手荒れのリスク? コロナ対策の「手洗い」、洗い過ぎは逆効果って本当?

投稿日:2020-09-14 更新日:

新型コロナウイルス対策として、手洗いの重要性が叫ばれていますが、「洗い過ぎは逆効果」との情報もあります。真相を医師に聞きました。

 

洗い過ぎは逆効果?
新型コロナウイルス対策として「手洗い」の重要性が叫ばれてから、かなりの期間がたちました。これまで以上にしっかり、長時間洗うことも呼び掛けられており、頻繁に手洗いをしてきた人の中には、手荒れが気になっている人もいるようです。この生活は当面続きそうで、「洗い過ぎは逆効果」との情報もあります。手洗いと手荒れの関係について、アヴェニュー六本木クリニックの医師(皮膚科・形成外科)、河合朝奈さんに聞きました。

洗い過ぎ、というより「ケア不足」

Q.ハンドソープや石けんを使って手を洗う場合、「洗い過ぎると逆効果」という情報もありますが、事実でしょうか。

河合さん「洗い過ぎというよりは、間違った手洗い方法やケア不足によって『逆効果』となる可能性があります。まず、皮膚の仕組みから説明します。皮膚の一番表層には『角質層』という、肌のバリアー機能を担う層があり、外的刺激から肌を守り、肌の水分を保つ役割があります。

この角質層は、皮脂(油)と汗が混じり合ってできている『皮脂膜』、角質細胞同士の間を埋める『角質細胞間脂質(セラミド等) 』、アミノ酸を主成分とする『天然保湿因子』などで構成されていますが、これらの要素が減った状態になると、皮膚のバリアー機能が低下します。

手指の皮膚は皮脂を分泌する『皮脂腺』が少ないため、皮脂膜は薄くなりやすいパーツです。その代わりに角質層全体を厚くすることでバリアー機能を保っているのですが、角質層が厚くなる一方で、油分・水分が不足した状態が続くと、白くカサカサした状態になったり、場合によっては皮膚のひび割れを起こしたりすることがあります。

新型コロナウイルス感染症予防として、手洗いやアルコール消毒が推奨されていますが、間違った手洗い方法を繰り返したり、手洗い後の保湿ケアをおろそかにしたりすると手荒れを起こしてしまいます。荒れた肌はウイルスや細菌が付着しやすく、残りやすい状態になり得ます」

Q.アルコール消毒との併用でさらに悪化する可能性もあるのでしょうか。

河合さん「アルコール消毒で十分なウイルス対策効果が得られるのは、濃度70%以上95%以下のエタノールといわれています。これは、手洗いがすぐにできない状況でのアルコール消毒を想定した効果です。手洗い後、さらにアルコール消毒をする必要はありません。手洗いとアルコール消毒を併用した場合、アルコールは揮発性が高いため、皮膚の水分が必要以上に奪われてしまうことになります。

なお、アルコール消毒製品の中には、対ウイルスの性能を阻害しない程度に保湿成分を配合したものもあるので、携帯用などにはそのような製品を選ぶと、手荒れの予防につながります」

Q.新型コロナ対策として手を洗う際、手荒れのことも考えると、ハンドソープと固形せっけん、どちらがよいのでしょうか。

河合さん「せっけんか液体ハンドソープかといった、製品による対ウイルス効果や手荒れリスクの差は明言できません。ただし、泡立ちよく、肌をこすり過ぎない程度に手洗いができるという点では、泡で出るタイプのハンドソープが好ましいと思います。なお、ハンドソープの中にも保湿成分含有の製品があるので、手荒れが気になる人は試してみてはいかがでしょうか」

Q.手洗いについて「1日何回」「何時間に1回」などのめどはありますか。また、手荒れの予防法も教えてください。

河合さん「食事前やトイレの後はもちろん、不特定多数の人が触れた場所を触った後は手洗い、もしくはアルコール消毒をするようにしてください。ただ、ウイルスは口や鼻、目から入って感染するので、不必要に手で顔を触らないよう心掛けていれば、手洗いに関して過度に神経質になる必要はありません。

手荒れ予防には、泡洗浄で指の間や手首も隙間なく洗った後、泡が残らないようにしっかりと洗い流すこと、ペーパータオルなど清潔なもので水分をきちんと拭き取ることが大事です。泡が残っていると皮膚炎の原因となるほか、水分が残ったまま過ごすと、必要な皮膚の水分まで一緒に蒸発し乾燥してしまいます。手指の乾燥が気になる場合は、手洗い後に保湿剤を小まめに使用することが重要です。

もし、炎症やひび割れなどが起きたら、治療が必要な場合があるので皮膚科を受診するようにしてください」

(オトナンサー編集部)


ライター:

河合朝奈(かわい・あさな)
医師(皮膚科・形成外科)

アヴェニュー六本木クリニック医師。東京女子医科大学医学部卒業。JCHO東京高輪病院、名古屋第一赤十字病院形成外科で研さんを積み、現在に至る。日本形成外科学会、日本美容外科学会所属。

 

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