発達障害は“障害”ではない!?「発達障害がある子どもとの接し方」【Part2】

投稿日:2018-08-19 更新日:

発達障害がある子どもとの接し方
前回の発達障害は“障害”ではない!?「有名人・偉人たちにみる発達障害」【Part1】では、発達障害を持つ人たちがどうしてその「障害」を感じさせず、成功をできたのか?という点について説明しましたね。

それは当人たちが「自分の特性を理解する」「自分の障害を他で補う努力や情熱」を持っていたという点と、もう一つ、大事な要因があります。

「親や周囲が本人たちの抱える問題に気づいて、対処している」ということ。

発達障害の子と接するというと、大人はどうしても身構えてしまいますが、実は、普通に子どもと接するのとなんら変わりないと思います。

今回は発達障害を持つ子どもとの接し方について解説していきます。

発達障害がある子どもとの接し方1:まずは考え方から

発達障害がある子どもとの接し方
発達障害にはさまざまなタイプがあるのは事実です。

しかし、普通の子育てがマニュアル通りにいかないのと同じように、障害のタイプによって接し方を変えても必ずしもうまくいくわけではありません。

また、発達障害についての専門知識がないからといって、その子のことがわからないというのは、はじめから関わること自体を避けているようなものです。

障害を持たない子どもであっても、活発な子、おとなしい子、おもしろい子、マジメな子と、個性はひとりひとり違います。
発達障害を持つ子どもも同じです。

子どもから教わる気持ちで

発達障害がある子どもとの接し方
まずはその子と積極的に関わって、その子の性格やユニークさ、良さや強みとなる部分を知ることが大切。
そして何より忘れていけないのは、「子どもから教わる気持ち」なのです。

発達障害がある子どもとの接し方2:思いやりのある言葉かけ

発達障害がある子どもとの接し方
ADHDを持つ子は、バランスをとる動きや体全体を使った運動が苦手な傾向にあります。そのため、ボール運動が苦手だったり、止まるべきところで止まれずに壁やほかの子にぶつかってしまうこともあります。
また、勝ち負けにこだわったり、1番になりたがる面もあります。

たとえば体育の授業でのバスケットボールの試合。苦手なボール運動に加えて、勝負が関係している場面において、障害を持つ子はやる気が失せてしまいます。
このとき、周囲の子どもたちが「へたくそ!」「いやならやめろ!」といった言葉を投げかけたとしたら……。
間違いなくトラブルは生じるでしょう。
大声でわめきたてるかもしれませんし、暴れるかもしれません。

本当にキレやすいのはどっち?

発達障害がある子どもとの接し方
それによって、「キレやすい」というレッテルを貼られてしまうこともあります。
ですが、本当にキレやすいのはその子でしょうか?
先にキレたのは周囲の子どもたちだという見方もできませんか?

もし、周囲の子どもたちが「気にするなよ」「一緒にやろう」と言ってくれていたら、どうなっていたでしょうね。

発達障害がある子どもとの接し方3:気持ちをくみとる

発達障害がある子どもとの接し方
通常の保育園に自閉症の子がひとりいたとします。
その周囲で、まったく無関心な子がいれば、世話を焼きたがる子もいます。
え世話焼きの子と自閉症の子が仲良く遊んでいるかと思えば、自閉症の子が突然泣き叫ぶ。
こうなった場合、たいていの大人は「自閉症であるからパニックを起こしやすい」と考えるでしょう。
しかし、理由もなく泣き叫ぶ人間などいないのです。

世話焼きの子は、“影の司令塔”になりやすいといいます。
最初は純粋に優しい心でお世話をしていたとしても、自閉症の子と一緒にいることで損をする経験が積み重なってくることがあります。
そして「なんで私がこんなことをしなければいけないの?」という思いが生まれ、自閉症の子をストレスのはけ口にしてしまうのです。

理由もなく泣き叫ぶ子どもなどいない

発達障害がある子どもとの接し方
自閉症の子が突然泣き叫んだのは、大人の見えないところで世話焼きの子に叩かれたから、もしくは世話焼きの子に焚きつけられた周囲の子どもたちにからかわれたからだと考えられます。
「なぜ泣いているのか?」と大人に聞かれてもうまく説明できない自閉症の子。そして、言葉巧みに大人に訴えかける世話焼きの子。

でもこれは、世話焼きの子に大きな問題があるわけではありません。
問題なのは、先生や保育士、保護者といった大人が、ふだん自閉症の子にどう接し、どう言葉かけしているかです。
世話焼きの子は、その言動をしっかりと見ているからです。

発達障害がある子どもとの接し方4:対人関係を学ぶ

発達障害ソーシャルスキル
発達障害の支援のひとつに「ソーシャルスキルトレーニング」というものがあります。
適切な対人関係をつくるためのトレーニングですが、専門機関はきわめて限られています。

このソーシャルスキルトレーニングを受けた小学生の女子が、クラスの活動にも積極的に参加するようになってきました。
わからないことがあったら、同じ係のクラスメイトに聞く、できなかったら手伝ってもらう。一見簡単な行動に見えても、実際は、障害を持たない人でもなかなかできることではありません。

本当に対人スキルを学ぶ必要があるのは?

