完璧を目指さなくていい。「コミュ障」が身につけたい伝え方のコツ

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(photo by acworks/photoAC)


「コミュニケーションが苦手で、気持ちをうまく伝えられない……」
「緊張しやすくてついオドオドしてしまい、誰かと話すのが怖い……」

このように自分のコミュニケーション能力について悩んでいる人は少なくないでしょう。また、そういった悩みはなかなか解決しづらく、自分を責め続け、自信をなくしている人も多いようです。

「コミュ障がダメだ」と思ってしまうからつらいのであって、いまコミュ障である自分を否定せずに受け入れてしまえばいいということです。そしてそこから、“できそうなこと”をひとつひとつ実行していく。そういうことを繰り返していくうちに、コミュ障を脱却できるはずです。(はじめにより)

人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)の中で、著者の印南敦史氏はこう述べています。ビジネスパーソンに人気のウェブメディア「lifehacker[日本版]」で書評を担当、また人脈の広さからライターやラジオパーソナリティ、DJなど、さまざまな分野で活躍している氏も、コミュ障である自分と戦い続けてきた1人です。

この本は従来のコミュニケーション本にあるように「自分を変える」ことを推奨するのではなく、「いまのまま」の自分を活かし、相手とうまく付き合うための方法を教えてくれる本です。今回は、第3章『「自称コミュ障」が身につけたい伝え方』から、頑張りすぎないコミュニケーションのコツをみてみます。

「一流のトーク」を目指しても、無理

コミュ障の人にはまじめな完璧主義者が多いようです。人と関わる際、ついつい「一流でなくてはいけない」「常に完璧でなくてはいけない」という義務感を背負ってしまいがち。

たとえば人になにかを伝えるとき、「わかりやすく、明るくフレンドリーに、無駄なく、でも詳細に……」など、まるでプロフェッショナルな司会者にしかできそうにもないようなことを自分に課してしまうのです。そして自分の能力以上のものができなくて当然なのに、「どうして自分はできないんだろう?」と、さらに自信を失ってしまうのです。

そもそも、聞く側は「一流のトーク」を求めているのでしょうか。自分が一緒に話していて、楽しい、好感がもてるなと感じた人を思い浮かべてみてください。それはきっと、次のような話し方をしている人のはずです。

「自身満々の上から目線」ではない話し方(緊張しないで聞ける)
上手じゃなくてもいいから響く話し方(話し方教室じゃないんだから)
むしろ「不器用だなー」と思わせてくれるような話し方(好感につながる)
肩の力を抜いた話し方(気負わず楽に聞ける)
下手でも、なんだか楽しそうな話し方(こっちまで楽しくなってくる)
(本書98ページより)
一流のトークやスピーチが、必ずしも相手から望まれているとはかぎりません。むしろ、自分らしく一生懸命に話している人に、人は自然とひきつけられるものです。そう考えると、「完璧」に縛られていることが、いかに無駄であるかがわかるはずです。

「感動させよう」と狙うと失敗する

先ほどもふれたように、誰かとコミュニケーションを取るとき、コミュ障の人は余計なことを考えてしまいがちです。「相手を満足させられる自分でいないと失礼だし恥ずかしい」という気持ちがエスカレートし、「自分のようなコミュ障の話が、おもしろいわけがない」というコンプレックスを生じさせることもあります。

結果として、「相手に喜んでもらえるようなトピックスを用意しなければ」と過剰に気づかい、さらには相手に満足してもらえる究極のトピック、「感動」を提供しようという発想へとつながっていきやすいのです。

しかし、感動なんてそうそう簡単に演出できるものではありません。さらにいえが感動は、聞く側が自発的に「する」ものであって、話をする側が「させる」ものではありません。

相手に「この人から話を聞いてよかった」と感じてもらうためには、もっと大切なことがあります。それは「自分の言葉」で話すことだと印南氏はいいます。

1. 話のうまさは必要ない
2. 下手でも一生懸命に話せば、それが感動に変わることがある
3. 大切なのは、誠実であること

ポイントは、この3点です。中途半端なギミックをつかい取り繕うのではなく、「感動させよう」という気持ちを心の中から取り払うこと。それがコミュニケーションの原点なのです。

「3ステップの常識」を無視しよう

書店にたくさん並ぶスピーチの仕方を説いた本を開いてみると、

1.前置き:「今日は~についてお話しします」というように、スピーチの内容をざっと説明し、聴衆の心の準備をさせる
2.本論:話すべき本題を話す
3.まとめ:話した内容を簡潔にまとめる

という「3ステップ」の重要性を強調しているものがよくあります。こうしたステップを踏むことで、聴衆を飽きさせることなく、集中力を維持させ、しかも最後に話すまとめの内容はいつまでも記憶に残る、というものです。実際に、有名なスピーカーたちによるスピーチの多くが、このような構造になっています。

しかし、コミュ障の人からすると「それができればやるけど、できないから困ってるんだよ」と思うでしょう。そう、やる気がないのではなく「できない」のです。では、コミュ障の人は、この「3ステップ」とどのように向き合えばいいのでしょう。

この問いに対する、印南氏の答えも非常にシンプルです。それは「無視すればいい」というもの。「なにを無責任な!」と怒る方がいるかもしれませんが、できないことを自分に強制するよりも、できることを実行する。そこから、自分のペースで少しずつ、「できることの幅」を広げていけばいいのです。

世の中にはいろいろな人がいて、本来であれば「できる人」と「できない人」がいて当然といえます。だからこそ「できる人の方法論」だけを押し付けるのは無理のある話です。できない人には「やらなくてもいい」という選択肢があります。できる人に比べて「完璧ではない」「効率的ではない」のは恥ずかしいことではありません。

「完璧ではない自分」を受け入れることはとても大切です。受け入れることで、次に「自分にとって心地よい状態」が見えてきます。

堂々と恥をかこう!

なんとなく、「自分にとって心地よいコミュニケーションの方法がみつかったかもしれない」という段階になったら、たとえ「確信」がなくても、「これかも」と思うことを実行に移してみましょう。

失敗したり、恥をかく可能性も大きいです。「恥をかくこと」をなんとしてでも避けたい、というのもコミュ障が陥りがち考え方です。

しかし恥をかくことには大きな意味があります。「二度と同じ恥をかきたくない」と思うことで、知らず知らずのうちにワンステップ上がることができるのです。

それに、「恥をかく」ことに関しては、次のようなことも知っておくべきです。

自分が思っているほど、人は自分に興味がない(恥をかこうが、そんなことはどうでもいいと思っている)
つまり、恥をかいてもすぐに忘れられる可能性が高い(そもそも最初から記憶に残っていないことも少なくない)
恥をかいてもさほど大ごとにはならないのに、自分ひとりであたふたしたら、恥をかいたことを自らアピールすることになってしまう
だったら恥をかいたとしても「なかったこと」にしておくほうが精神的にずっと楽(もちろん聴衆にもデメリットはない)
つまり恥をかくことは、別にどうということもない
むしろ、恥をかいて恥を知ることができるのだから、どんどん恥をかくべき
(本書129ページより)

頑張りすぎず、「いまのまま」の自分を活かすということを、軸にした『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』は、今まで自身のコミュニケーション能力に悩んできた人にとって、心を救われる1冊となるのではないでしょうか。電話やメール、打ち合わせのシチュエーション別アドバイスや地雷を踏まない聴き方のルールなど、印南氏がコミュ障を受け入れつつ編み出したルールは、きっと役に立つはずです。

書籍引用:人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方  ¥1,430 印南 敦史 (著)
記事提供:日本実業出版社

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