カサンドラ症候群という言葉を聞いたことがありますか?
カサンドラ症候群とは、発達障害(主にアスペルガー症候群)のある夫又は妻と、うまくコミュニケーションを取れずに苦しみ、配偶者がうつや神経衰弱等の身体的、精神的な不調に陥る状況を指します。
- 何回も「手伝ってほしい」と声をかけても育児・家事をやろうとしない
- お願いしても時間を守ることができない
- お金を無計画に使ってしまう
- 自分のことばかりを優先してまう
- 大変そうにしているのを全然察してくれない
など、夫と意思の疎通がうまくできずに、毎日ストレスを感じて過ごしている…
もしかしたら、それは「カサンドラ症候群」に当てはまるのかもしれません。
アスペルガー症候群は、女性よりも男性に多い傾向がある為、カサンドラ症候群になるのは、妻の場合が多いようです。
もしかしてカサンドラ症候群?
アスペルガー症候群は、相手の気持ちや立場を理解するのが困難な障害と言われています。
しかし、基本的に言葉の発達の遅れはない為、本人はおろか周囲もアスペルガー症候群である事に気付かない場合があります。
特に、仕事が出来て社会的な地位が高い夫の場合、妻が夫への不満を話しても、周囲に信じてもらえない為、妻は孤独感を持ちやすいようです。
また、家族の問題についても無関心な夫も多く、話し合いにならない場合が多いそう。
なかなか意思の疎通が取れず、何でも一人で背負わなければならない辛さを訴える妻もいます。
さらに、夫が趣味に没頭して、お金も時間も趣味に費やしてしまうばかりか、妻が体調不良と言う事態でも、趣味を優先する場合がある為、悲しみを感じるそう。
他にも、夫の心無い言葉や暴力に深く傷つく妻もいます。
実は、この妻が置かれた状況こそがカサンドラ症候群かもしれないのです。
症状の程度によっては、医療機関を受診しなければならない程まで、日常生活が困難になり、高いストレス状態に陥ってしまう場合があります。
では、もしカサンドラ症候群と診断されたら、どうしたら良いのでしょうか。
悩みを解決する為には?
1.お互いの特性を理解し合う
まずは、「夫(妻)は相手の事を察する事が苦手」等というように、お互いが相手の立場や特性を理解し合う事が大切です。
2.自助グループを活用する
自助グループ※1に参加して、周囲から理解されない悩みや辛さを会員同士で共有する事は、孤独感を癒してくれそうですね。
自助グループの中には、専門家による講座を開催する場合もあり、問題解決の為の情報を入手する事も可能かもしれません。
※パートナーが発達障害未診断の場合でも参加できる自助グループもあります。
フルリール
http://fleurirkanagawa.blog.fc2.com/
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-006.html
3.専門機関を受診する
カサンドラ症候群の相談先としては、
- 発達障害支援センター
- 発達障害専門外来を持つ精神科
- 女性相談機関
- 民間の夫婦問題に特化したカウンセリングしている会社・サロン
などがあります。
カウンセリングで、アスペルガー症候群の夫への接し方のコツを学ぶ事で、カサンドラ症候群が改善した妻もいるそうです。
夫婦でカウンセリングを受けて、アスペルガー症候群の夫が、自分の言動が妻に与えていた影響を知り、問題改善に繋がったと言うケースもあります。
二人での話し合いをするのが、もう困難な場合は第3者の介入を借りてみるのも手です。
4. 当事者の書籍で解決のヒントを得る
カサンドラ症候群に関しての漫画や書籍も近年では多数発行されています。
こういった書籍から相手との向き合い方のヒントを得られる可能性もあります。
また自分と同じ思いをしている人がいると知ることで、勇気づけられるということもあると思います。
いかがでしたか?
アスペルガー当事者の経営者アズ直子さんが「困っているあなたを変えなければならない」と言うように、相手を責めるだけでなく、自分にも改善点はないのか?と、考えてみる事も必要かもしれません。
カサンドラ症候群はどちらか一方が悪いというわけではありません。
お互いの特徴を理解し合うことで、ちょうどよい距離感や向き合い方が見つかる場合もあるそうです。
またカサンドラ症候群ではなくても、配偶者の言動に傷ついた経験のある人はいるでしょう。
まずは一人で抱え込んで悩みすぎないようにしましょう。
夫婦の不満をため込んでいると、ひどい場合は離婚にまで発展しまうケースもあります。
信頼できる誰かに相談をしてみるということからでも、あなたの心の回復の第一歩になるのではないでしょうか。