色だけじゃない? 「黒ゴマ」と「白ゴマ」の知られざる違いとは

投稿日:2023-02-22 更新日:

栄養豊富で風味も豊かなことから、食生活のさまざまなシーンで使われる「ゴマ」。ゴマといえば、黒ゴマと白ゴマが代表的ですが、この両者の違いは私たちの想像以上に大きいようです。

黒ゴマと白ゴマ(余慶尚美さん提供)

 ご飯のふりかけや一品料理のアクセントなど、さまざまなシーンで使われる「ゴマ」。タンパク質やミネラルなどの栄養豊富なゴマは、日々の食事に取り入れやすく、私たちに最も身近な健康食品と言えます。ゴマといえば、一般的に「黒ゴマ」と「白ゴマ」がありますが、実はこの両者。見た目以外にも大きな違いがあるのです。

黒は「腎」、白は「肺」と関係が深い

 美容コンサルタント・韓方(はんばん)薬膳料理専門家の余慶尚美さんによると、黒ゴマと白ゴマの大きな違いは、その効能にあります。

「経験医学や漢方理論をベースとする『薬膳』の世界では、黒ゴマと白ゴマは役割が大きく異なります。漢方(東洋医学)において、黒(色)と関係の深い『腎(じん)』は、水分代謝機能のほか、生殖機能や老化を司っています。同様に、白(色)は『肺(はい)』との関係が深く、乾燥を嫌う肺を潤してくれると考えられています。つまり、黒い食材は『老化防止』に良いとされ、白い食材は主に『体を潤す』のが得意です。これは黒ゴマと白ゴマにも当てはまります」(余慶さん)

黒ゴマは、貧血予防や高齢者の耳鳴りなどに効果があります。また、髪に良いとされており、薄毛や白髪が気になる人は毎日ティースプーン1杯分をサプリメント代わりに取るのが有効です。黒ゴマには体を温める作用があり、血流改善にもつながります。

一方、白ゴマは「潤い」をもたらす効果があるため、乾燥肌や、腸を潤すことによって便秘改善にも役立ちます。体を少し冷やす効果があるのも特徴です。

「ゴマは生のままだと食べにくい上、栄養が体に吸収されにくいため、そのまま排せつされる場合が多いです。そこで、すり潰したものや粉状のものを食べると吸収率がアップし、より効果が期待できます。料理のアクセントにする場合は、ゴマをひと握りして手でつぶしながら振りかけてみたり、すり鉢ですって和え物やドレッシングなどに入れたりしてもよいでしょう。ひと工夫加えるだけで、体への吸収率だけでなく風味もアップし、料理がさらにおいしくなりますよ」

(ライフスタイルチーム)


余慶尚美(よけい・なおみ)
美容コンサルタント・韓方薬膳料理専門家
1970年鹿児島県生まれ。上智短期大学英語学科卒。広告代理店、外資系企業に勤務当時、自身が重い体調不良に悩んだことから、ココロとカラダの両面をケアする「巡り」に着目。2007年から、リンパドレナージュサロン「Flow」を経て、美巡和漢サロンを白金高輪で主宰。また「毛髪診断士」や「漢方薬膳」の専門知識を生かし、講演セミナーや執筆活動、美容や健康に関する製品・サービスの企画監修、プロデュースなどを手掛ける美容コンサルタントとしても幅広く活躍中。毎日数時間、韓国ドラマに没頭するほどの韓国エンターテインメント通でもある。余慶尚美オフィシャルブログ「美巡ライフスタイル」(http://ameblo.jp/yokeinaoko)。

 

▼家事が楽になる「魔法の家事ノート」アプリはこちら▼
魔法の家事ノート

-家事ノート

関連記事

冬はやる気が出ない? 「冬季うつ」という病気は本当に存在するのか

「冬になるとネガティブ思考になる」「冬季うつかもしれない」といった投稿が話題になっています。「冬季うつ」という病気は存在するのでしょうか。 「冬季うつ」は存在する? 「冬になるとネガティブ思考になる」 …

チョコミントに甘酒、よもぎ餅まで…キッコーマンの攻めた「豆乳」ラインナップ、背景は?

「よもぎ餅」「ラッシー」など、さまざまな味付けの豆乳飲料が話題となっています。メーカーに狙いを聞きました。 キッコーマン飲料が販売する豆乳類。これでも多彩な商品の一部(同社提供)   健康志 …

クルマの給油、満タンにすべき? 燃費考え必要量のみ給油、どちらがおトク?

クルマに給油する際、必要なぶんだけ給油するのと満タンにするのと、どちらによりメリットがあるのでしょうか。 満タン派、約6割 クルマに給油するとき、満タンにするのとしないのと、どちらが良いのでしょうか。 …

新幹線の座席はどこを選ぶ? 使い方によって変わるメリットとデメリット

ひとつの編成に1000人以上の座席が設置されていることもある新幹線の列車。座席の構造はどれもほぼ同じですが、その場所と使い方によってメリットとデメリットの両方があります。どこに座れるのが便利で快適なの …

「わかる」「実践する」ストレスと上手に付き合う方法

ストレス過多の現代社会。日常生活を送る上で誰しもストレスから逃れることはできません。では、どうしたらストレスと上手に付き合って、日々をより健やかに過ごすことができるのでしょうか。その疑問に答えます。 …