人の歩くスピードについて描いた漫画「歩くのが速い人と、遅い人のお話。」がSNS上で話題となっています。歩く速さは性別の違いで必ずしも特徴付けられるものではなく、個人によって異なると定義。その後、歩く速さを哲学的に説明していき…という内容で、「とても感動した」「自分自身を考える機会になった」「あえて意味を描かないところが素敵」「意味が深い」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
通勤時に思いついたフレーズ
この漫画を描いたのは、しのと(ペンネーム)さんです。普段は別の仕事をしながら、漫画を描いています。2015年から漫画投稿サイト「マンガハック」でソフトテニスを題材にした漫画「顧問など!」を連載中です。
Q.漫画を描き始めたのはいつ頃からですか。
しのとさん「物心ついた頃には広告の裏の余白などに絵や漫画を描いてました。原稿用紙に描き始めたは高校生の頃からで、同人雑誌を読んでいる友達に雑誌への投稿を勧められたことがきっかけです」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
しのとさん「朝の通勤時に、ふと思いついたのがきっかけです。漫画で描いたフレーズを思いついたのもその時で、それらが頭から離れなかったので描いてみました」
Q.普段、歩く際の速さは。
しのとさん「私は歩くのがかなり速いです。足の回転が速いのかなと思い、前を歩く人と足の回転を合わせたことがあるのですが、それでも追い抜いたので、恐らく歩幅が大きいのだと思います」
Q.読者からどのような意見が寄せられていますか。
しのとさん「もともと、この漫画は読者の方に考えてもらおうと、あえて最後に『漫画の意味』そのものを描きませんでした。そのため『(漫画に)意味がない』『何これ?』といった感想を多く頂きました。
それ以上に、『分かる』『深い』といったコメントをくださる方が多く、漫画を物理的な速さに当てはめる人もいれば、人生や進路に当てはめる人もいらっしゃいました。また、『人に速さを合わせる必要はないんだ』と受け取った人もいれば、『人に合わせろ』と、強制されている意味で受け取った人もいました。
また、私が意見を書かなかったことで怒る人もいれば、かえって自由に想像できてよいとおっしゃった方もいて、いろいろな意見がありました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
しのとさん「今描いている『顧問など!』を、もっと多くの人に読んでいただき、ソフトテニスの普及につなげたいと考えています。部活は本来、生徒が主人公ですが、この漫画は顧問の先生を主人公として描いています。
『今思えば、顧問の先生は本当にありがたかったな』と思いついたところから描き始めましたが、現在は、かつてソフトテニスをしていた人に再度プレーしてもらいたい、という思いで描いています。全話無料で読めます」
(報道チーム)
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