「赤飯と白餅」「朱印船貿易」などの説
まず、縁起の良い色としての紅白ですが、花岡さんによると、最有力の説は「ハレの日の食べ物である『赤飯』と『白餅』から、紅白が縁起物に用いられるようになった」というもの。また、室町時代の朱印船貿易で、中国が日本に向けて物品を輸出する際の目印として紅白のひもをかけていたとする説も。ここから「献上品=紅白のひも」という認識が広がり、紅白の水引のルーツになったというものです。
それでは、スポーツの紅白戦(紅白試合)や紅白歌合戦など、2組に分かれて競い合う際の「対の色」に紅白が用いられるのはなぜでしょうか。
「平安末期の源平合戦では、源氏が白旗、平氏が赤旗を掲げて、敵と味方を区別していたそうです。これが『紅と白』という構図のルーツと言われ、日本における伝統的な対抗の配色として定着したと考えられています」(花岡さん)
ちなみに「赤」ではなく「紅」を用いるのは中国の影響と考えられるそうです。
「中国では、紅は魅力的で好ましく、縁起の良い『あか色』とされています。一方で赤は『赤裸々(丸裸)』『赤貧(貧しい)』といったように何もない状態を指し、ネガティブな意味合いです。中国で『あか色』を示す場合は『紅』が多く使われるため、その影響があるのでしょう」
(オトナンサー編集部)
花岡ふみよ(はなおか・ふみよ)
カラー&イメージコンサルタント、株式会社ラピス代表取締役、ラピスアカデミー校長
人と企業をブランディングするカラー&イメージコンサルタント歴25年。似合う色や第一印象術のイメージコンサルティング実績は1万3000人。企業の色彩戦略コンサルティングやセミナー講演、研修、執筆実績も多数。株式会社ラピス(http://www.lapis234.co.jp/)、ラピスアカデミー(http://www.lapis234.com/)、サロン・ド・ラピス(http://www.lapis234.jp/)。