朝、鏡に映る出っ張ったおなか、丸太のようなふくらはぎ。「スマートだった昔の自分はいずこへ」。そんな悩みを抱えるビジネスマンの方も多いことでしょう。 ジム通いをしてダイエットしたいけれど、数十万円の入会金を払う余裕なんてまるでない。食費や学費、住宅ローンなどの出費もかさんでくる頃だし…。
新生銀行が2016年6月、20~50代の有職者約2300人を対象に行ったアンケート「2015年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員のお小遣いは3万7873円(前年比231円増)で1979年の調査開始以来、3番目に低い結果だったといいます。
ビジネスマンがダイエットに使えるお金は限られているようですね。しかし、ウオーキングを取り入れた企業研修などを指導する、一般社団法人「日本姿勢と歩き方協会」代表理事の高岡よしみさんは、「まだ策はあります」と断言します。
ポイントは「上半身」「腰」の2カ所
高岡さんが提案するのは「ゆがまない生活」。これを実践すれば、忙しいビジネスマンでも簡単にダイエットできるといいます。高岡さんによると、そのポイントは「上半身」と「腰」の2カ所です。
まずは上半身について。「通勤時にバッグの重さに引きずられて、肩を上げたり下げたりして歩いてはいけません」。バッグといっても、ブリーフケースやトート、肩掛けなど種類はさまざまですが、高岡さんは「どんなカバンも片方の肩で持ち続けず、行きは右手、帰りは左手といった具合で持ち替えましょう」と話します。
続けて腰です。「足を組んで座ってはいけません」。机で仕事をする際や、同僚と雑談する際についつい組んでしまう足。なかば無意識でやっている人も多いはず。足を組むデメリットについて、高岡さんは「下腹がぽっこり出た体型になってしまう」と話します。ちなみに足を組む傾向のある人は、やせ形で腹筋の弱い人が多いそうです。
これら2点に気を付けると、正しい姿勢が身につき、自然に運動量と消費エネルギーが増えてダイエットにつながるといいます。
それでは、どのくらいの量をこなせば効果が表れるのでしょうか。高岡さんは「毎日8000歩、歩いてください。時間にすると約20分です」と話します。忙しい場合は、週2~3回でもオーケーだそうですよ。
【実践編】体のゆがみを知るセルフチェック法
高岡さんから実践編として、体や姿勢のゆがみを知ることができるセルフチェック法を3つ紹介してもらいました。
1.壁に背をつける
自宅の壁に背中をつけてください。壁に背をつけた時、頭、肩甲骨、お尻、かかとの4点が壁について、壁と腰の間に手のひら1枚分の空間ができればオーケーです。下腹部を引き締めて立ってみましょう
2.仰向けに寝る
仰向けに寝ると体がリラックスします。この時、左右の足の開き具合をチェックしてください。つま先が左右同じ角度で、外側に等間隔に開いていればオーケーです
3.背中で後ろ合掌
デスクワークは猫背になりがちです。背中で腕組みや合掌するポーズを取って、自分の肩がどれだけ動くか試してみてください
ちなみに高岡さんによると、「ゆがまない生活」はダイエット以外にも、頭がすっきりして思考がクリアになる効果もあるそう。お釈迦さまや仏教の修行僧も、「歩く」ことで健康を維持していたようです。「それを『歩行禅』といいます。ただ歩くだけで気持ちが穏やかになり、思考が整理されるんですよ」。
(オトナンサー編集部)
高岡よしみ(たかおか・よしみ)
一般社団法人「日本姿勢と歩き方協会」代表理事、ウォーキング・ライフ・プランナー
一般社団法人「日本姿勢と歩き方協会」代表理事、日本靴医学会会員、日本靴小売商連盟認定シューフィッター、中国推拿整体ボディーセラピスト。有名ホテル勤務を経て、モデルに転身。オリエンタルで中性的な魅力を放つ独特の存在感が認められ、東京コレクション等で活躍する。出産後にウオーキング指導を開始し、大手百貨店から依頼されたイベントで女性の美しさやマナーをテーマにした自身初の講演を行い反響を呼んだ。「体と心はつながっている」が持論で、薬膳や整体などさまざまな分野の知識を学びつつ、ウオーキングのさらなる可能性を探求している。