近年ではライフスタイル、家族の価値観が多様化されていることを背景に、「結婚」という制度においても、法律婚以外に「事実婚」を選択するカップルも増えています。
最近では人気ブロガーのはあちゅうさんが事実婚を発表した事で、広く世間に知られるようになりました。
今回は事実婚とはそもそもどんな制度なのか、またメリット・デメリットなども踏まえてご紹介していきます。
そもそも事実婚とは?
それでは一体事実婚とは何なのか。それは、「入籍はしていない(婚姻届は出していない)が、夫婦同様の関係にある男女間の状態」のことを言います。
事実婚と内縁の違いって?
基本的な「事実婚」と「内縁」は同じ意味を指しています。同棲しているカップルと「事実婚」「内縁」と一体何が違うのかというと、「お互いが夫婦であるという意思」をもち、共同生活(生計も含め)を送るという事が大きなポイントとなります。
事実婚をなぜ選ぶのか?
それではなぜ法律婚ではなく「事実婚」を選ぶのでしょうか。
それはお互いの持つ結婚への価値観が一番大きいと言えるでしょう。例えば「婚姻制度で縛られる関係でいたくない」、「2人は愛し合っているだけ。入籍という形をとりたくない」などの理由が挙げられます。
また親・親族から結婚を反対されて事実婚を選択せざるを得ないケースもあります。
事実婚を証明する方法とは?
事実婚を証明する方法・手段は「住民票」です。
法律婚=入籍した場合の住民票における続柄記載は、男性は「世帯主」、女性は「妻」と記載されますが、事実婚の意思を表して住民票の手続きを行うと、「夫(未届)」、「妻(未届)」と表記されます。
近年では人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のストーリーの中で、新垣結衣さん演じるヒロインが同様の手続きを行なっていたことでも世間に広く知られました。
事実婚のメリット
夫婦別姓の実現
現在法律婚ではどちらか一方の姓(名字)を選択し、名乗らなければなりませんが、事実婚ではお互いがそのままの姓を使う事ができます。
パスポートや運転免許証、各種カードなどの変更手続きが省ける、仕事でも結婚前と変わらずに働けるなどのメリットがあります。
夫婦関係の対等さ
先ほど紹介した夫婦別性にも関係していますが、現在の法律婚ではお互いが同じ姓を使用する=どちらの家に入る・嫁ぐなどの意識がいまだに残っている事は否めません。
「家」制度には縛られたくない、パートナーとの関係性を対等に築きたい、維持したいという意思があるなら事実婚にあっていると言えます。
事実婚のデメリット
税金面では大きな違いが
事実婚の夫婦は、税制上は法律上の夫婦と見なされないため、赤の他人となるので、配偶者控除も配偶者特別控除も受けることができません。
子供は「婚外子」となる
事実婚カップルの間に子供が生まれた場合は婚外子(非嫡出子)となります。
子供は母親の戸籍に入りますが、父子関係は法律上は他人状態となります。父と子の関係を戸籍上でも親子とするのであれば、役所に出向き認知届を提出して子供を認知する必要があります。
事実婚カップルにとって最大のデメリットはここであると言えます。
遺産相続権がない
事実婚の場合、配偶者への相続権が認められていないため、相手名義の財産を引き継ぐことができません。遺産をもらいたいのであれば「遺言書」を書いてもらう必要があります。
また「父親が認知をしていない子供」がいる場合も同様です。相続権を得たいのであれば子供の認知をする事が必要です。
いかがでしたでしょうか。夫婦の数だけその在り方は何通りもあるため、お互いが納得した上で事実婚・法律婚を選んでもよいのではないかと思います。
型には縛られず、お互いが夫婦という意思を持って、素晴らしい関係性が築ける事が一番大事な事なのではないでしょうか。