いつからでしょうか。
真剣に悩んでいる人に対して爆笑しながら「病んでいるの?」と言えるような風潮になってしまったのは。
私自身の話になり恐縮ですが、かつて不登校を経験しており、それからは、ずっと人よりも悩み、レールから外れてきた人生を送ってきました。
大学時代には通常の生活に戻っていましたが、同世代の友人たちが悩んでいる人に対して「病んでいる」と平気な顔をして笑っている姿をみて、とても違和感を覚えてきました。
たしかに真剣に悩みすぎているのは、病気と関連しているからかもしれません。しかし、医学的判断は素人がすることではなく、ましてや深い事情を知らないまま、安易に他人に対して投げかけてはいけないフレーズだと考えています。
まずはちょっと立ち止まって、日頃の言動を振り返ってみましょう。
病んでいるではなく、悩んでいる
たしかに悩んでいる状態は、言いかえると病んでいる状態なのかもしれません。
心がいつもの状態とは違うため、病んでいるといえば病んでいる状態ですが、それを他人が勝手に判断し、ましてや、軽いノリで発する言葉ではないような気がしています。
悩んでいる姿を病んでいると表現するのは自由ですが、見方を変えれば、心が病んでしまうほど真剣に向き合っているともいえます。現実逃避ばかりしている人が冗談で言うフレーズではない、と考えています。
何を基準に他人を病んでいると判断するのか、それはもちろん人によっても違いますが、一つ言えるのは、何も考えずに「病んでいる」という習慣を捨てる必要はあります。
病んでいると独創性は表裏一体とも思うときがありますし(あくまでも個人的な見解です。)、もしかしたら、本当に目の前の相手は医学的には病んでいる可能性もあります。
もし、あなたの周りに真剣に悩んでいる人がいたら「病んでいる」とは言わずに、彼・彼女の個性を認めてあげてください。異質と思わず、これも一つの個性であり、だからこそ○○ちゃんらしい、○○くんらしいとありのままの姿を受け止めることが大事なのではないでしょうか。
どうしても言葉が見つからなければ、本人が書いたSNSに反応してあげる(ただし、病んでいるのフレーズは使用しない)だけでも、友好な関係を続けられるでしょう。
どうか一人でも多くの人が、自分の中のネガティブな部分を受け止めながら、自分らしく過ごせますように!そして、みんながみんなに優しい社会であり続けますように。
中学時代不登校を経験し専修大学法学部に進学後、 webライターとして活動開始。現在は恋愛・ライフスタイルなど 様々なジャンルのコラムを執筆中。