いじめた子といじめられた子、「どっちが悪い?」と、子ども達に意見を聞くと、いじめる方が悪いという子がほとんどですが、いじめられる子も悪いという子もいます。
そもそも、どうしていじめは起きてしまうのか。
実は、いじめる子といじめられた子どもには、共通した事があるのです。
「羨ましかった」という気持ちからいじめに発展したケースも多い
私が見てきた子ども達の中に、分かりやすい「いじめ」がありました。K君(いじめた側)とT君(いじめられた側)です。共に、小学三年生です。
K君は、いつもT君の家に遊びに行きます。
T君のゲームで遊び(本人には遊ばせない)、T君の分のおやつも食べる更に、T君に宿題をやらせ、K君はそれを写すだけ。
ひどい時は、T君の宿題や学校の教科書を近くの公園の砂場に埋めたりしていました。おとなしいT君は何も言わないので、ほぼ毎日のようにそんなことが続いたそうです。
ある日、T君の母親が異変に気付きます。最初は話さなかったようですが、少しずつ涙ながら話をしたそうです。ずっと小さな胸中で我慢してきたと思うと、母親は胸が締めつけられる思いだったそうです。その後、学校を通して両家で話し合いをし、いじめはなくなったそうです。
驚いたのはK君は、いじめの意識はなかったそうです。楽しかったし、T君も笑っていたから喜んでいるのかなと。逆にT君は、毎日が苦痛の連続、学校が終わるのが怖かったと。
K君は、毎日母親が家にいて、おかえりと迎えてくれ、おやつも出して貰えるT君が最初は羨ましかったというのです。そして、好きなゲームを買ってもらい、自由な時間を楽しめるT君に段々とイライラしてきたそうです。
自分は、毎日夜までひとりで留守番し、更に、父親からは〇〇大学にいけ。と、90点のテストを見て「100点じゃないのか」と言われる日だったそうです。きっと心にストレスを抱えている状態だったのだと思います。
いじめる、いじめられる子どもに共通してるのは自己肯定感
K君は、※1.自己肯定感が少なかったのでしょうね。だから、他人を攻撃する事で、自分の心を守っていたのだと思います。
そして、T君は、いじめれたことで、時間とともに自己肯定感が少なくなってしまった可能性が大いにあります。
いじめは子ども達の心に大きな傷を残します。
一見、いじめられた子の心の傷ばかりに目がいってしまうのですが、いじめた側の心にも大きな傷があります。しかも、いじめた側は、いじめる前から傷ついている場合がほとんどです。
子ども達の自己肯定感を育てるに、遅すぎる事はありません。気づいた今はそのチャンスです。
では、日々忙しい親たちは、どうやって自己肯定感を育てていけばいいのでしょうか?それは、また次回!
※1.自己肯定感
自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉
執筆/まゆみ
二児のママ。子育て応援ZEROSAI代表。