【人生100年時代の老後資金】第3回: 長生きがリスクに?老後資金はどうする?

投稿日:2018-09-10 更新日:

【人生100年時代の老後資金】第3回: 長生きがリスクに?老後資金はどうする?

人生100年時代、長くなる老後期に備えて、老後資金はどのように備えていけばいいのでしょう?
特に女性は真剣に取組む必要があります。

【人生100年時代の老後資金】 長い老後、あなたはどう乗り切る?

【人生100年時代の老後資金】 長い老後、あなたはどう乗り切る?

これまでは、60歳で定年した後、65歳までは働き、90歳くらいまでの25年は生きるとして…といった前提で老後資金を考えてきました。

しかし、「人生100年」を前提にと置くととんでもないことになります。

65歳から100歳までは35年もあります。
「老後25年」が10年延びると、期間は1.4倍です。
今の発想のまま、65歳で仕事を辞めてあとはのんびりする…などと考えた場合、老後資金は4割増しで必要になるのです。

老後資金の目安として「夫婦で3,000万円、おひとり様2,000万円」などと言われますが、4割増しだと「夫婦で4,200万円、おひとり様2,800万円」となってしまいます。

しかも、これ以外に介護の予備費として1人約550万円(生命保険文化センターの平均データで試算した介護費)も確保しておきたいので、恐ろしい額になってしまいます。

【人生100年時代の老後資金】 長い老後、あなたはどう乗り切る?

今後は、国も定年を70歳にしたり、年金受取開始年齢を70歳、あるいは75歳に変更してくる可能性もあると思われますが、できるだけ長く働いて、老後のスタート時期を遅らせることが大事です。

あるいは少額でいいので、生涯現役でいることができればさらに◎です。

女性は男性より6歳寿命が長く、しかも、高齢単身女性の5割超が貧困(所得中央値の1/2を下回っている)状態にあるというデータもあります。
女性は特に、しっかり備えておく必要があります。

【人生100年時代の老後資金】扶養を抜けて自分の年金を増やそう!

【人生100年時代の老後資金】扶養を抜けて自分の年金を増やそう!

もしも今、夫の扶養の範囲で働いているのであれば、フルで働くことも考えてはいかがでしょう?

厚生年金は会社が半分保険料を負担してくれています。厚生年金に入れば、「自分の年金」を増やせます。
そもそも、収入が増えれば「自分の老後資金」も自分で貯められてメリット大です。

また、年金が手薄になるのは自営業の場合です。
年金を上乗せする「国民年金基金」や「確定拠出年金(iDeCo)」、退職金代わりの「小規模企業共済」などを上手に利用しましょう。

iDeCo概要(表)

iDeCo概要

いずれも掛金が社会保険料控除になり、節税効果が大きい制度です。
国民年金基金とiDeCoで合計月6万8000円まで、小規模企業共済も月7万円まで積立てられるので、できれば使いきるようにしましょう。

iDeCo概要

他にも、国民年金の付加保険料400円を納付すれば、将来の年金額を「200円×付加保険料納付月数」分増やせます。

例えば、5年(60カ月)納めれば保険料累計額は24,000円ですが、年金額は1年で200円×60カ月=12,000円の増額になります。

会社員なら、企業年金の有無や「確定拠出年金(企業型)」の有無などによっては「iDeCo」を利用できる場合があります。また、会社員なら「年金財形」という方法もありますね。

【人生100年時代の老後資金】「つみたてNISA」か「一般NISA」も活用を

【人生100年時代の老後資金】「つみたてNISA」か「一般NISA」も活用を

さらに老後資金を貯めるにあたっては、お金に働いてもらうという意味で、投資を活用するのも1つの方法です。

配当や売買益が非課税になるものとして、「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」と「一般NISA」があります(どちらか一方しか利用できません)。

「つみたてNISA」は投資信託の積立投資で、年間40万円までの元本に対して、配当や売買益が非課税になります。
非課税期間は20年間で、いつでも自由に引出すことができます。

一方、「一般NISA」は、株や投資信託などへ投資する年120万円までの元本に対する配当や売却益が非課税になります。

つみたてNISAと一般NISA(表)

【人生100年時代の老後資金】「つみたてNISA」か「一般NISA」も活用を

どちらを利用すべきかは、コツコツ積立投資をしたいか、株主優待などを楽しみつつ株式投資等をやりたいか、ということでも違ってきます。

ただ、「つみたてNISA」で投資できる投資信託は、金融庁が設けた基準(コストが低く長期の運用に向く)に合う商品のみで、ビギナーでも始めやすいという特徴があります。
いずれもリスクがあることは忘れないようにしましょう。
【人生100年時代の老後資金】「つみたてNISA」か「一般NISA」も活用を
私も昨年卒母して、今老後資金の準備を行っています。
老後は「貧困」に陥ることなく、楽しく過ごしたいですよね。

女性も自分名義の資産をしっかり貯めて(増やして?)おくべきです。ただし、危ない投資や詐欺には引っかからないように注意してくださいね!

-マネー
-,

この記事を書いたライター
豊田眞弓(とよだまゆみ)
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、相続診断士。FPラウンジ代表。
経済誌・女性誌等のライターを経て94年より独立系FP。「家計の永続性」をテーマに、個人相談や講演会、雑誌や新聞、サイトへの寄稿や記事の監修などを行っている。6カ月かけて家計を見直す「家計ブートキャンプ」も好評。
40代からの生き方をマネー面から考える「親の介護・相続と自分の老後に備える会」事務局。
座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。
◆著書紹介◆
「マイホーム」賢い人はこうして買う!―夢をかなえる資金計画マル秘テクニック(PHP研究所)
50代・家計見直し術(実務教育出版社)
住宅ローンは55歳までに返しなさい!(アニモ出版)
など。

関連記事

【住宅ローンの変動金利】実は損する!?

マイホームを手に入れるために必須の住宅ローン。日銀のゼロ金利政策、続くマイナス金利政策のおかげで、住宅ローンの金利は史上最低ラインに位置しています。 「金利が低い今こそマイホーム購入のチャンス!」と、 …

書く仕事で一生稼ぐ!人生100年時代を生き抜く”ライター”という職業

以前、私たちの手取り(所得)は笑ってしまうくらい右肩下がりだとお伝えしました。 参照:驚愕! 手取りが減っている今だからこそ始める【お金を増やす方法】 2019年10月に、消費税が10%に上がり、これ …

100万円貯金コツテクニック貯蓄額

【主婦でも簡単】1万円から可能!初心者にお薦めできる投資先は?

前回のコラム「定期預金だけで大丈夫? 安全第一に潜むリスク」では定期預金「だけ」で資産を持つのはリスクになり得ることをお伝えしまた。それではどんな形で資産を持つのがいいのでしょうか。 上場している企業 …

消費増税前駆け込み需要値上がりしないもの

消費税アップ目前の駆け込み消費「増税前に買っておくべきものは何?」

2019年10月1日から、消費税が8%から10%に上がります。 中には増税前に買ったほうがお得なものは買っておきたいという人もいるかもしれませんね。 実際、消費増税前に購入したほうがいいものって、ある …

自分にあったやり方で「つみたてNISA」を活用しよう

「自分なりのスタイルを決めていこう」と前回の最後に書きました 。 人にはそれぞれに事情があります。Aさんにとってベストな選択がBさんにとってベストであるとは限りません。 他人が推奨していることを参考に …