みなさんは人間関係で悩み、自分を抑えていることはありますか?
イヤだなあと思いながらも、事を荒立てさせたくないから、「自分が我慢すれば」という思考になっていませんか?
そんな「自分さえ我慢すればいい」という考えを続けていくと、ある弊害が出てくるそうです。
いったいどうなってしまうというのでしょうか。
「我慢」は、通常の3倍もの感情エネルギーを使う
対人関係は時にトラブルを引き起こすことがあります。
そんなとき、多くの人は「我慢」をする、もしくは「忘れてしまう」のだそう。
この「我慢」をするというのは、通常の3倍もの感情エネルギーを使うといいます。
我慢を続けることで自分のエネルギーがどんどん消耗してしまい、被害者意識が大きくなるのだとか。
その結果、自信が低下して自己嫌悪に陥り、世の中に危機感を感じるようになってしまうそう。
日本では「他者優先」の考えがあり、自分を抑えることが美徳と捉えられがちですが、その文化が根付いているために「自分が我慢すればいい」という考えが日常になっているような感じがします。
我慢が続くと自分の感情がわからなくなる
では、我慢を続けるとどうなってしまうのでしょうか?
長期間、自分の感情を抑える状況が続くと、次第に感情が鈍くなってくるそうです。
我慢や抑制が続くことで、欲求や気持ちがつかみづらくなっていくのだとか。
例えば、何が食べたいかを聞かれても「なんでもいい」というように、他人に任せてしまう場合は自分の気持ちを見ていないクセがついているようです。
感情を鈍化させないためには、自分自身の気持ちを自分で把握することが大切だそうです。
「人間関係優先で自分を主張しない」人は半数以上
文化庁がコミュニケーションに関する調査を16歳以上の男女3500人におこなったところ、こんな結果が出ています。
他人と意見の交換をする際、
「自分の意見を主張する」と答えたのは21.6%
という結果が出ています。
この結果からも、自分の気持ちを我慢して人間関係を維持しようとしている人が多いことがうかがえます。
いつの時代も対人関係に悩みは尽きないのですね。
しかし人間関係を円滑に、トラブルを避けようとするあまり、自分の気持ちが失われてしまっては本末転倒です。
日本メンタルアップ支援機構の大野萌子さんによると、自分の気持ちを取り戻すには、イヤなことに直面したとき、その時感じた気持ちを否定しないことが重要だそうです。
自分の気持ちを「こんなことを考えていてはダメだ」と否定してしまうと、自分の気持ちが抑え込まれ、それに囚われてしまい「強化」という状況に陥ってしまうのだそう。
イヤなことをされたら、「むかつく」と思ってもかまわないのです。
(もちろん、相手に手を出してはダメですが。)
些細なことでも、自分の気持ちを認識することで、自分の心と向き合えるようになって、我慢しすぎることがなくなるのだそうです。
我慢をせず、自分を受け入れることは難しくも感じますが、意識するだけでも変わっていくのかなと思いました。