近年メディアを中心に「セルフネグレクト」が話題になることが増えています。とくに世界でもワクチンの開発・接種が進んでいるとはいえ、2021年も終わりが見えてこないコロナ禍において、ごく普通の主婦でもセルフネグレクトに陥るケースが報告されているようです。
今回はセルフネグレクトの原因、そして対策について詳しくお話していきましょう。
「セルフネグレクト」とは何?そして原因は?
「セルフネグレクト」とは、外部からのストレスや自己肯定感の低下から、自分の心や身体のケアを放棄してしまう状態です。誰しもが今日は面倒だからお風呂に入らなくても良いかと考えたり、食事を作るのが面倒だからファーストフードにしてしまおうと思ってしまったりすることはありますが、セルフネグレクトに陥ってしまうと、部屋がゴミ屋敷状態なり、健康状態が悪化していくことも珍しくありません。
セルフネグレクトの原因としては2つ考えられています。
セルフネグレクトになる原因1.認知力の低下
1つ目は老化や認知症によって物忘れが増えたり、やるべきことを忘れてしまったりして、セルフネグレクトに陥ってしまうケースです。
とくに外部との接触が少ない一人暮らしの高齢者は注意が必要です。
セルフネグレクトになる原因2.無気力
2つ目は年齢は関係なく、おかれている環境やストレスなどによって、気力がわかない状態になり、セルフネグレクトに陥るケースです。
こちらは誰しもがなる可能性があります。
「セルフネグレクト」とコロナ禍の関係
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の流行により、リモートワークが増えたり、イベントが中止されたりと、外部との交流が減り続けています。また将来への不安などのストレスによって、セルフネグレクトは増加傾向にあります。
どうせ人に会わないのだから、服装やメイクも適当でいい……と言った気持ちが強くなり、そのままセルフネグレクトへと発展して行くケースもあるようです。
「セルフネグレクト」になりやすいタイプの女性
とくに多いのが専業主婦と大学生です。家庭を守る専業主婦は、外部との接触が少ないため、自分の意思や感情を表に出す機会が少ない生活を送っています。
そのため、セルフネグレクトに陥りやすいと言われています。また育児で自分にかける時間が少なくなり、見た目に気を配れなくなったことが引き金となり、セルフネグレクトに陥ることもあるようです。
他にも大学生でも多いのが特徴です。初めての一人暮らしや慣れない環境で生活を送り、ストレスを感じやすいためだと言われています。
また、これまで受験勉強によって感情が大きく抑圧されていたため、大学生になったら勉強も恋も頑張りたいなどと過度な期待を寄せてしまいがちです。そのため、理想と現実とのギャップに精神的な負担を感じてしまう人も多いのです。
もしかして自分も「セルフネグレクト」?セルフチェックをしてみよう
実際にセルフネグレクトとは、どのような状態なのでしょうか。これからお話しする項目に当てはまるものが多いと感じるときには、セルフネグレクトの可能性が高いと言えそうです。
セルフネグレクトチェック1.自分の身だしなみに気をつかわなくなる
これまでファッションやメイクを楽しんでいたのに、そのような気分になれなくなります。鏡を見るのも一日一回以下になり、周囲からの視線も気にならなくなるでしょう。
また自己肯定感が低いため、どうせ自分がおしゃれをしても誰も見ていない……と考えてしまう傾向もあります。
セルフネグレクトチェック2.部屋の状態が不衛生でも気にならない
セルフネグレクト陥ると、ゴミを部屋に放置するのが習慣になっていたり、ゴキブリなどの害虫を見かけたりしても気にならなくなります。最後に掃除をしたのがいつだか思い出せない……といった方は要注意です。
セルフネグレクトチェック3.一人の時間が極端に増える
休みの日にも家に閉じこもりがちになり、とにかく外に行くのが面倒だと感じます。さらに家ではベッドや布団の上が定位置になっているのも特徴です。
そのほかにも、何かトラブルを抱えた際にも外部に相談できず、とにかく一人で解決しようとするのも特徴になっています。そもそも一人では解決できないような手続き周りでも、他人との関わりを極端に避けようとするため、生活をするにあたって不都合が生じることも多くなるでしょう。
セルフネグレクトチェック4.睡眠や食事が適当になる
セルフネグレクトに陥ると、健康的な生活を営もうという意欲が著しく低下します。睡眠は「寝たいときに寝て起きたいときに起きる」といったサイクルになったり、食事に関してもただお腹がいっぱいになればいいといった考え方になたりするでしょう。
そういった状況が長く続くことによって、ますます周囲との接触が絶たれていきます。
放置していると危険。「セルフネグレクト」には命の危険もある
セルフネグレクトは、最終的には命を起こす落とすことにもつながります。食べ物を放置したことで感染症を引き起こしたり、食事や睡眠のバランスが崩れて栄養失調や免疫力の低下を招くこともあるでしょう。
通常であれば身体に不調を感じたときには生活を正したり、病院に通ったりしますが、そういった判断もできなくなります。気づいたときには症状が悪化している……といった状況もあり得るでしょう。
一説によると孤独死を迎える方の8割は、セルフネグレクトに当てはまると言われています。
「セルフネグレクト」から脱却する方法
セルフネグレクトから脱却したいのであれば、とにかく生活環境を変えることです。専業主婦であれば外に働きに出たり、趣味の活動を始めたりと、とにかくこれまでと違った行動を起こすことが重要になります。
そのほかにも引越しができるのであれば、強制的に住む環境を変えてしまうことも良いでしょう。セルフネグレクトは気持ちを変えるのと同時に、物理的にも自分の周りの環境を変えて行くことで、改善されていくと言われています。
セルフネグレクトの傾向があるかもと気づいたら、即行動を起こそう
自分がセルフネグレクトかもしれない……と感じたときには、早めに対処をしてください。セルフネグレクトは一度陥るとなかなか改善することが難しく、周囲からもサポートなしでは立ち直れないことも多くなります。
気持ちを前向きにするだけでなく、行動パターンも変えて、セルフネグレクトから脱却していきましょう。