最近、テレビや広告などでも耳にすることが多い「サスティナブル」という言葉。とくにファッション業界では「サスティナブルファッションが~」と頻繁に話題になり、海外の有名ブランドでも注目を集めています。
その一方で、サスティナブルファッションって何……? と今一つイメージがわかない方もいるかもしれません。今回はサスティナブルファッションとは一体何なのかと、実際に行われている取り組みについてお話していきます。
そもそも「サスティナブル」とはどんな意味?
サスティナブル(Sustainable)を日本語に訳すると、「持続可能な」という意味です。一般的に使われているサスティナブルを、もう少し分かりやすく説明するのならば、「人と環境に配慮しながら生活することで、未来へとつなげていく」といったところでしょうか。
さらにこの「未来につなげていく」というところですが、現状のままではなく、少しでも上向きの状態にしながらつなげていく……といったところがポイントになります。サスティナブルな取り組みはすでに世界中で行われており、例えば自然環境に配慮しながら生産されたコーヒーは「サスティナブルコーヒー」として販売され、注目をあつめています。
「サスティナブル」と「エシカル」は違うの?
サスティナブルと似た言葉としてエシカル(Ethical)が挙げられます。日本語に訳すと「倫理的・道徳的」と言う意味で、「エシカル消費」という言葉で用いられることが多いです。
エシカル消費とは、それを買うことで環境や社会問題に貢献できる消費活動のことを言います。まとめるならば『エシカル消費をすることが、サスティナブルを実現するための一つの手段』といったところですね。
「サスティナブルファッション」が話題になっている理由は?
ファッション業界で「サスティナブルファッション」が取り上げられるようになった理由は、石油産業に次いで地球環境汚染に影響度が高い業界だと言われているからです。最近では良いものを長く着るというよりも、ファストファッションの流行もあり、ワンシーズンで服を買い替えるといった消費活動が行われています。
「質より量」といった風潮から、年間の衣類消費量は増えており、一人当たりの洋服の排気量も増加傾向になります。20年前と比較すると、約2倍の服が廃棄されているというのだから、驚きですよね。
問題なのは服が廃棄されるときだけではありません。服を作るときの汚染水や温室効果ガスの発生、毛や革を使うために動物が処分されていることも問題視されています。
また、アパレル業界では環境だけでなく、服作りをしている人の雇用形態や職場環境が悪さも指摘されています。一部の地域では労働者を「安く買い叩く」といった行為が横行しており、劣悪な環境で長時間働かされているのです。
このような背景があり、アパレル業界では他業界よりもいっそうの力を入れて、「サスティナブルファッション」の取り組みが行われています。
実際に行われている「サスティナブルファッション」の取り組み
実際に「サスティナブルファッション」の取り組みとして行われているのが、素材への配慮です。海外の一流ハイブランドでも、レザーを使用せずエコ素材で代用したり、動物の殺生をストップさせてフェイクファーを使用したりと積極的な活動が行われています。
日本でもリサイクルポリエステルを使用したアイテムや、ショップ自体にエコ素材を使用するブランドが増加中です。また、地球環境に優しいオーガニックコットンを、積極的に取り入れる動きも広がっています。
そうなると環境が汚れるだけでなく、薬品を扱う農家にも負担がかかります。オーガニックコットンはそういった類のものを使わず、時間も手間もかかるものの、安全な環境で生産者にも優しい素材です。
そういった「サスティナブルファッション」のポリシーに賛同したモデルやセレブたちも現れ、大きな動きが生まれています。日本の身近な例を挙げるならば、店頭に古着回収ボックスを設置してリサイクルを推進したり、古着を持ち込むことで金券と交換できるサービスを実施したりするアパレルメーカーが増えています。
リサイクル・衣類品回収サービスを取り組んでいるブランド
H&M以外のブランドでも状態を問わず衣料品の回収を国内全店舗で常時受け付けしています。
特設サイト
◆ユニクロ
全国のユニクロ・ジーユー店舗に回収用のリサイクルBOXを設置しています。
ユニクロ・ジーユーで販売した全商品が対象です。特設サイト
◆無印良品
無印良品の衣料品全般(下着/靴下を除く)・タオル・シーツ・カバー類を全国の無印良品で預かり可能。特設サイト
◆ZARA
ZARA以外の衣類も回収可(靴は不可)。店舗に設置されたコンテナへ入れれば、回収してくれます。
(※現在一部の店舗のみ対応なので、対応店舗は特設サイトをご確認ください。)特設サイト
リユース商品を利用するのも「サスティナブルファッション」の取り組みの一つ
環境に配慮された商品を購入し、リサイクルなどで処分するのもサスティナブルファッションの取り組みですが、リユース品を購入するのもその一環です。リユースショップやフリマアプリなどを利用して、まだ使えるものは捨てずに必要な人に譲る。
私たちのちょっとした取り組みが、未来の地球環境を良くすることに繋がっていきますよ。
※リサイクル・衣類品回収サービスの情報は2020年7月時点での情報です。現在の状況とは異なる場合もございます。特設サイトにてご確認ください。