毎晩見ている月は、太陽との位置関係によって姿を変え、約1ヶ月の周期で満ち欠けを行います。月の形にはそれぞれ呼び名がついていますが、その中でも満月→下弦の月→新月の3つのサイクルを活用して心身のバランスを取ることを意識してみると、心身のバランスが取れるようになります。
今回は伝統医学を応用したメンタルケアへの有効的なアプローチが期待できる過ごし方を、アロマテラピーの世界からご紹介します。
月の満ち欠けと香りの揮発速度を組み合わせて心とシンクロさせる
アロマテラピーの世界では「※ノート」と呼ばれる3つの揮発速度によって精油の分類をします。これを月の満ち欠けと組み合わせて取り入れることにより、バランスが取れるようになります。
満月→ベースノート下弦の月・新月→ミドルノート
上記の基本ルールと合わせ、香りの世界と惑星の世界共通に存在する「ノート」の理論と「月の引力による心の状態」をアーユルヴェーダの2つの視点から見ると、「満月は月そのもの」となりますので、満月→下弦の月→新月のサイクルで選定したアロマは以下のものになります。
満月:安定性を高める時期
自然界で満月のことは「満ちる」と言いますが、この満ちる時というのは、「カパ」と呼ばれるエネルギーが増えます。
※アーユルヴェーダでは、「ドーシャ」と呼ばれる3つの要素「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」が心身の健康を支配していると考えられています。
カパのバランスが取れていれば、感情面の豊かさや寛大さという魅力が出て落ち着いた状態ですが、増え過ぎると変化に恐れ、現状を維持することに固執します。
満月の翌日からは新月に向けて変化があるため、恐れや不安が出やすい心の状態になるということになります。
満月の時のおすすめのアロマはベンゾイン
ベンゾイン 25% エッセンシャルオイル 10ml
ベンゾインは濃厚なバニラのような香りが特徴で、甘いバニラの香りと聞くと、重そうな印象がありますが、ベンゾインには安心・安定や不安や孤独から解放されるような精神を養ってくれる作用があり、心の温かさや安らぎを取り戻してくれます。別名で「安息香(あんそくこう)」と呼ばれており、名前の通りの作用があるのです。
※注意※
ベンゾインは粘度が高い精油なので、冬場は固まってしまうことがあります。その場合はぬるま湯で温めるもしくは希釈されたオイルを使用しましょう
下弦の月:発散の始まり。デトックスや見直しをする時期
下弦の月は新月に向かっていく段階で、ちょうど半分。折り返し地点になります。発散の始まりと言われていて、いらないもの・いるものを偏りなくバランスを取ることにより、完全なデトックス期である新月を迎えることができます。
始まりや終わりではなく、中間地点で見直しをすることというのは大切なことで、「足りないものを補う」こともバランスであり、「余ってしまったものを手放す」というのもバランスです。この見直しを下弦の月の時期に行うと、より明確な判断ができるようになります。
下弦の月に適したアロマはクローブ
クローブ精油[30ml]エッセンシャルオイル(アロマオイル)
クローブはほんのり甘さを残しつつもスパイシーな香りを放つ魅力的な香りです。インドの飲み物であるチャイやカレーのガラムマサラにも活用されています。東洋では「丁子」という名前で呼ばれており、生薬として使用されていました。クローブは今の状況に変化をさせるための行動力とパワーを与えてくれ、気分が落ち込んでいる時に元気にさせてくれる作用があります。
新月:デトックスのパワーが強まる時期
月の満ち欠けの中で最もデトックスを始めるのに最適な時期になります。「ラマダン」と呼ばれる断食は、基本的には新月から始まるとされているので、暦から見てもデトックスや浄化に最適であるといえます。
私たちのような通常の暮らしている中で新月を暮らしの中で活用できる行動としては、下弦の月の時期にバランスを取りながら2つに分けていたものに対しての決断をし、ライフスタイル自体を次の新しい時期のために完全に改善や見直しをすることによってすっきりとします。
新月に適したアロマはラベンダー
天然100% 真正ラベンダーオイル 50ml エッセンシャルオイル
新月の始まりと次の満月の終わりを結んでくれる循環性を持つ香りが、ラベンダーです。誰にとっても心地の良い香りで、市販の芳香剤や入浴剤にラベンダーの香りが入っているものも万人に受ける万能精油だからなのではないでしょうか。
ラベンダーは心の中核になってくれる香りと同時に、溜まっていた感情を解き放ち、押し殺していた行き場のなくなった感情を解消してくれます。また、表現力のサポートもしてくれるという作用もあるので、新月の時期に最も最適な香りとなっています。
他の香りもブレンドをしたい時にオススメのアロマ
1つの香りだけでは飽きてしまうことがあります。今回トップノートの香りは適用されていませんが、ブレンドしたい時はトップノートの香りを使用すると良いでしょう。トップノートは揮発速度は速いので短時間にはなりますが、逆にブレンドされた香りから本来の香りだけに変化をしていく過程を楽しむことができます。
今回の3つの香りへのブレンドに最適なアロマは柑橘系
- ベルガモット
- グレープフルーツ
- レモン
- ライム
- ユズ
柑橘系のアロマはほぼトップノートになります。柑橘系の精油は「誰もがイメージしやすい嗅いだことのある香り」が最大の特徴であり魅力で、どんなパターンにも柑橘系をブレンドしてもいいのではないかと感じます。
柑橘系全般にある心の作用としては憂鬱な気分や情緒不安定な心の安定させてくれます。特に女性は月の満ち欠けによって心の変化が大きく、精神面が弱ってしまうことが多いです。それぞれの月の満ち欠けに対応したアロマに柑橘系をブレンドするとより心の安定を得られることができるようになります。
月の満ち欠けを上手に活用して心のバランスを取ろう
地球から見た月というのは太陽の光が反射され、照らされた部分によって満ち欠けが存在するというように見えているというより、我々に見せてくれていると個人的には感じていますが、月の満ち欠けによって潮の満ち引きも変わり、そして出産にも関わりがあるとされているということは、天体的な楽しみと同時に、月の暦も大切にしながら暮らすという2つの役割を月と太陽が担ってくれているのではないでしょうか。
今の寒い季節は空が澄んでいるので月の姿がとても明るく見えます。目で楽しみ、そしてアロマを活用して鼻で楽しみ、自分自身の感覚や感性をより良くなるように月の満ち欠けを活用してみましょう。
トップノート:つけてすぐに広がる香り
ミドルノート:核となる香り
ベースノート:持続性のある香り