間違いだらけの美容! クレンジングは肌荒れの元凶? 美肌作りはとてもシンプル

投稿日:2020-01-30 更新日:

著書に「化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア」がある、美容皮膚科医の菅原由香子さんに、美容の基本である洗顔や洗髪の誤った方法について聞きます。

あなたの洗顔も間違っているかも?

私たちにとって、美容は大きな関心事です。しかし、多くの情報が混在しているため、消費者が知っておくべきものが届いているとは言えません。今回は、「化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア」(三笠書房)を紹介します。著者は、美容皮膚科医の菅原由香子さん。自身が20年間肌荒れに悩み、医学的な観点で研究を続けた末に、肌荒れを克服したノウハウをまとめたものです。

クレンジング、ヘアケアの間違い

菅原さんは、美容の基礎である洗顔の仕方を間違えている人が多いと指摘します。クレンジング剤を手にとってゴシゴシと洗顔する方法は間違っているようです。

「クレンジング剤で肌を強くこすると、皮膚の構造は崩れます。力が加わりやすい頬骨が出ている部分など、色素細胞が活性化して肝斑(かんぱん)と呼ばれるシミを作ります。しかも、多くの人は洗顔の際に力が入りすぎていることに気づいていません。洗顔は、皮膚が動かないくらいの柔らかいタッチで十分なのです」(菅原さん)

「洗髪も間違った方法の人が多く見受けられます。シャンプー、リンス、トリートメントに含まれている成分は皮膚にとって刺激が強すぎるため、肌につくと皮膚の構造が壊され、保湿成分が流れてしまうのです。シャンプーを使う際には、特に、顔につかないように気をつけなくてはいけません」

菅原さんは、固形石けんでの洗髪を推奨しています。無添加で発泡剤などが含まれていないものが好ましいとのことです。

「石けん洗髪を始めて1カ月ほどは、ベトベトして頭皮の臭いが気になるかもしれません。シャンプー洗髪を続けてきた頭皮は、毎回必要な皮脂まで流されていたため、流れた分を補うために皮脂を出す力が強まっているためです。しかし、石けん洗髪を続けていると、皮脂を分泌する力が弱まり、べたつきも臭いもなくなってきます」

「さらに、皮脂の分泌量が減るので毛穴が詰まりにくくなり、髪の毛にハリやコシが出てきます。リンスは薬局・薬店で売られているクエン酸を使用します。クエン酸は、お肌に傷があるときにはヒリヒリしますが害はありません」

クレンジング剤は食器用洗剤と同じ

皆さまは、メイク落としに食器用洗剤を使ってくださいと言われたら、どのように思うでしょうか。クレンジング剤での洗顔は同じようなことだと菅原さんは指摘します。

菅原由香子さん

「クレンジング剤の主な成分は食器用洗剤と同じ合成界面活性剤です。簡単に説明すると『水と油を混ぜ合わせるために作られた物質』です。食器についた油汚れは、水だけでは落ちませんが、洗剤に含まれる合成界面活性剤の働きできれいに落とすことができます。クレンジング剤も同様です。全ての合成界面活性剤はたんぱく質を溶かす作用があります。洗浄力が弱かったとしても、お肌にダメージを与えているのです」

最近では、界面活性剤の包含量が少ない商品も多く販売されています。包含量が少なければ問題ないのでしょうか。

「主成分は合成界面活性剤ですから、推奨することはできません。界面活性剤は、油分と水分を結合させるのに必要な成分で、汚れを落とす働きがありますが、皮膚の構造を破壊します。べっとりと油のついたお皿も、界面活性剤の入った台所用洗剤で洗うときれいにすることができます」

「同様に、髪の毛や頭皮もシャンプーで洗うと汚れや皮脂を落とせます。しかし、台所用洗剤を毎日使用していると、手荒れがひどくなることがあります。シャンプーも同様に、頭皮や髪の毛を傷めます。私が推奨しているのは『天然素材の石けん』のみです」

これまでも、界面活性剤の影響は指摘されてきました。これは、私たち消費者がクレンジング剤に利便性を求めた結果とも言えるでしょう。美容に対して、正しい知識を持ち、適切なケアを心がけることが必要かもしれません。取材にご協力いただいた、菅原由香子医師に御礼申し上げます。

(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之)

尾藤克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「すぐやるスイッチ」(総合法令出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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