夫婦だからといって、同じ部屋、同じベッドで寝るのは、果たして当たり前のことなのでしょうか。
睡眠スタイルには個人差があります。
たとえ夫婦といえども、睡眠時の相性が合わないこともあるでしょう。
相手のいびきや、寒すぎる設定温度など、いちいち腹をたてるくらいなら、いっそ別々の部屋で寝てしまう方が、夫婦としてうまくやっていけるのでは?
アメリカでは今、そんな「睡眠離婚」が増えているといいます。
アメリカで増加中の睡眠離婚とは?
アメリカでは古くから「夫婦はひとつのベッドで寝る」ことが当然だとされてきました。
夫がアメリカ人、妻が日本人のある国際結婚カップルは、妻が寝るときくらいは自由にしたいと、個々のベッドを買おうと提案したところ、夫から「信じられない!」と驚かれてしまったのだそう。
それほど、夫婦が一緒に眠ることを重要視しているアメリカですが、近年では、別々のベッドで寝たり、そもそも別の部屋で寝たりするケースが増えているのだと言います。
これを「Sleep Divorce(睡眠離婚)」と呼ぶのだとか。
もちろん夫婦仲の悪化によるものではなく、パートナーのいびきや寝相、エアコンの温度設定などによる、睡眠スタイルの違いが理由となっているようです。
嫌だと感じるパートナーの睡眠のクセ
日本では、同じベッドで寝るという選択肢以外に、同じ部屋だけど、ベッド(あるいは布団)はそれぞれ別というケースもあります。
または、子供も一緒に川の字で眠っているケースもあれば、アメリカの睡眠離婚のように、別々の部屋で眠るケースもあるでしょう。
その家庭によってさまざまなスタイルがあるのではないでしょうか。
そんな中で起こる、眠りを妨害するパートナーの悪習慣。
我が家も夫と子供と同室で川の字になって寝ているのですが、夫の大きすぎるいびきには、殺意すらおぼえることがあります。
いびきがうるさすぎて眠れない場合、夫のことをゆすって起こしていますが、夫も不機嫌になるし、私も眠りにつけず、二人で睡眠不足に陥るので、解決方法を模索しているところです。
悲しいかな、家が狭いので、隣の部屋で寝たところで、夫のいびきは響きわたるだけなのです……。
他にもみなさん、パートナーの困った睡眠習慣があるようです。
たとえば一方がくっつきたがり、一方が接触をいやがるパターンや、一方が激しく動き、一方が丸く固まって寝なければならないパターン。
そういえば、うちの夫は寝相がとてもいいのですが、私と娘は寝相が悪く、寝ながら動き回ります。
川の字で眠っていたはずが、起きたら「に」の字になっていることもしばしば。
夫の体に私と娘の足が乗っていたりもするので、夫もひそかに私に対して殺意を抱いているのかもしれません。
広い家に越したら、ぜひ睡眠離婚してみたいなあと思います。
睡眠離婚のメリット・デメリット
それでは、夫婦が別の部屋で眠る、いわゆる「睡眠離婚」のメリットと、デメリットはどんなことがあるのでしょうか。
夫婦別室で寝ることによるメリット
まず、睡眠離婚にいたる理由として、「音」がもっとも多くあげられます。
- 夫の大きすぎるいびきで、妻が眠れない。
- 子どもの夜泣きで夫が眠れない。
- 仕事から帰ってきた夫が部屋に入ってくる音で起きてしまう。
これらは、別室で眠ることで解消できることです。
カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、人は睡眠不足になると、パートナーに感謝しにくくなるということが分かっています。
別室で熟睡することにより、相手を思いやる気持ちが持てるのなら、これが最大のメリットと言えるでしょう。
夫婦別室で寝ることによるデメリットとは?
では、別室で眠ることのデメリットとは、どんなことがあげられるでしょうか。
それはやはりスキンシップやコミュニケーションが減ってしまうということ。
その結果、セックスレスに陥ることもあるかもしれません。
夫婦別室に寝ることで夫婦関係が改善したケースもある!
しかし、夫婦セラピストのタマラ・グリーン氏によれば、睡眠離婚することで夫婦関係が改善した例もあるそうです。
改善したカップルは、セックスレスにならないように、パートナーと話し合い、納得したうえで、夫婦生活のルールを設けるようにしたのだとか。
他にも、いつも一緒の部屋で寝るよりも、別の部屋で寝ることで、セックスしやすくなったというカップルもいます。
同室で、行為になだれ込むよりも、相手の都合を確認できるので、かえって新鮮な気持ちになるそうです。
プライベートな空間を作れるという点でも、睡眠離婚のメリットは多いようです。
部屋の数や家族の人数、生活スタイルによって、事情が変わってくるかと思いますが、夫婦ともに納得できる睡眠スタイルを探してみるとよさそうですね。
本当の離婚をしないためにも、「睡眠離婚」おすすめです。