
人生が長くなれば、「住まい方」についても考え方を変えていく必要があります。
長期的な住まい方、そして終の棲家をどうするかなどについても考えてみましょう。
【人生100年時代の住まい対策】買換え・建替えを想定したプランを

人生が長くなると、住プランも長期を想定して考えていく必要があります。人間の寿命の前に、住宅の寿命が来てしまい、「生涯住み続ける」ことが難しいケースもありうるためです。
人生90年時代→100年時代へと長くなる中、住プランはどう考えればいいのでしょう?
まずは、住宅の寿命についてですが、日本では「木造27年、マンション37年」などと言われます。
これは、日本で実際に取り壊された建物の築年数の平均ではあるものの、区画整理などで取り壊された分も含むため、「寿命」とは異なることが指摘されています。
私が日ごろ、お客様のライフプランを立てる際には、目安として「戸建て35年、マンション50年」などと長めに設定しています。

仮にマンションで50年を前提とした場合、30歳で新築を購入すると80歳時点で建て替えのタイミングがやってきます。
戸建てであれば、65歳です。中古で購入した場合はもっと早くに建物の寿命がやってきます。
もしも購入・建築を前提に住プランを考えるのであれば、人生で2回は家を買う、または建てる可能性があることを頭に置く必要があるといえそうです。
そのため、老後資金を貯めるだけではなく、マンション・戸建てともに建て替え資金も用意しておく必要があるといえそうです。

実は、住宅の寿命に関してはさまざまな研究が行われており、中には、「木造で65年、コンクリートは120年持つ」とするデータも出ていて、メンテナンスなどをしっかり行えば、物理的には生涯住み続けることが可能なようです。
そのつもりで、メンテナンスに気を配るのも一法かもしれません。
【人生100年時代の住まい対策】物件選びは厳しめにチェック!

「長く住める」街かどうかなど、立地選びにも気を遣う必要があります。
災害に強いか(参照:わがまちハザードマップ)、子どもを持つなら子育てしやすいかどうか(待機児童数は多くない?学校は近い?など)、自治体内の人口は増えているかどうかなど、ある程度、調べた上で選択しましょう。
生涯住む予定なら、後述するように高齢期も過ごしやすいかどうかのチェックも大事ですね。
家を買う際には、そうした点を販売業者に質問してみるのも手です。
可能なら、20年後、30年後の資産価値の予想なども聞いてみるのもいいでしょう。住宅に資産性を求めないならできるだけコストを抑えることも大事ですね。

条件を調べれば調べるほど、完璧なものはないことがわかると思います。立地がよければ価額が高くなり、手が届かなくなる可能性もあるからです。トータルで納得できる家探しが大事ですね。
住まい探しの難しさを知ると、「賃貸でいいや」と思う人もいるかもしれません。
それも1つの方法ですが、その場合は、老後資金に生涯の家賃を上乗せして残す必要があります。セカンドライフが長い分、それも大変なことですね…。
【人生100年時代の住まい対策】高齢期の住まいのことも考える

若い時期には子育てしやすいかどうかなどが大事ですが、アラフィフになると、親の介護問題なども浮上してきて、実家へのアクセスなども重要になります。
個人的にはそれもあって住み替えました。
また、自分自身のその後の住まい方を考えることも必要です。
在宅介護中心だとするなら、住んでいる地域包括支援センターが近くにあるかどうか、病院に行きやすいかどうかなどはとても重要です。
住替えをする際には、こうした点もポイントになります。

人生100年時代の住プランは慎重に考える必要がありそうです。もはや戦略です。いろいろ考えることが大事ですね!