラストレーター
  • 技巧的な仕事
  • 研究職

上記は一例ではありますが、基本的に「1人でできる専門的な仕事が向いている」と言えます。

ジェネラリストよりはスペシャリスト向きあり、コミュニケーション力やマルチタスクを求められる仕事よりは、ある特定のスキル、技術力が個人に求められる仕事を選ぶと良いでしょう。

ADHDの就職支援・相談

ADHDの就職支援・相談
いざ就職活動をはじめてもなかなか仕事が決まらない、または職場にうまく適応出来なかった場合に利用したいのは支援機関です。
発達障害をある人が利用できる公的な支援・相談先は以下のところがあります。

ハローワーク

公共職業安定所。若者の向けの「若年コミュニケーション能力要支援就職プログラム」が受けられる。

発達障害者支援センター

発達障害のある人と家族への生活全般の支援。ハローワーク、医療機関などと連携している。

地域障害者職業センター

知的障害、身体障害、発達障害の人の就労支援の他に、SST(ソーシャルスキルトレーニング:社会で人と人とが関わりながら生きていくために欠かせないスキル)なども行う

地域若者サポートステーション

発達障害の有無に関わらず、引きこもりやニートの若者の支援機関。職場見学や就活セミナーなども行う。

就労移行支援事業所

職業訓練、求職支援、就職後の相談などを行う民間の福祉サービス。

また就労して働き続けたい時の支援機関としては、医療と福祉が連携したデイケアや、ジョブコーチなどの制度があります。ジョブコーチは職場に直接、担当者が出向いてアドバイスなどを行ってくれます。

障害者枠での就労について

障害者枠での就労について
障害にも重度から軽度のものまでありますが、もし一般就労が難しいのであれば障害者枠での就労を検討してみましょう。
障害者就労を目指す場合、知的障害のある方の場合には療育手帳が取得できますが、知的障害のないADHDの方は、「精神障害者手帳」を取得することが必要です。

医師からの診断書を市区町村の窓口へ提出することで取得が出来ます。

大人のADHDを抱える方にとって一番辛いのは就労ではないでしょうか。

人間関係がうまくいかない、上司に怒られてばかりいるという方はその仕事が向いていない可能性もあります。
そんな時は今一度自分の特性を見つめ直し、新しい仕事へ転職・挑戦することも良いかもしれません。

参考図書:大人の発達障害 生きづらさへの理解と対処

-ライフスタイル
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この記事を書いたライター
35style編集部
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