裁判員制度が始まってから10年以上が経とうとしています。
始まった当初は、ニュース番組などで取り上げられていましたが、どこか遠い世界の事のように感じていました。
そう、裁判所から通知が届くあの日までは。
私が経験した裁判員の話を聞いてください。
裁判員制度とは?
2009年にスタートした、刑事裁判に20歳以上の国民が裁判員として参加する制度です。
裁判員に選ばれたら、実際に裁判に出席し、裁判官と議論して(評議)、被告人が有罪か無罪かを判断します。
裁判員裁判の対象になるのは、殺人罪や強盗致傷罪など、重大な事件の裁判です。
原則として、裁判員6名と、裁判官3名が、ひとつの事件の担当となります。
参考:日本弁護士連合会
裁判員のなる確率は?どんな風に選ばれるの?通知はいつから?
毎年11月に裁判所から、翌年裁判員に選ばれる可能性があるという「名簿記載通知」が送られてきます。
もちろん私にもこの通知が送られてきたのですが、差出人のところにデカデカと「最高裁判所」とあったので、なにかのイタズラだと思ってしまいました。
封を開けると、「翌年裁判員候補として、呼ばれる可能性がある」というようなことが書いてありました。
有権者の約400人に1人が選ばれる可能性があるそうです。
(この段階で辞退することもできます。)
裁判員の担当事件はどう決まるの?
まったく音沙汰がなかったので、裁判員のことなどすっかり忘れていたころ、裁判所からまたまた封書が届きました。
「選任手続き」の呼び出し状です。
私が担当する(かもしれない)事件が決まったのです。
呼び出し状は1事件あたり70人程度の裁判員候補者に送られてくるそうです。この時点で、どんな事件かは、わかりませんが、裁判の日程がわかります。
私の担当した裁判は意外と日数が多く、どんな凶悪な事件なのだろうと、不安になりました。
選任手続きの日、裁判所へ行き、くじで6人と補充裁判員2人が選ばれます。
ここで初めて、どんな事件の担当なのか知らされます。
事件に大きいも小さいもないかもしれませんが、残忍な事件ではなかったので、ほっとしました。
そう思っていたところ、私の番号がホワイトボードに貼りだされました。
裁判員に選ばれたのです。
主婦・ママが裁判員に選ばれて、ここが大変だった!
裁判員というと、守秘義務があり、どんなことも人に漏らしてはいけないと思う人も多いと思います。
もちろん事件関係者のプライバシーや、評議の内容の守秘義務がありますが、法廷で見聞きしたことや感想を話すことは問題ありません。
なので、私はつねに家族に裁判の話を聞いてもらい、ストレスがたまることはありませんでした。
裁判員のメンバーもお話好きの人が多く、和気あいあいとしていました。
大変だったのは、裁判が10時半から17時まであったこと。
どうしても保育園のお迎えに間に合わないので自治体に問い合わせたところ、裁判員は無償で延長保育してもらえることが分かりました。
これは、とても助かりました。聞いてみるものです。
ちなみに…裁判所までの交通費、昼食代は支払われます。
裁判員候補者や裁判員等になって裁判所に来ていただいた方には,日当や交通費が支払われ,裁判所から家が遠いなどの理由で宿泊しなければならない場合には宿泊料も支払われます。
日当の具体的な金額は,裁判員候補者の方は1日あたり8000円以内,裁判員及び補充裁判員に選ばれた方は1日あたり1万円以内で,選任手続や審理等の時間に応じて決められます。
なお,日当などは,事前にお知らせいただいた預貯金口座に振り込んでお支払いします。
引用/法務省HPより:http://www.moj.go.jp/k/saibanin/15.html
裁判員になってみた、全体の感想
まだまだ語りたいことはありますが、全体を通しての感想は、「またとない経験ができた」です。
裁判官と並んで座るなんて、もう二度とないでしょう。
コロナが収束したら、裁判の傍聴もしてみようと、ひそかに思っているところです。