日本はかつて誰しもが当たり前に「結婚」をする社会でした。
しかし近年では女性の社会進出、経済的に余裕がないなどの理由を背景に婚姻率は低下しています。
また婚姻率低下とは逆に、離婚率の方は高まっています。
それでは日本と比較して世界各国の結婚・離婚事情はどうなっているのでしょうか。
ご紹介していきましょう。
結婚するカップルが多い国ランキング
まずは世界各国における結婚率が高い国をランキングでご紹介いたします。
75ヵ国を対象に1000人(500組)あたり、1年間でどれだけのカップルが結婚しているかというデータになります。
順位 | 国 | 1000人(500組)あたり |
1位 | エジプト | 11.0 |
2位 | カザフスタン | 9.9 |
3位 | 中国 | 9.6 |
4位 | ウズベキスタン | 9.2 |
5位 | タジキスタン | 9.1 |
6位 | イラン | 8.7 |
7位 | ベラルーシ | 8.6 |
8位 | ロシア | 8.5 |
〃 | ヨルダン | 8.5 |
10位 | アルバニア | 8.2 |
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44位 | 日本 | 5.0 |
上位の国はエジプト、カザフスタンなどイスラム諸国が占めている事がわかります。
日本で1年間で結婚した人は再婚も含めて約62万組のカップルが結婚していますが、全体では44位という順位になりました。
離婚するカップルが多い国ランキング
順位 | 国 | 1000人(500組)あたり |
1位 | ロシア | 4.7 |
2位 | ベラルーシ | 3.5 |
3位 | リトアニア | 3.2 |
4位 | ラトビア | 3.1 |
5位 | デンマーク | 3.0 |
〃 | モルドバ | 3.0 |
〃 | ウクライナ | 3.0 |
〃 | カザフスタン | 3.0 |
9位 | キューバ | 2.8 |
10位 | コスタリカ | 2.7 |
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39位 | 日本 | 1.7 |
旧ソ連の国々であるロシア、ベラルーシ、ラトビア、リトアニア、モルドバは離婚するカップルが多い事がわかります。
離婚率が高い国には共通点があり、女性の社会進出が進んでいる事が背景にあります。
女性も男性と変わらないくらいの経済力があればトラブルがあった際に離婚を選択するということが多くなります。
世界の結婚・離婚事情、制度について
それではさらに詳しく世界各国の結婚・離婚事情をご紹介していきましょう。
アメリカ
結婚
アメリカでの結婚制度は州によって違いますが、多くの州では男女ともに18歳婚姻する事ができます。婚姻適齢の規制が存在しない州も存在します。
姓については日本とは違って同姓、別姓を自由に選択する事ができます。また自分たちで新しく姓をつくることも可能です。
2015年には同性同士の結婚を憲法上の権利として認めるという判決がくだった事で、アメリカ全土において同性婚が合法化される事になりました。
離婚
2組に1組のカップルが離婚するといわれている離婚大国アメリカ。その離婚の一番の理由は「夫の失業」が多いとのことです。
各州によっても違いますが、約一年間ほどの別居期間を経る事で離婚が成立する事や、夫婦の合意がなくても一方的に離婚が出来る「無責離婚法」が制定されたことも離婚率を高めた背景にあるようです。
フランス
結婚
フランスでは日本の婚姻制度に近い「結婚」と、「パックス(PACS)」という事実婚制度の二つがあります。
パックスとは、日本で言う事実婚に近い制度で、18歳以上のカップルが共同生活を結ぶ契約、もしくは同棲を法的に手続きするというもの。
もともと1999年に定められた同性カップルの権利を法的に守るためにできた制度ですが、現在は同性、異性関係なくどちらも利用できるようになりました。
パックス制度を利用すると税金、社会保障などの面において結婚することと同等の権利を得る事ができます。
離婚
フランスでは日本と比べると公的な離婚の手続きが大変であり、また、自治体によってもそれぞれ違いがあります。
それと比べてパックス制度は結婚も離婚も書面一枚で成立、パートナーの合意がなくても解消する事ができます。
フランスでパックス制度が多く利用されている理由はこのような事も関係しています。
カナダ
結婚
カナダには日本の婚姻制度に近い「結婚」と、「コモンロー」、「コンジュガル」という制度があります。
コモンローは事実婚に近く、「1年以上結婚生活同様の生活をしている(同じ場所に住んでいる、共同口座があるなど)」、もしくは「パートナーとの間に子どもがいる」と性別関係なくコモンローの関係になります。
カナダでは一般的に浸透している制度で法律的に認められた結婚と同様の福利厚生が受けられるメリットもあります。コンジュガルとは、ビザなどの事情があってコモンローの条件を満たせずに別居結婚状態にある事を言います。
離婚
離婚する場合、まずは1年以上別居したのちに法律に基づき離婚の申請をする事ができます。
またカナダには日本の協議離婚に近い制度があり、子供の親権や養育費などを取り決めた離婚協議書のような合意書を作成する事によって強制執行を持つ事ができます。
いかがでしたでしょうか。
日本の結婚・離婚は世界と比べると手続き的には比較的簡単である事がわかります。
また各国のユニークな婚姻制度がある背景には家族の多様性が認められているからという事もあります。
「結婚への価値観」、「家族の在り方」は今後も時代とともに変化していくことになりそうです。
※出典:総務省統計局「世界の統計2018」2-17 婚姻率・離婚率