傷のあるフロントガラスならば、もっとヤバイ!
真冬の朝などには、屋外に停めていたクルマのフロントガラスに霜がびっしりつくことがあります。
お湯をかけて溶かそうと考える人もいるかもしれません。しかし、カー用品量販店「オートバックス」を展開するオートバックスセブン(東京都江東区)によると。この方法は危険だといいます。同社に話を聞きました。
――フロントガラスにお湯をかけてはいけないのはなぜでしょうか?
割れる可能性があります。すぐに溶かしたいと熱湯をかける人もいるかもしれませんが、ガラスは急激な温度変化に弱いものです。なかでもクルマのフロントガラスは面が大きく厚みがないので、割れやすいといえます。たとえば、飛び石などで少しダメージを受けているようなガラスに熱湯をかければ、そこからピキピキと、ひび割れが全体に広がる可能性があります。
――効果的な除去方法はどのようなものでしょうか?
液体やスプレータイプの解氷剤を使って落とすことでしょう。スクレイパー(へら)を使ってこそげ取っていくのも一般的です。この方法は、傷がつくなどの理由で避ける人もいますが、最近ではメガホン型のスクレイパーなど、やりやすさを考慮したものもあります(編集部注:メガホン型は円筒のふちをガラスにあて、円を描くようにして広い範囲の霜を除去できる)。
お金をかけずに霜を取る方法は?
――お金をかけない方法としては、どのようなものがあるでしょうか?
湿らせたタオルやマイクロファイバーで少しずつこすっていくことは、大変かもしれませんがクルマには優しい方法です。あとは、夜のうちにフロントガラス用のカバーや、使わなくなった毛布などをかけて、なるべく凍らせないことでしょうか。
クルマのデフロスター(霜取り)で溶かしていくことも、時間はかかりますが、エンジンが暖まっていない状態から徐々に温度を上げていきますので、お湯をかけるよりはよい方法です。ただ、暖気が当たらない部分との境目でガラスに温度差が生じ、場合によってはひび割れの原因になるともいわれます。
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熱湯がダメでも、ぬるま湯ならば、と思う人もいるかもしれません。しかし、「ぬるま湯でもガラスに温度変化を与えるのは変わりなく、ガラスにどこかしらダメージがあった場合などには割れる懸念があるといえるでしょう」(オートバックスセブン)といいます。また、ウインドーウォッシャーを使ってワイパーでふき取ることも、そもそもワイパーが凍っているので「ビビり」(ふき取る際に異音が出ること)の原因になるそうです。
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【写真】氷はスクレイパーでこそげ落とす