果汁100%ジュースの多くは糖分しかない「嗜好品」

投稿日:2019-12-07 更新日:

不足しがちなビタミンなどの栄養を摂取するために、よく利用される「果物ジュース」。現在では飲みやすさを追求した数々の商品が売られていますが、そもそも果物ジュースに、フレッシュフルーツ同様の栄養価を期待できるのでしょうか。

見た目にも鮮やかな、さまざまなフルーツ

普段の食事では不足しがちなビタミンなどの栄養素を摂取するために、果物ジュースを飲んでいる人も多いのではないでしょうか。リンゴにミカン、ブドウとその種類は多岐にわたり、数種類のミックスや、野菜と果物が半分ずつのもの、スムージー状のものまで、実にさまざまです。

しかし、この果物ジュースには、フレッシュフルーツ同様の栄養素があるのでしょうか。オトナンサー編集部では、この素朴な疑問を料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんにぶつけてみました。

果物ジュースは還元果汁を使用している

関口さんによると、多くの果物ジュースには還元果汁が使われているため、フレッシュな果物とは異なり、ビタミンCなどの栄養素はほとんど失われています。たとえば、オレンジジュースには、酵素や食物繊維が含まれておらず、ほとんどが果物由来の糖質です。「果物ジュースは果物を摂取するというよりは嗜好品と考えるべきでしょう」。

後からビタミンCを添加する方法もありますが、ジュースは糖質が多いため、ビタミン摂取以上に血糖値上昇などの弊害が懸念されるそうです。

フレッシュな果物に期待できる栄養素はビタミンCやポリフェノール、有機酸(クエン酸、酒石酸など)、食物繊維、生きた酵素など。これらの物質は果物ジュースではなく、サプリメントやカットフルーツ、フレッシュジュースで補給するのがよいそうです。

「普通の100%果汁還元ジュースはリフレッシュしたり、味を楽しんだりするための嗜好品と捉えるべきで、栄養補給の観点からはあまりオススメできません」

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)
料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。

 

▼家事が楽になる「魔法の家事ノート」アプリはこちら▼
魔法の家事ノート

-家事ノート

関連記事

たった5つのテクニックで! 30年間の老後資金2500万円を“1700万円”も節約する方法

元証券マンで経済コラムニストの大江英樹さんが、2月27日放送のMBS・TBS系「教えてもらう前と後」に出演。夫婦が65歳から30年間生活するために必要な2500万円を1700万円も節約するテクニックを …

イヤな臭いを撃退! 自宅で簡単に消臭スプレーが作れるウラ技

玄関やトイレ、排水口など家庭の悪臭スポットに、市販消臭剤を使っている人も多いことでしょう。しかし、自宅で簡単に作れる「自家製消臭スプレー」なら節約にもなるため、一度試してみる価値がありそうですよ。 嫌 …

生魚は危ない! 食中毒が多発する「アニサキス」とは

生魚を食べたことによる食中毒が大きな話題となっている「アニサキス」ですが、そもそもどのような性質を持ち、被害を未然に防ぐには、どのようなことに注意すべきでしょうか。専門家に聞きました。 ここ最近、食中 …

「疲れたときには甘いものを食べるとよい」は本当なのか

「疲れたときには甘いものを食べるとよい」という言説やイメージがありますが、本当なのでしょうか。管理栄養士に聞きました。 「疲れたときに甘いもの」は間違い? 一般的に「疲れたときには甘いものを食べるとよ …

そうだったのか! 「卵」と「玉子」の使い分け方

「卵かけご飯」は「卵」なのに「玉子丼」は「玉子」――。毎日の食卓に欠かせない「たまご」にはどうして2つの漢字が存在し、どのように使い分けられているのでしょうか。今回は、たまごの「謎」に迫ります。 「卵 …