夫が娘の「パパ嫌いママがいい」に8年間耐えた結果、娘が夫になついた…“パパ嫌い”はなぜ起きる?

投稿日:2020-12-08 更新日:

夫が娘3人の「パパ嫌いママがいい」に8年間耐え、娘たちが夫になつくようになったとの投稿がSNS上で話題に。「長い8年だったね」と祝福する声が上がっていますが、子どもの「パパ嫌いママがいい」はどうして起きるのでしょうか。

 

「パパ嫌いママがいい」はなぜ起きる?

SNS上で先日「夫が子どもたちの『パパ嫌いママがいい』に8年間耐えた」という趣旨の投稿が話題となりました。投稿した妻によると、夫が3人の娘による「パパ嫌いママがいい」に腐ることなく耐えた結果、「娘たち3人がお父さんの膝を奪い合うようになって、娘3人を背中に乗っけて馬のように歩く」ようになったとのこと。夫は、念願だった「おいおい、参ったなー」を言うことができ、「家族って素敵ですね」「長い8年だったね」「勝ち取った『おいおいまいったなー』ですねえ」などと祝福する声が上がりました。

子どもの「パパ嫌いママがいい」はどのようなメカニズムで発生し、両親はどのように対処すべきなのでしょうか。子育てカウンセラー協会インストラクターの永野美香さんに聞きました。

スキンシップを求める心理?

Q.「パパ嫌いママがいい」子どもの心理とはどのようなものでしょうか。

永野さん「パパに対して『もっとかまって!』とスキンシップを求めているのかもしれません。子どもは『甘えたい』『満たされたい』『独占したい』と思っていることが多いのです。パパも仕事から帰ってきたらホッとひと息つきたいところだとは思いますが、大人が関わる時間を決め、子どもと向き合う時間を取ってみてはいかがでしょうか。たとえば一緒にお風呂に入ったり、子どもが寝る前に一冊だけでも絵本を読んであげたりするなど少しの時間で構いません。また、子どもが『パパ嫌い』と言ったことに対し、大人は『なんで嫌いって言うの』『好きって言ってよ』と反応することが多いと思います。子どもの心理として、その言葉のやり取りを楽しみながら、パパとのコミュニケーションを自然と取っているのかもしれません。子どもが『パパ嫌い』と言った時はしっかりと反応してあげて、『パパは○○ちゃんのことが大好きだよ』とハグしてあげるだけで子どもは変わります」

Q.「パパ嫌いママがいい」が起きやすい性別や年齢、家庭環境、性格などはありますか。逆に「ママ嫌いパパがいい」も起こりうるのでしょうか。

永野さん「今後ぜひ検証を行っていきたいですが、『パパ嫌いママがいい』はさまざまな要因が重なった結果の現象であり、起きやすい性別や年齢、家庭環境、性格などは多岐にわたり確定的ではありません。逆に『ママ嫌いパパがいい』が起きる可能性もあります。この場合も先述の子どもの心理が関わっている可能性が大きいため、パパとママを逆に置き換えて、スキンシップを多めに取るようにしてみることをお勧めします」

Q.「パパ嫌いママがいい」が見られた場合、父親と母親はそれぞれ、子どもにどのように接するべきですか。

永野さん「ママがパパに対して『ちょっと嫌だな』と思っていないでしょうか。子どもはママやパパの気持ちを察して代弁してくれる大切な存在です。もし『最近夫婦の会話が減っちゃったかも』『ケンカばかりでハグやキスをしていなかったな』と思うことがあれば、それは子どもが気付かせてくれたチャンスです。少し照れくさいかもしれませんが、『ママはパパが大好き』とハグをしてみてください。すぐに隣で子どもが真似をして『パパ大好き』と言ってくるかもしれません。子どもたちは真似っこが大好きです。もし真似をしてくれたら『やったあ!』と夫婦で喜んでください。夫婦が仲良しであることが重要です。子どもたちにはそれぞれ個性があるため、ママからの意見が通りやすかったり、反対にパパからの意見を聞きやすかったりします。まずは、ママとパパのどちらから意見を伝えた時の方が話を聞くのか、試してみるのもよいかもしれません」

「パパ嫌いママがいい」に対するNG行動

Q.「パパ嫌いママがいい」や「ママ嫌いパパがいい」が見られた場合のNG行動とは。

永野さん「子どもの話に耳を傾けず、無視することは避けてください。子どもが『何を言っても聞いてくれない』と感じてしまうと、次第に何も言ってくれなくなり、親子の会話が途絶えてしまうことにつながる可能性もあります。また、子どもに対して『○○ちゃん嫌い』と言うことも避けましょう。大人がムキになって言ってしまったことが、子どもの心の奥底に『嫌われた』という悲しい出来事としていつまでも残ってしまうことがあります。これが後々、成長とともに親子のわだかまりとなってしまう場合もあるのです。子どものことを第一に考えた対応を夫婦で話し合い、子どもに接してみてください。子どもは夫婦の思いに応えてくれ、楽しい家族の時間を築いていけるはずです」

(オトナンサー編集部)

 


ライター:永野美香(ながの・みか)
子どもとママをつなぐ保育士

1983年福岡県生まれ。子どもが大好きで子どもに携わる仕事に就きたいと、まずは自分が卒園した幼稚園に勤める。そうした中で保育に関わる仕事はさまざまであることを知り、経験値を上げるため、病児保育や家庭的保育、保育園に勤務。12年以上にわたり子どもや保護者と関わる。子どもの良い状態は母親の良い状態から来ることを見てきたことから、母親のストレスを少しでも軽減し、子育てを楽しんでもらうために、子育てカウンセラー協会インストラクターを取得。母親たちの話を聞きながら、それぞれの子どもの長所を伝え、ワクワクしながら子どもたちの成長を見守っている。

 

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