お茶やジュースはNG? 「薬」の服用時、飲んだり食べたりしてはいけないものは?

投稿日:2019-09-17 更新日:

風邪や頭痛で薬を飲む際、一緒に取る飲み物や食べ物との「飲み合わせ」に注意する必要があるようです。

薬を飲むとき、NGの飲み物や食べ物は?

風邪や頭痛、便秘など何らかの不調をきたしたときに頼りになるのが、「薬」の存在です。薬には、病院を受診して処方してもらう「処方薬」と、薬局などで購入できる「市販薬」がありますが、いずれも「飲むタイミング」「飲む量」「他の薬との飲み合わせ」に注意している人は多いことでしょう。しかし、服用時の飲み物や、相性のよくない食べ物など、服用の際に注意すべき「飲食物との組み合わせ」もあるようです。

ネット上では、「ついついジュースで飲んでしまう」「食べ物は気にしたことなかった」など、さまざまな声が上がっていますが、実際のところはどうなのでしょうか。注意すべき薬と飲食物の飲み合わせについて、内科医の市原由美江さんに聞きました。

硬水と軟水の違いにも注意

Q.薬を服用する際の飲料は、何がよいのですか。

市原さん「薬は『水』か『ぬるま湯』で飲むのが基本です。どの薬もそれを前提に作られているため、その他の飲料で飲んだ場合、予期せぬ副作用や、効果の強弱が出る可能性があります。服用時に避けるべき飲料と薬の組み合わせは次のとおりです」

【お茶、コーヒー+風邪薬、睡眠薬、鉄剤など】

一部の風邪薬にはカフェインが含まれているため、お茶やコーヒーを同時に摂取すると、カフェインの過剰摂取となる可能性があり、お勧めできません。また、カフェインは睡眠薬の効果を弱めたり、風邪薬の効果を強めたりする可能性があるため、お茶やコーヒーの飲用はNGです。

また、お茶に含まれているタンニンは、鉄の吸収を邪魔する可能性があるため、鉄剤を内服する際に飲むのも避けましょう。

【スポーツドリンク、ミネラルウオーター(硬水)+抗生物質】

これらに含まれるカルシウムやマグネシウムが、抗生物質などの成分と反応することで、薬の効果が弱まる可能性があります。ミネラルウオーターの場合、カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない軟水のものは問題ありません。

【牛乳+抗生物質など】

牛乳にもカルシウムが含まれています。スポーツドリンクなどと同様に、カルシウムが抗生物質などの成分と反応すると薬の効果が弱まる可能性があるため、薬の服用時は避けましょう。

【グレープフルーツジュース+降圧薬、脂質異常症治療薬、睡眠薬など】

グレープフルーツジュースは、一部の降圧薬、脂質異常症治療薬、睡眠薬などの服用時に飲むと、効果が強まったり、副作用が出やすくなったりするためNGです。その他のジュースは問題ありません。

【炭酸飲料+胃薬(制酸薬)】

胃薬の中でも「制酸薬」は、胃酸を中和することで、胃粘膜を刺激する胃酸の働きを弱める働きがあります。炭酸飲料を飲むと、この中和反応に炭酸が働きかけてしまうため、胃酸の働きを弱める効果が薄れてしまいます。

【アルコール飲料+さまざまな薬】

アルコール飲料は多くの薬剤の効果を強めたり弱めたりするだけでなく、副作用が出やすくなるため避けてください。

Q.一緒に服用することで、薬の効果・作用に影響が出る食べ物があるのは事実でしょうか。

市原さん「事実です。薬の効果に影響を及ぼす食べ物との組み合わせは数多くあります。代表的なものは次のとおりです」

【納豆+ワルファリン(抗血栓薬)】

納豆や青汁に含まれるビタミンKは、血液の凝固の過程で必要となる栄養成分です。そのため、血液を固まりにくくするワルファリンと一緒に摂取すると、ビタミンKの作用により、血栓予防の効果が弱まってしまいます。

【チーズ・マグロ+抗結核薬・抗うつ薬】

薬によって、これらの食材に含まれるチラミンの分解が妨害されます。そのため、チラミンによる頭痛や発疹、血圧上昇などの副作用が出ることがあります。

【ヨーグルト+抗生物質】

牛乳やスポーツドリンクと同様、ヨーグルトに含まれるカルシウムが抗生物質などの成分と反応することで、薬の効果が弱まる可能性があります。

Q.ちなみに、サプリメントと飲食物の飲み合わせはどうでしょうか。

市原さん「サプリメントは薬ではなく、普段の食事で不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養を補うことが目的です。サプリメントと飲食物の組み合わせで避けるべき組み合わせは特にありません」

Q.その他、服薬における注意点や、意識すべきポイントはありますか。

市原さん「先述の通り、薬はコップ1杯の水か、ぬるま湯で内服することが基本です。飲む水分が少ないと、のどや食道に薬が付着したり、刺激になったりして、炎症を起こしてしまうことがあります。薬を飲むタイミング、量は指示に従いましょう。薬のことや飲み合わせで疑問や不安があれば、薬をもらうときに薬剤師に相談してください」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)
医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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