マイホーム購入のため、将来の子供の学費など、家計のやりくりをしてがんばって節約し、貯蓄をしている方がほとんどだと思います。
しかし、思ったように貯まらない、これ以上節約できないと嘆いている方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな悩みを解決できる“3種類の支出”について解説していきます。
性質の違う3つの支出
ひとくちに支出といっても、その性質によって消費・浪費・投資の3種類にわけられます。性質というのは「支払ったお金」に対する「価値や効果」の違いです。
この3種類の支出を理解することで、節約すべきポイントが明確になりますので、まずは、それぞれがどんなものかを見ていきましょう。
消費
消費とは、毎日の生活に必要な食費や日用品、水道光熱費、通信費、家賃などに使うお金のことです。
消費は、支払った金額と同等の価値や効果が期待できるので「使ったお金=価値・効果」となります。
浪費
浪費とは、無計画な衝動買い、豪華な外食、ブランド品、高級品といった贅沢品、ギャンブルなどに使うお金のことです。無駄使いといってもよいでしょう。
浪費は、支払った金額に見合った価値や効果が期待できないので、「使ったお金>価値・効果」となります。
投資
投資とは、資格の取得、英会話学習、書籍代、人脈を広げるための交際費、健康維持といった自分の将来のために使うお金のことです。株や投資信託、不動産への投資といった意味での投資ではありません。
投資は、支払った時点では価値や効果はありませんが、将来的に大きな価値や効果が期待できますので、「使ったお金<価値・効果」となります。
浪費をなくせば余裕が生まれる!
消費・浪費・投資の理想的な比率というものがあり、一般的には…
- 消費:70%
- 浪費:5%
- 投資:25%
といわれています。
家計をチェックして、この比率に収まっているかを一度確認してみましょう。浪費は5%までは許容範囲なので、そこに収まっていればとりあえず合格点です。しかし、浪費をできるだけ抑えて0%に近づけることで、その分を貯蓄などほかのことに回せますので、減らす努力をしましょう。
注意したいのは、消費と浪費、投資と浪費に明確な境界線がないため、消費や投資だと思っていても、実際は浪費になっているケースがあることです。
たとえば、数ヶ月に1回程度の豪華な食事なら、仕事へのモチベーションやリフレッシュのために必要なもので、消費と考えてよいでしょう。しかし、毎週末ごとに楽しんでいるようであれば、浪費になります。
同じように、資格取得や語学学習のための書籍代、講習代は投資になりますが、途中で投げ出したしまったものは実質的に浪費になってしまいます。
スポーツジムの会費を払いながら、月1回も利用しないといった場合も浪費です。
そこで、なにかお金を使うことをする前に、「お金を使う価値があることかどうか」「消費か浪費か投資か」を考えるクセをつけましょう。
「外食をする前に外食の頻度や今月使った金額」「買い物をする前に本当に必要なものか、贅沢なものではないか」といったように、浪費にならないかを考えることができれば、浪費=無駄使いは確実に減らすことができるのです。
浪費0%を目指して、今日から実践してみてください!
小日向 淳(フリー編集・ライター)
家計の節約術から資産運用、老後資金、相続対策などを中心に構成から執筆までを手がける。『法改正対応 バッチリ相続まるわかり 2015-16年版』(学研マーケティング)/『これで安心! 月5000円からはじめる老後資金の作り方』(宝島社)/『親の入院・介護で困らない!)』(宝島社)ほか、書籍、雑誌、ムック、Web記事など多数。