発達障害のさまざまな特性
発達障害はいくつかのタイプに分類されています。どれかひとつのタイプの人もいれば、いくつかのタイプを持っている人もいます。
LD(学習障害)
全般的な知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」など、特定の分野で困難を伴う障害。
そのため、これらを学習する小学校入学以降に障害と気づくことが多く、「努力が足りない」「勉強不足」と見られがちです。
また、軽度の知的障害と間違われるケースも。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
7歳までに、「不注意」「多動性」「衝動性」などの状態が現れる障害。注意力のみに問題を持つタイプ、注意力と多動の問題の両方を持つタイプ、多動や衝動性が前面に出るタイプなどがあるといわれています。
不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などがあります。
多動と衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込んでしまうということがあるようです。
ADHDと診断される子どもには知的な遅れが伴わないことが多く、通常学級に在籍することが多いようです。
高機能自閉症
知的な遅れを伴わない自閉症。目を合わせない、ほかの子どもに興味がないといった「対人関係」に関連した行動や、オウム返しなどの「言葉の遅れ」、自分の好きなことや興味のあることには熱中し「こだわる」といった特徴があり、このうち「言葉の遅れ」が軽い状態だと「アスペルガー症候群」と診断されることがあります。
また、医師によっては「PDD(広汎性発達障害)」という用語を使うこともあり、「自閉症スペクトラム障害」もほぼ同等の概念。
1歳台から症状がみられ、集団行動が増えてくる保育園や幼稚園で気づかれることが多いが、就職し、社会に出てから気づくこともあります。
周囲の理解の中で成長した人のなかには、成長とともに症状が目立たなくなる人や、能力をうまく利用して社会で活躍する人もいます。