世の中は、刻々と変わっています。
その変化に合わせて、世の中の常識と呼ばれる考え方にも変化が現れるのは当然のこと。
女性を取り巻く環境や価値観にも、近年変化が見られつつありますが、その中でも、結婚や出産、子育てへの考え方には、幅が出てきたように思えます。
そこで、“選択的シングルマザー”という生き方を考えてみます。
選択的シングルマザーって何?
シングルマザーと言えば、母親一人で子どもを育てている人のことを言います。
シングルマザーになる事情は、たとえば夫との死別、離婚などが真っ先に思い浮かぶかもしれません。
選択的シングルマザーは、“やむを得ず”シングルマザーになるのではなく、はじめから結婚をせず、一人で子育てをしていく道を“選んだ”母親のことを指します。
選択的シングルマザーとして生きていくことを決断するに至るには、その人が持つ生き方の価値観も大きく関わっているでしょう。
選択的シングルマザーになった人が持つ理由をいくつか紹介します。
選択的シングルマザーになった理由1.結婚自体に疑問がある
結婚をして夫婦になる、という制度に、魅力や必要性を感じない、むしろ違和感を覚えるという人がいます。
たとえば、ある程度の年齢に達したときにみんなが意識して動き始めることへの違和感。
「結婚しなければ」という呪縛に囚われているようにしか思えず、そんなことをしてまで結婚をする必要があるのか、と思うのです。
結婚制度自体に疑問を感じる一方で、子どもはほしい。
そういう価値観を持っていることに気づき、パートナーを見つけ子どもを産み、選択的シングルマザーになる道を選ぶ人もいます。
選択的シングルマザーになった理由2.恋愛結婚と出産はつながらない
自分には恋愛が必要ない・恋愛をしたくない・異性を恋の対象として愛せない。
そんな人を、「アセクシャル」と言います。
ですが、その人に“人間愛”がないわけではありません。
恋愛はしたくないけれど、子どもはほしいと思う人もいるでしょう。
また、付き合っている人がいて、でも、関係がこじれて別れることになったタイミングで妊娠が発覚したという人の中にも、選択的シングルマザーという道を選ぶ人はいます。
子どもは産みたいけれど、その人とやり直すことは考えられないから選択的シングルマザーになる。
シンプルな思考と言えるでしょう。
選択的シングルマザーはこれから増えていくかも……
一昔前までは、女性は家庭に入り、男性に養ってもらうことで生きていくことができました。
ですが、今は違います。
女性も社会に出て働くことができますし、男性顔負けの働きをしている人も多くいます。
女性の金銭的自立が進み、「一人でも育てていくことはできる」という自信を持った女性も多いのです。
また、多様性を認めていこうという社会の流れがある今、結婚や出産に関しての価値観も多様化しています。
事実婚をする人、結婚せず子どもも生まない人生を求める人が認められていく中、この選択的シングルマザーという生き方も、今よりきっと認められるようになるでしょう。
選択的シングルマザーにも苦労はある
選択的シングルマザーを選んだことでハッピーなことばかりではないでしょう。
「子どもにとっては、両親がそろっていたほうが良いのかも」という迷いや不安を感じることもあるでしょうし、そういった世間の声が聞こえてくることもまだまだありそうです。
多様性が認められ始めた社会とはいえ、まだまだ日本には、“家族”というものに対しての固定概念があります。
父、母、子どもがいる家庭が大半であることから、ふとした機会に父親の存在を確認されることもあるでしょう。
選択的シングルマザーが、母親のエゴだという考えを持っている人もいて、批判されることもあるかもしれません。
自分の人生は生き方も自分で決めていい
どんな生き方であろうと、その人の人生はその人のもの。
他人にとやかく言われる必要もないですし、言われたことを気にしすぎる必要もありません。
ただ、中途半端はダメです。
自分で「こう生きていく」と決め、覚悟と自信を持って突き進みましょう。