男女を問わず「足の臭いが気になる」という人は多いはず。特にこの季節、仕事で革靴などの、足が蒸れやすい靴を履いている方はそれが大きな悩みかもしれません。
オトナンサー編集部では今回、足が臭う原因やその対策について、医師の髙田女里さんに聞きました。
足汗をかいたままだと細菌が繁殖
髙田さんによると、そもそも足が臭う原因は雑菌(細菌)です。「手や脇の下と同様、足裏にも汗をかきます。生乾きの洗濯物が臭うのと同じく、足裏に汗をかいて湿ったままにすると細菌が繁殖し、臭いを発するのです」(髙田さん)。
また、毎日同じ靴を履くことによって足が臭ってしまうことも。1日履いた靴には湿気がたまっており、十分乾燥しないうちに履くことで細菌が増加し、臭いの原因となるからです。「窮屈な靴によって足の血流が悪化したり、入浴時に足の爪のあかを落としきれなかったりしても、臭いの原因になります」。
なお、体臭は人によって強弱がありますが、足の臭いは一般に、体臭が強い人ほど強くなる傾向があるとのこと。「脇の臭いとは異なり、足の臭いは手術でどうすることもできませんが、足を含む体全体を毎日洗うことで臭いを軽減することはできます」。
制汗スプレーやボディーシート活用を
髙田さんによると、細菌は足裏に汗をかき、ジメジメした状態のままにしておくことで繁殖するため、通気性の良い靴や靴下を履くことが一番の対策です。日本の伝統的な履き物である草履は足が蒸れる心配がなく、臭い対策に最適といいます。
しかし「草履を履いて出勤したり、仕事をしたりすることは大部分の社会人にとっては難しいこと。そこで、帰宅したらそのままにするのではなく、しっかりと足を洗う習慣を身につけることが次善の策でしょう。可能であれば、昼間もこまめに足を洗う、靴下を履き替えるなどの対策をすることで臭いを軽減させられます」。
それも難しければ、足用の制汗スプレーを使用したり、ボディーシートなどで汗を拭き取ったりすることで、より手軽に臭いを軽減できるとのこと。足の締め付けによる血流障害も臭いの原因となりうるため、窮屈な靴や靴下を避けたり、マッサージで足の血流を改善したりすることも効果的です。
(オトナンサー編集部)
ライター:髙田女里(たかだ・めり)
医師(形成外科)・医学博士(法医学)
1980年8月15日生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科の憲法ゼミで学んだ後、医師を目指して秋田大学医学部へ学士編入。医師免許取得後、2年間研修医として各科を回り、その後、法医学分野の博士号を取得した。日本形成外科学会会員、日本抗加齢医学会会員、日本医師会認定産業医。