保育園は「働くママのための福祉施設」、幼稚園は「教育施設」。
そう聞くと、保育園は子どもの面倒を見るだけで、幼稚園は勉強を教えてくれそうな感じがしますが、逆に英語やスポーツを取り入れている保育園、のびのび過ごす幼稚園などもあります。
各園さまざまな特色があり、筆者の体験と異なることもあるかと思いますが、筆者が感じた「成長の違い」をお伝えします。
(カサンド家の場合の保育園・幼稚園比較一覧は、文末の別表をご覧ください)
遊ぶ・食べる・寝る! 第2の家庭「保育園」
保育園では「生活の基本」を身に着け、「外遊び」もめいっぱい。
毎日園庭で思いっきり体を動かして大はしゃぎしたり、生き物を探したり、ケンカもしながらルールを覚えます。
できたてのおいしい「給食」なら苦手食材にも挑戦できたり、年中・年長は自分たちで配膳するのも特徴。
>年少からは「発表会」の役を自分たちで決め、セリフを覚え、主体的に取り組みます。学年毎に出来栄えに大きな変化が見られ、成長を感じるイベントです。
<園で過ごす時間が長く、その間は先生が親代わり。「親以外にも信頼できる大人が近くにいる」ということが幼いうちから伝わり、生きていく上で安心に繋がるのではと感じます。
大集団でグイグイ学ぶ、小学校入学準備のための学校「幼稚園」

一方幼稚園では、先生は親代わりでなく、先生です。
外遊びもしますが「学ぶ」のがメインで、制作や体操、年長になると読み書きや足し算、道徳や習字もあります。給食は週2で給食弁当があり、配膳はしません。
「発表会」は、先生が配役を決めます。
ママの手作り衣装に子どももご満悦。プロの音声を使うのでセリフが言えなくても動きの完成度が高く、出来栄えに差がないため学年毎の成長はあまり感じませんが、観劇の見応えは十分。子どもは達成感を味わいます。
保育園育ちか幼稚園育ちかよりも、個性の差!
上記の通り、「学力」の面では成長の違いがあります。
読み書きや足し算を習っておくと、小学校入学当初の戸惑いは少なく済むかもしれません。しかし、例え入学時に字が書けなくても、すぐに追いつき、やがて「学力」の差はなくなります。
「学力」よりも、将来的に重要な社会性、意欲、忍耐力、立ち直る力などの「生きる力」や「心の成長」の面では、集団生活が長い保育園の方が何かと揉まれ、さまざまな感情の折り合いをつけ、打たれ強く、逞しくなるといえそうです。かといって、幼稚園で揉まれないわけではありませんし、性格の違いやメンタルが強いか弱いかでも差が出るでしょう。
小2の息子は6年間楽しい保育園生活を送っていましたが、未だに人の輪に入ることや人前で何かすることが苦手で、手を挙げて発言することもできません。保育園で毎日走り回って遊んでいたのに、小学校の休み時間は折り紙を折っています。
周りの子たちを見ても、外遊びの多い保育園育ちだから活発でヤンチャ、というわけでもありませんし、座ってお勉強する幼稚園育ちだから大人しくてしっかりしている、ということでもないのです。多少そういった傾向がある子がいる程度。
つまり、保育園・幼稚園の差よりも、本来もっている子ども一人一人の性格や個性の違いの方が、はるかに大きいということ。
保育園でも幼稚園でも、子ども自身が「楽しい!」と思って通うことが一番だなと思っています。
※すべての保育園、幼稚園が今回の記事の内容に当てはまるわけではございません。個人の体験での比較になります。
【参考】
マイナビウーマン、いこーよ、「保育園義務教育化」古市憲寿/小学館
7歳男児、3歳女児、44歳夫と4人家族で、育児・家事に翻弄される毎日。13年勤めた会社を退職後、現在は月刊誌の取材・執筆・撮影に携わる。一方で子供に関わる社会問題にも関心を寄せる。好きな食べ物はマカロン。