家事ノート

「薬をお茶で飲んではいけない」は本当なのか

投稿日:2018-06-30 更新日:

「薬はお茶で飲んではいけません」――。家庭や学校、病院などでそう教わってきた人も多いはず。しかし、それは真実なのでしょうか。医師に取材しました。

薬をお茶で飲むことに問題はないのか

 

「薬はお茶で飲んではいけません」。子どもの頃、ご家庭や学校、病院などでこのように教え込まれた人も多いことでしょう。それ以来、薬は必ず「水」と一緒に飲むのが習慣になっていたり――。しかし、それは本当なのでしょうか。

オトナンサー編集部では今回、「薬をお茶で飲んではいけない」の真偽について産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

タンニンが鉄分の吸収を阻害する

尾西さんによると、「薬をお茶で飲んではいけない」と言われるのは、お茶に含まれるタンニンが鉄分の吸収を阻害してしまうため、「鉄剤と一緒に飲んではいけない」とされてきたことに由来します。しかし最近になり、吸収はそれほど阻害されないことが判明し、お茶も問題ないとされているそうです。

ただし、お茶に含まれるカフェインが影響を及ぼす可能性も。たとえば、解熱鎮痛剤や、片頭痛、ぜんそくの薬など、カフェインが入ったものをお茶で飲むと、わずかにカフェインの血中濃度が上昇して作用が増強することがあります。「抗うつ薬や精神病薬なども、カフェインとの相互作用でイライラや不眠などを引き起こす可能性があります」。

紅茶やウーロン茶、コーヒーも同様です。またグレープフルーツ果汁に含まれる成分は肝臓での薬の代謝を阻害するため、薬の血中濃度が上昇してしまうことも。有名なのは、高血圧や高脂血症の薬、睡眠薬などです。

 

アルコールは命の危険につながる

そのほか、牛乳に含まれるカルシウムなどのミネラルも薬の吸収を妨げることがあり、抗生剤の一部で吸収が落ちてしまいます。また、牛乳は胃酸を中和する働きがあるため、胃ではなく腸で溶けるはずの薬(便秘薬など)が胃で溶けてしまい、十分な効果を発揮しないことがあるそうです。

さらに薬をアルコールで飲むと、肝臓がアルコールを分解することで精いっぱいになり、薬の解毒をしなくなるため薬の作用が増強し、命にかかわる危険な状態になることも。「薬をアルコールで飲むのは絶対にやめましょう」。

尾西さんによると、薬などの物質を溶かすには「水(またはお湯)」がベスト。「血流がよくなる白湯は吸収率を上げる意味でもよいでしょう。薬を飲むのにあれこれと考えるのも大変なので、水か白湯であれば間違いありません」。

 

(オトナンサー編集部)


ライター:尾西芳子(おにし・よしこ)
産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)
2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック副医院長。「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性のすべての悩みに答えられるかかりつけ医を目指している。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

 

▼家事が楽になる「魔法の家事ノート」アプリはこちら▼
魔法の家事ノート

-家事ノート

関連記事

薄毛とマイナス思考の原因は「便秘」にあった

便秘と薄毛とマイナス思考――。一見すると、無関係のようにも思える3者ですが、実は大きな関係性がありました。 薄毛の恐怖だけでなく性格もネガティブに… 「便秘になると、薄毛のマイナス思考人間になる可能性 …

おにぎりは「ラップ」で包むべきか、「アルミホイル」で包むべきか

お弁当の主食に「おにぎり」を作ることは多いはずですが、その包み方は「ラップ派」と「アルミホイル派」に分かれます。しかし「お米のプロ」によると、この両者には明確な優劣があるようです。   おに …

知らないと損! 申請すれば「もらえるお金」

国や自治体の制度で、申請するともらえる各種のお金があります。これらを知っておくと、何かに困った時や人生の節目にとても役立つはず。ここでは、その一部をご紹介します。 申請するともらえる各種のお金がある …

「リンゴを5カ月間保存できる方法」がSNSで話題に 専門家「有効です」

シーズンを迎えた「リンゴ」の保存方法に関する、あるツイートが話題に。「果軸部分に湿らせたキッチンペーパーを乗せて二重にラップに包み、冷蔵庫へ」というものですが、その真偽やいかに――。   こ …

「うつ病」に気付いてあげるためのポイント9選 電通過労死受け専門家がアドバイス

広告代理店の若い社員が命を絶つ原因になった、長時間労働による「うつ病」。今回は周囲の人がいち早く、大切な人の“異変”に気付くためのポイントをわかりやすく紹介します。   大切な家族や友人を守 …