
現在10歳の長女は、3歳の時に「斜視」と「近視」があることがわかりました。「テレビの見方がおかしい」とはじめて感じたのは長女が2歳の頃。
その後、3歳児健診を受けて異常が発覚、そこから眼鏡を作るまでの道のりは苦難の連続でした。
斜視や近視とは?

斜視とは?
(出典:参天製薬)
近視とは?
(出典:医療法人社団 医新会)
はじめて「見方がおかしい」と感じたのは長女が2歳の頃

当時、長女はよく教育テレビを観ていました。言葉の発達はやや遅かったものの、少しずつ番組の内容を理解しはじめ、歌のおにいさんやおねえさんと一緒に歌ったり踊ったりして楽しんでいました。
しかし、ひとつだけ気になることがありました。テレビに向かって身体は真っすぐなのに、顔だけ斜め横を向いて、けれど目線はテレビという不思議な姿勢だったのです。
はじめは気のせいだと思っていましたが、そうでないことに気づくのに時間はかかりませんでした。
3歳児健診で斜視と視力が0.2ないことが判明

その後、しばらく様子を見ている間に長女は3歳になり、自治体の3歳児健診の日を迎えました。
前日に自宅で絵カードを使って簡易的な視力検査をしましたが、なんと!長女は1枚も見えていませんでした。
「もしかして、目が見えてない?あの姿勢と何か関係があるのかも…」と不安な気持ちを抱えながら3歳児健診の会場へ足を運びました。
視力検査の結果は、やはりほとんど視力はなく、さらに片目は斜視であることが判明しました。医師からは、顔を斜め横に向けるのは斜視の方の目が上手く使えていないのではないかとのことでした。
実はこの3歳児健診の後、近所のママ友の家でランチの予定が入っていました。この日をとても楽しみにしていたはずなのに、気持ちは落ち込む一方でした。悩んだあげく遊びには行きましたが、頭の中は病院探しのことでいっぱいでした。
病院で言われた心無い言葉にショックを受けました

帰宅してからすぐに、子どもでも診てもらえる眼科を探しました。厳密にいえば、どこでも診てもらえると思いますが、子どもの診察に慣れている病院がよかったのです。
幸い近所に子どもが多く受診している病院があり、私達も行ってみましたが、そこで思いがけない、ショックな出来事がありました。
多くの子どもを診ているからきっと優しい医師なんだろうと勝手に思っていました。
しかし実際のところは、長女が少し機械に触れただけでも怒られ、じっとしていないから視力もちゃんと測れないと愚痴られ、挙句の果てには「この子は同じ年齢の子に比べると落ち着きがないですね」と言われてしまいました。
もうここには通えない…。その後もいくつかの病院をあたりましたが、検査のやり方や医師との相性が合わず、私達が通えるところにはなかなか出会えませんでした。
やっと見つけた病院は小児専門の眼科でした

病院探しをはじめて気づけば半年近くが経っていました。今はもう難しいかもしれないと諦めかけた時に、自宅から電車で30分程のところに小児専門の眼科があることがわかりました。
早速、電話で問い合わせしてみると、受診する子どもは健常児から重度の障害児までいるそうなので、「ここだったら長女も大丈夫かもしれない」と会社を休んで行くことにしました
病院に到着すると、今までの眼科とは待合室の雰囲気が違いました。重度の障害を持った子どもが来たら席を譲り合い、長い待ち時間で泣き始めた赤ちゃんがいたら親だけでなく、周りの人達も一緒にあやしたりと、終始暖かい雰囲気に包まれていました。
その理由は、検査と診察で全てわかりました。スタッフは完全に子ども目線。自分たちのペースではなく、ひとりひとりの子どもに合わせていたのです。わたしは先生方の対応に感動し、今までの経緯を話しながら涙が溢れてしまいました。
こうした子ども目線の診察のおかげで、長女は無事に眼鏡を作ることができました。眼鏡をかけると斜視も矯正され、物を見る時に顔を斜め横にすることも、徐々に少なくなっていきました。
解決するまでに期間はかかりましたが、子育てをしていく中で忘れられない出来事のひとつになりました。
現在の長女は
長女は3歳から眼鏡をかけ始めて、今も眼鏡をしています。最近になって本人から、「何でわたしは目が悪いの?」と聞かれ、「なんで今更!?」とドキッとしました(笑)
そんな天真爛漫な長女ですが、親としては眼鏡をしていることにコンプレックスを感じず、不便なところは持ち前の明るさで乗り越えて欲しいなと思っています。