週末の「寝だめ」は効果なし! 日頃からクールダウンのリラックスタイムが必要だ

投稿日:2019-09-11 更新日:

しっかり寝ているはずなのに、疲れが取れない。そんなあなたは、寝る前の時間の過ごし方に問題があるのかもしれません。

睡眠でしっかり疲れを取るには?

「今日はたくさん寝たのにどうもスッキリしない」「いくら寝ても眠気が取れない! スッキリ起きられない!」。そして、突然襲ってくる仕事中の睡魔。寝ているはずなのに、「疲れが取れない人」がいます。運動不足が一つの原因ですが、もう一つの原因が考えられます。寝る前の時間の過ごし方が間違っているのです。

今回は「人生うまくいく人の感情リセット術」(三笠書房)を紹介します。著者は精神科医の樺沢紫苑さん。メディア出演も多いのでご存じの方も多いでしょう。脳科学に裏付けられた「感情リセット術」は、「脳科学」と「心理学」に基づく科学的メソッド。著者独自の経験をもとに確立した理論は大変ユニークでした。

クールダウンのためのリラックスタイムが必要

仕事モードで帰宅して、すぐに布団に入ってもなかなか眠れないことがありませんか。無理に眠っても睡眠が深まらず、体も休まりません。結果的に、目覚めも悪く、「疲れが取れない」という経験が。

「よい眠りのためにも、よい休養が必要です。ここからは、よい休養の取り方を、お話ししましょう。夜遅くまで残業し、家に着くと午前0時過ぎ。それから風呂に入り、ご飯を食べてあとはもう寝るだけ。疲れもピーク。実は、こんな眠り方が、最も疲れが取れない休息のパターンなのです」(樺沢さん)

「内臓の機能を支配する2つの自律神経が、『交感神経』と『副交感神経』です。状況に応じて交感神経が優位になったり、副交感神経が優位の状態に変わったりしていきます。交感神経は『昼の神経』とも呼ばれ、日中の活動的な時間帯に活発になっています。それに対し、副交感神経は『夜の神経』。体を緊張から解きほぐし、休息・リラックスさせるよう働く神経です」

樺沢さんによると、私たちの体は、昼は戦闘モードとでも言うべき、交感神経が優位の状態になっているそうです。そして、夜は副交感神経が優位の状態に切り替わります。

「1時間前はバリバリと仕事をして、交感神経が大活躍していた状態です。それを急に切り替えようとしてもすぐに副交感神経優位とはなりません。交感神経が優位な『ホット』な状態から、副交感神経優位な『クール』な状態に切り替わらないと、睡眠に入ることができません。そのためには2時間程度、心と体を安らかに過ごすクールダウンのための、リラックスタイムが必要になります」

 

週末のたっぷり睡眠で回復できるのか

「今週は残業が多く疲れた。週末のたっぷり睡眠で回復しなければ」。しかし、樺沢さんは、週末睡眠は間違っていると指摘します。

「普段は睡眠不足でも『週末にたっぷり眠れば取り返せる』と思っている人はいませんか。米ペンシルバニア州立大学のアレクザンドロス・ブゴンツァス(Alexandros N. Vgontzas MD)氏らの研究によって、これが間違いであることが示されています。『寝だめ』を再現すると、ストレスホルモンは低下し、脳波も正常化しましたが、認知機能だけは回復しなかったのです」

「平日に睡眠を削って仕事をして、週末に10時間の睡眠を取っても脳の疲れは回復しないのです。睡眠不足で低下した集中力は休日2日だけでは回復しません。つまり、休日明けもパフォーマンスの低い状態が続くことになります」

週末のたっぷり睡眠は、疲れを回復するのには効果的ですが、脳の疲れを回復するのには不十分のようです。仕事に疲れたら「たっぷり休養」を取ることを心がけましょう。

(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之)

尾藤克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「3行で人を動かす文章術」(WAVE出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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