
なかなか結果のでない不妊治療に苦しんでいる方や、血のつながりはなくても子供を育ててみたい方。
もうひとつの選択肢「養子縁組」について考えてみたことはありますか?
実子以外は絶対考えられないと思っている方も、すでに情報を集めている方もいらっしゃるかもしれませんが、子供たちの未来のために、今一度「養子縁組」について考えてみませんか?
養子縁組には二つの種類があった!
一口に養子縁組といっても制度としては「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の二つに分かれます。
大きく何が違うのかと言うと「特別養子縁組」は実親の親権がなくなるため、戸籍上でも「長男」「長女」と記されるので「実子」と同じになります。
対して「普通養子縁組」は戸籍上は「養子・養女」と記載されて実親、養親ともに親権を持つことを言います。
また「特別養子縁組」は子供の年齢が6歳未満でなければいけないという制限があることに対して「普通養子縁組」は特に年齢制限はありません。
日本は先進国の中でも遅れてる…

実の子供として育てたい!という方は「特別養子縁組」を選びたいのが心情でしょう。
ですが、今の日本では何らかの事情で親と一緒に暮らせない子供たちが4万人以上もいることに対して、「特別養子縁組」として一般の家庭で暮らすことができた子供はなんと全体の1%、たったの400人ほどしかいないのが現状(2012年時点)です。
アメリカや他先進諸国に比べると、日本での普及はかなり遅れていることが分かります。
最近ではブラッドピット&アンジェリーナジョリー夫妻をはじめ、マドンナやシャーリーズセロンなどの海外セレブたちがアジアやアフリカから養子を受け入れた事で注目されました。

アメリカでは当たり前のように認知されている一方で、日本ではまだまだ一般的には浸透されておらず情報も少ないのが現実。
その背景には血縁にこだわる日本の独特の価値観もありますが、産みの親の親権が強いことが大きく関係していています。
産みの親は子供を施設に預けたままの状態であっても、法律上では「親権」が維持されるため、実親の同意がない限りは「養子縁組」もできないまま、児童養護施設で18歳まで過ごすことになります。
この現状、皆さんはどう思いますか?
親のためではない、子供のための制度

ここで勘違いをしてはいけないのは、養子縁組制度は「子供たち」の為の制度であって、子供のいない親のための制度ではありません。
主役はあくまでも「子供」。
「養子縁組」を考え始めるきっかけは「不妊治療」でももちろんいいと思います。
様々な事情を抱えた子供たちを受け入れて、あたたかい家庭の中で、大きく育ててあげたいと思う気持ちが一番大切なのではないでしょうか。
「養子縁組」制度が日本でももっと普通に広がって、子供を育てたい夫婦と家庭を望んでいる子供が、上手にマッチングできる社会になることを筆者は心から望みます。
【参考】
Fine,日本こども縁組協会など
結婚5年目のぐうたら主婦ライター。「面倒なことがとにかくキライ」をモットーに くらし・料理・美容にまつわる便利・時短ワザをご紹介。 一方で妊活・子育てに関する情報もじんわり発信していきます。