家が近づくと気が重くなり、不要な残業や寄り道をして家族が寝た後に帰ったり、カプセルホテルに泊まったり…。近年、「家に帰りたくない、帰るのが怖い」と思う働き盛りの男性が増えているといいます。
悪化すると動悸や鬱症状が出て、心療内科を受診する必要も出てくるようです。
本来安らぎの場所であるはずの家庭が、夫にとってくつろげない、苦痛な場所になっているからだそうですが、一体どうすればよいのでしょうか。
夫婦の気持ちのすれ違いから生まれる、家庭内不和が原因
帰宅拒否症になってしまう夫には、ある一定の傾向がみられるようです。「生真面目、我慢強い、温厚、争いごとが苦手、責任感が強い、仕事が忙しい、家族とうまくコミュニケーションがとれない」等々があげられます。
一方、夫を家に帰りたくない気分にさせてしまう妻の言動とは、「不平、不満、愚痴、無視、暴言、夫を徹底管理、掃除や片づけをしない」などです。
子供がいる場合「子供に会いたいから帰る」と思えれば良いのですが、妻と子供の結びつきが強いと、夫は「居場所がない」と感じ、帰宅拒否症になり得るといいます。
妻のSOSに無関心を続けると、夫は帰宅拒否症に?!
夫が帰宅拒否症になる以前に、妻の「不平、不満、愚痴、無視、暴言、八つ当たり」などは、妻からSOSが出ているサインと考えられ、一番身近にいる夫が、その気持ちを受け止めたり、共感したりすることの方が先ではないのかな、と筆者は思います。
不平不満を妻から言われると、夫は「怒られた、指導された」と感じ、「面倒だから怒りが収まるまで我慢」という姿勢になりがち。
でも本当は「どうしたの、大丈夫?」と、妻は言われたいのです。
ある男性は、帰宅恐怖症が1年半続き、もはや夫婦関係が修復できなくなり別居。
ところが離婚調停の過程で「なんでそんな状態になったのか、何がいけなかったのか、本音で話し合った」結果、和解して、帰宅恐怖症も克服しました。
その例からも、まず「対話をして2人で解決策を探り、本気で理解し合おうと互いに努力すべき」なのではないでしょうか。
そのために妻ができる対処は、「夫にポジティブな言葉やねぎらいの言葉をかけたり、夫の話を聞いたり、共通の趣味でコミュニケーションをとったり、おいしい手料理や快適空間を保つ」などとされます。
「なぜ、妻ばかり努力しなければいけないのか」と疑問をもつ方もいると思いますが、不平不満を言う前に少しずつでも温かい家庭にしていかないと、夫も心を開けません。
修復不可能と感じたら「夫婦カウンセリング」も視野に入れて、解決への糸口を探ってみましょう。