2020年はコロナウィルス感染拡大防止のため、企業ではテレワーク(在宅勤務)の導入が一気に進みました。
そのため、自宅で作業をする夫も増えているでしょう。
それと比例するかのように、インターネットを中心に「夫源病(ふげんびょう)」というキーワードが注目されるようになっています。
またの名を「主人在宅ストレス症候群」とも呼ばれることもあるようです。
夫と同じ家にいると体調不良に陥る夫源病。
夫源病は「愛情がないからじゃないの?」「旦那さまは家族のために仕事をしているのに、邪魔者扱いされてかわいそう」などと、まるで妻側に責任があるような言い方をされてしまいがちです。
しかし、妻がひたすら我慢をしても何の解決にもならず、時間の経過と共に夫婦の間の溝は深まっていくだけ。
夫源病は最終的に熟年離婚にもつながっていく、非常にデリケートな問題なのです。
今回は夫源病とは何なのか?そして夫源病と向き合うにはどうすればいいのか?をお話していきましょう。
イライラだけでなく体調不良を引きおこす「夫源病」とは?
「夫源病(ふげんびょう)」とは、夫が原因(源)になり、妻の心と身体が不安定になること。
病とはついていますが、医学的な病気ではありません。
石蔵文信氏(大阪樟蔭女子大学教授)が男性更年期外来で中高年夫婦の話を聞いている際にこの病の傾向に気づき、命名されたものです。
中高年の夫婦だけでなく、20代や30代の夫婦にも夫源病は存在しています。
もしかして私も?「夫源病」のサイン
このような症状に思い当たったのならば、夫源病の可能性が高まるでしょう。
- 夫が在宅中は意味もなくイライラしたり、頭痛が続くので辛い
- 週末(夫の休み)が近づくと情緒不安定になる
- 夫の話を聞いていると手が震えたり、顔がのぼせるような感覚がある
- 夫が不機嫌そうな雰囲気を出していると、対象が自分でなくても動機が激しくなる
このような体調不良は典型的な夫源病のサイン。
このほかにも下記のような例で夫源病に気づくこともあるかもしれません。
- 夫が繁忙期で顔を合わせなくなったら、体調不良を感じなくなった
- 夫が不在のときの方が自分らしく振る舞えているような気がする
- 夫が出張中の方が寝つきが良い
このような症状が出ていても、先ほども説明した通り夫源病は医学的な病気ではありません。
そのため、病院で検査をしても経過観察になったり、別の病名がついたりと根本的な解決へと繋がらないことが多いでしょう。
知り合いに相談をしても「夫のせいで病気になったと訴える酷い妻」といった扱いを受けてしまうなど、夫源病の女性は孤立しがちなのです。
実際の「夫源病」事例①:家事をしない夫にとにかくイライラ
結婚をして10年、小学生の子供がいる共働きのA子さん。
平日の家事は帰宅が早いA子さんの負担が大きくなるのは仕方がないとしても、休日も夫は朝からゴロゴロ。
少しは協力してくれてもいいんじゃない?と言った気持ちから、夫が在宅中は何か理由がなくてもイライラするようになってしまった。
対処法:言いたいことは小出しにしていく
家事の分担が不平等じゃない?問いたくても、グッとこらえて日々のタスクをこなしていく女性は多いもの。
どこか夫は疲れているから仕方ないと受け入れている優しさや察しの良さを秘めたタイプの女性なのです。
しかし、このままでは不満が爆発するだけ。
一度「物分かりも察しも良い妻」を中止し、やってほしいことを伝えていきましょう。
一気に伝えるのではなく、小出しにしていくのがポイント。
「手が回らないから、お風呂掃除だけお願いしてもいい?」などと苦手な家事をお願いするなど、手持ちの家事を少なくしていきましょう。
それに応じてくれている姿を見ることで、イライラも自然と減っていくはず。
このタイプの女性はお願いすることに慣れていく行為が、夫源病克服のカギになるでしょう。
実際の「夫源病」事例②:日常的に頭痛がする
結婚してもうすぐ15年のB子さん。
数年前に夫が女性トラブルを起こしたものの、大事にはならずに夫婦関係を継続。
しかし、それ以来夫の言動が気になるようになり、気に障ることをされると頭の痛みを覚えてしまう。
最近では夫が在宅中は何もしなくても頭痛がするので、薬が手放せなくなってしまった。
対処法:苦痛を感じたときは外に出していく
ストレスを内側に溜める癖を改めていきましょう。
イライラした気持ちを吐き出すことで、体調不良を感じる機会も減っていくはず。
そのときに感情的になってはいけません。
男性は物事を理論的に考える傾向がありますから、同じように落ち着いて話をするようにしてください。
「現状」そして「改善点」を明確にすることで夫も「何をどう改めればいいのか」といったことが分かりやすくなり、強いストレスが緩和されていくかもしれません。
まとめ
自分が夫源病かもしれない……と思ったのならば、まず初めにしていただきたいのが、少しずつ夫と向き合うことです。
離婚は最終的な手段ですから、まずは夫婦でハッピーに暮らしていける方法を模索してください。
それでも解決しないときは、外部の夫婦問題のカウンセリングを受けるなど、外に意識を向けるのも良いでしょう。