
小さな子ども達の間で繰り返される「ごめんね」「いいよ」。
年少さんくらいまでは「ごめんね」「いいよ」と素直に繰り返されていくのですが、年中さんくらいになると自分の意志が芽生えてきます。
「私のせいじゃないのに!」
「わざとじゃないのに!」
その思いが芽生えると「ごめんね」と言われても「いいよ」とは言えない。
謝りたくない。だって、私は悪くないんだもん!
これはとても大切な心の成長です。
無理に「いいよ」と言わせると、その子の心を押さえつけかねません。
大人のエゴで繰り返される対話

「貸して!」「いいよ!」。
この会話も日常で繰り返されている会話。実際に「いいよ!」と言った方は貸さずに遊び続けているということも多々あります。
ここに何があるのでしょうか?
「貸して!」「いいよ!」が子ども達の間でリズムになってしまっているんです。
「いいよ!」とは思っていないのに、小さいころから慣れ親しんできた言葉のリズムで「いいよ!」と言ってしまうのです。
でも、貸したくないから貸さない。
そうなると「いいよ!」という言葉に意味がなくなります。
では、なぜ言葉と心が繋がっていない「ごめんね」「いいよ」「貸して!」「いいよ!」が繰り返されるのでしょうか。
もしかしたら、このやり取りは親が早急に問題を解決したいという思いで言わせているのかもしれません。
大切なのは子どもの話を聞くこと

では、どうすればスムーズなのか。
子どもの気持ちに寄り添えるのか。これは単純に「子どもの話を聞く」ということで解決できます。
子ども達の間にトラブルがあった時がまさにチャンス。
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自分はどう思っているのか
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相手の気持ちはどうなのか
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叩かれた場合、痛みはどれくらいか
など、話をしてみてください。
きっと、子ども達の中にそれぞれの思いがあるはずです。
その思いを聞いているうちに自然と子ども達の中から本当の「ごめんね」「いいよ」「貸して!」「いいよ!」が生まれるようになります。
自分の中から芽生えた思いは体験となり、子ども達の心の土台となります。
そして、この積み重ねが大人になった時の器の大きさに繋がるのではないかと、私は思います。