発達障害対人スキル
そんな著しい成長を妨げるように、クラスメイトはこう答えます。
「そんなこともできないのか!」「幼稚園からやり直せ!」
それでもめげずに、別のクラスメイトに「一緒にやろう」と言います。しかし、「誰がお前なんかとやるか、ブス!」と言われてしまいました。

せっかく受けたトレーニングのスキルが、学校生活のなかで機能しないのです。

ソーシャルスキルトレーニングが本当に必要なのは、その障害を持たないクラスメイトのほうかもしれません。

発達障害がある子どもとの接し方5:まずは大人が見本となる

発達障害接し方

発達障害の子どもが周囲によく言われるのが「乱暴な言葉を使う」。

しかし、これは障害を持つ子どもに限ったことではありません。
障害を持たない子どもは大人の顔色をうかがうことができるので、大人の前で使わないだけ。
もし、発達障害の子どもが乱暴な言葉を多用するようであれば、その周囲の子どもたちが使っているからだと考えたほうが自然です。

子どもは大人のマネをしているだけ

発達障害親先生見本

ではなぜ、乱暴な言葉が子どもたちの間で使われるようになるのか。
それは、その周囲の大人たちが使っているからにほかならないのです。
人を傷付けたり、叱責するような言葉ではなく、人を励ましたり、元気にする言葉をできるだけ多く使いたいものです。

あなた自身が言われてイヤな気持ちになる言葉は使わない。
そう意識するだけでも違ってくるはずです。

発達障害がある子どもとの接し方6:会話は具体的、簡潔にする

発達障害指示具体的
言葉には具体性がなければいけません。
誰しもが言いがちなのが

  • 「ちゃんとしない!」
  • 「しっかり聞きなさい!」
  • 「きっちりやりなさい!」

「ちゃんと」「しっかり」「きっちり」とは?
言われてみれば、漠然とした言葉だと思いませんか?

また、否定から入るのもNG。
「○○してはダメ!」ではなく「○○したほうがいい」といった具合に話すようにしましょう。

ほかにも、一度にたくさん言わない、上手に叱る、などいろいろな接し方がありますが、どれも障害があるなしに関わらず、どんな子どもにも共通していえる理想的なしつけ方。

ですから、障害を持っている子どもの教育が特別大変なわけでないのです。

発達障害がある子どもとの接し方7:マイナスをプラスとして見方を変える

発達障害ほめる褒める

ほめて伸ばすことも大切です。
しかし、子どものいいところを見つけるのは、案外大変。
ですから、頑張って子どものいいところを探すのではなく、マイナスな面もプラスにすればいいのです。

たとえば、
「15分しか席に座ることができない」はマイナスですが、
「15分も席に座ることができた」はプラスです。

ほかにも

  • 注意が移りやすい⇒好奇心が旺盛
  • 物をよくなくす⇒物やお金に執着しない
  • しつこい⇒粘り強い
  • 幼稚⇒子どもらしい

といった具合に、心のストライクゾーンを広げて、見方を変えてみましょう。

発達障害がある子どもとの接し方8:子ども同士が支え合える環境をつくる

発達障害支えあう支援

学校で、発達障害を持つ子が落ち着いているときは、その子のなかでの変化や成長だけでなく、周りの環境との相互作用によって落ち着いた状態を作り出している、という見方ができます。

つまり、障害を持たない子たちも、いいほうに変化し成長しているということ。

もちろん、教師や保護者の支援は必要ですが、自然に子ども同士が支え合う雰囲気が作られれば、学級がまとまっていくのに添って、発達障害を持つ子どももともに成長していけるようになるのです。

子ども同士が高め合う力は、大人の予想を超えるようなすばらしい効果を生むことになるのです!

まとめ

発達障害接し方まとめ

  1. 周囲の大人、子ども自身が困りごと・つまづきについて認識する
  2. 周囲の大人が子ども困りごと・つまづきについて主体的に取り組む
  3. 子ども同士が支え合える環境をつくる

発達障害と診断された子どもたち、そしてその親が抱える苦しみは計り知れないものがあります。

しかし、”できない”というマイナス面ばかり捉えてしまっては、前に進めません。

誰にでも”得意”、”不得意”なことの”違い”はあります。

発達障害をプラス面に受け止めることが、子どもの自己肯定感を育むことになるのではないでしょうか。

子どもの違いを生かすも殺すも、周りの環境次第なのです。

未来ある子どもたちのために、支える周りの環境をこれからも考えていきたいですね。

出典:ママニティ

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この記事を書いたライター
35style編集部
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