夫婦が別居している――そう聞くと、「仲が悪いんだ」「離婚するまでのカウントダウンが始まった」というイメージを持ちませんか?
ですが、「別居」といってもその原因や形はネガティブなものだけとは限りません。
結婚したら、一緒に住むのが当たり前、別居をしたら離婚。
そんな考えはナンセンスかもしれません。
別居パターン1:ひとつ屋根の下の“家庭内別居”
夫婦生活をイメージすると
- 二人分の食事
- 一緒に掃除
- 家事分担
- 家事シェア
といった言葉が思い浮かびませんか?
これらのイメージとは異なり、同じ家に住んでいながら、家事はそれぞれ自分で行う――それが家庭内別居です。
家庭内別居をする理由としては、「自分の時間を大事にし合いたい」という前向きな理由や、「帰る場所が家しかないため、一緒にいたくはないけれどしかたがない」という理由が挙げられるでしょう。
*メリット
自分の生活や人生に責任をもって生きていくことで、“自立心”を持ち続けることができます。「私ばかりが家事をしている」「感謝されない」「家事の仕方に不満がある」という衝突をする危険性も低くなります。
*デメリット
コミュニケーションの時間が少なくなるため、すれ違いが増えてしまうかもしれません。不仲の場合、会話が減ることで、今後の二人について話し合うきっかけをつかみにくくなってしまい、気まずい関係がズルズル長引くことも……。
別居パターン2:愛ゆえ……。“ポジティブな別居婚”
夫婦になっても、一緒に暮らすのではなく、あえて別々に住む夫婦がいます。
同じマンションの違う部屋に住む夫婦、という感じです。
「自分たちの幸せの形は、別々に住むことで得られる」という共通の考え方によって、あえて別居生活を選んでいるのが特徴でしょう。
生活リズムが違うことで気を遣わなければならない二人や、それぞれに一人で過ごす時間が欲しいという夫婦が、お互いの気持ちを尊重して“別居婚”を選択することがあります。
*メリット
自由を守ることができ、パートナーを重荷に感じることがありません。心に余裕が生まれ、パートナーにも最上級の優しさを注げる……ハズ。
*デメリット
浮気・不倫の危険性は高くなってしまいます。お互いが今どこで何をしているのか、予想をすることも難しくなるかもしれません。
別居パターン3:ケンカばかりで疲れた……“冷却期間のための別居”
結婚してケンカが増えてしまって……。
そんな夫婦が、「離れて、冷静になる時間が欲しい」と別居することがあります。
恋人同士でも、ケンカが続いたときに「距離を置こう」となること、ありますよね? それの夫婦版とでもいいましょうか……。
*メリット
離れてみると、相手の存在のありがたみを実感できるかもしれません。「自分の器が小さかった」「ケンカもするけれど、離れると寂しい」……そんな気持ちに気づくきっかけになる可能性大。
*デメリット
少し距離を置くだけのつもりが、一気に離婚へと進んでしまう危険性もあります。離婚を考えていない場合、冷却期間別居は一種の“賭け”になることを肝に銘じておく必要がありそうです。
別居パターン4:顔も見たくない!“離婚前提別居”
別居と聞いて最もイメージしやすいパターンが、この離婚前提別居です。
結婚するまでは気づかなかったパートナーのちょっとした癖や行動を受け入れられない場合や、一緒に暮らすことでの問題(DVや嫁姑問題など)があった場合、そこから逃げるために家を出る人もいます。
*メリット
“夫婦関係の破たん”が認められ、離婚しやすくなります。話し合いで解決できない問題がある場合は、別居するのもひとつの手段でしょう。離婚の意思が強いことの証明にもなります。
*デメリット
関係修復を目指したい気持ちが芽生えた場合、相手も同じように思ってくれるとは限らず、後悔することになる危険もあります。離婚前提で別居することは、一度相手を手放すことだと考えたほうが良さそうです。
別居をするにしてもしないにしても、夫婦でしっかりと話し合い、納得して進むことができるといいですね。