ある日、何気なく足の爪を見たら、黒くなっていることに気づいた――。そんなご経験、おありではないでしょうか。
東京・三軒茶屋にある「あかりクリニック」の馬場克幸院長によると、足の爪が黒くなっている原因は主に「ホクロ」「内出血」「悪性腫瘍」の3つが考えられます。以下順番に見ていきましょう。
【ホクロ】
ホクロができるか、できないかは完全に個人の体質に依存しており、ある日突然、足の爪の下にできることもあります。この場合は、放っておいても問題ありませんが、過度に刺激すると悪性腫瘍に変化してしまうことがまれにあるため、注意が必要です。
【内出血】
重い物を落とすなど強い衝撃が加わった場合は、内出血を引き起こすことがあります。黒くなっている部分が小さければ自然に治りますが、痛みが強ければ「血を抜く」などの処置が必要な場合もあるため、医師の診察が必要です。
【悪性腫瘍】
悪性腫瘍にも種類があり、その一つに皮膚がんがあります。特に発生が多いのは、基底細胞がんや有棘(ゆうきょく)細胞がんなどですが、これらのがんは早期に切除すれば、高い確率で完治させることができます。
悪性度の高いメラノーマとは
最悪のケースは悪性腫瘍がメラノーマである場合です。メラノーマががんに分類されるかどうかは議論が分かれるようですが、転移スピードが速いため、皮膚悪性腫瘍の中でも、特に悪性度が高いとされます。最悪の場合、数カ月で全身に転移して死に至ります。
メラノーマは、年齢や性別によって、かかりやすさに大きな違いはありませんが、主な原因は紫外線であり、皮膚が弱い白人の方がかかりやすかったり、皮膚がん全般と同様に、高齢者の方がやや、かかりやすい傾向にあります。
「爪が黒い原因がメラノーマであるケースはまれですが、発症している場合は早急な治療が必要です。メラノーマはホクロや内出血と比べて特に黒く、素人でも異常を発見しやすいため、心配な場合は医師の診察を受けましょう」(馬場さん)
(オトナンサー編集部)