コロナ禍により生活様式がずいぶん変わった昨今。
先の見えない不安、在宅ワークの夫への不満などがどんどん膨らんで、誰かに愚痴をこぼさずにはいられない人、多いと思います。
それなのに、ママ友や友人と、ちょっとした会話をする機会も減ってしまいました。
愚痴を言わずに済むならそれでもいいのでは? という考え方もあるかもしれません。
ですが、愚痴を言わずにため込んでしまうことは、心や体に悪影響をおよぼすというのです。
愚痴を言うのは脳科学的にもメリットあり
玉川大学脳科学研究所の松田教授によると、愚痴の大きな要因となるイライラやモヤモヤした気持ちは、ため込んでしまうと、心に大きなダメージを与えてしまうことがあるそうです。
まずは愚痴を具体的な言葉にしてみましょう。
すると脳にある分析をする領域が働き、原因を分析し、解決しようと考え始めるのだそうです。
イライラやモヤモヤといった、抽象的な気分が言語化されることで、問題の解決に一歩近づくというわけです。
また、愚痴を言い、聞き手に共感してもらうことで、脳内物質のドーパミンが分泌され、喜びも感じるようになるのだとか。さらには、モチベーションがあがり、意欲も湧くようになるようです。
愚痴を言うことで前向きになるなんて、思ったより多大なメリットがあるのですね。
ただし、ドーパミンには依存性があるので、愚痴を言うのが心地よくなりすぎて、しつこくクドクドとならないように注意しなければなりません。
私を主語に! 愚痴の言い方
では、愚痴を言うときはどんなことに気を付ければいいでしょうか。
たとえばこんな愚痴が言いたい場合…
「夫が家事に口を出してくるけど、本人は何もしないのよ。ほんとムカつく!」
夫の在宅時間が増え、このように言いたくなる気持ちはわかります。
ただ、こういったタイプの愚痴は、聞いている方も対応に困ることが多いでしょう。では代わりにこう言うのはどうでしょうか。
「私、夫から家事に口を出されるとつらい。」
こう言われると、愚痴を聞いている方は「そうだよね、つらいよね。」や「気にすることないよ。」など、愚痴を言った人に寄り添った対応がしやすくなります。
また主語を「私」にすることで、自分の感情や考えを客観視できるようになり、問題点もはっきりしやすくなるようです。
愚痴を聞かされたときの切り上げ方
それから人の愚痴を聞かなければならなくなってしまった場合、長く延々と続く愚痴を聞き続けるのは厳しいものがありますよね。
たとえば「あの人、全然PTAの仕事に参加しないの!遊びに行く時間はあるみたいなのに!おかしいと思うわよね~!」といったママ友からの愚痴があったとします。
聞くのもつらいし、同調して悪口を言うのもはばかられます。
そんなときは「え!?そうなんですか?私はわからなくて……。」と感情豊かに言うといいそうです。
女性に多い感情で根拠なく次々と愚痴を吐き出すタイプの人は、こういう風に反応が大きいと満足して話を切り上げてくれるのだとか。
愚痴を解消できる方法
愚痴の言い方、聞き方を紹介してきましたが、そもそも“愚痴を人に言うことがストレスになる“愚痴を言いたいけど、そんな機会がない”という方も多いのはないでしょうか。
そんな人におすすめしたいのが、ノートに書いて吐き出す方法です。
感情の赴くままに、ノートに書いて吐き出し、時間がたって気持ちが落ち着いた頃に読んでみるのです。
そして、その内容を他人が書いたものだという目線でアドバイスやメッセージを書き込んでみましょう。客観視することで、イライラやモヤモヤが解決に向かいやすくなるでしょう。
他にも愚痴を聞いてくれるアプリや、愚痴聞き屋なんていうビジネスもあるみたいですよ。
全部ため込まずにガス抜きとして、愚痴とはうまくつきあいたいものですね。